【WEC】“苦い記憶”の払拭狙うBMW M4 GT3「今年はこれまでで最高の勢い」とファーフス | 北海熊の独り言

【WEC】“苦い記憶”の払拭狙うBMW M4 GT3「今年はこれまでで最高の勢い」とファーフス

アウグスト・ファーフスは、5年ぶりにル・マン24時間レースに復帰するBMWはこれまで以上に強い立場にあると考えており、同ブランドは1999年の総合優勝以来の同イベントでの「苦い」実績を克服できるだろうと付け加えた。

 ファーフスはドイツのメーカーで最も長く在籍しているファクトリードライバーのひとりであり、注目すべきことに、LMGT3に参戦するチームWRTの現在のラインナップの中で、BMWの過去2回のル・マン・プログラムにも参加した唯一のメンバーだ。

 2010年と2011年には、ウーヴェ・アルゼンとヨルグ・ミュラーとともにM3 GT2を運転し、2018年と2019年にはチームMTEKが運営するLMGTEプロのプログラムにも参加した。

 後者のプログラムが終了してから5年が経ったいま、このブラジル人はBMWとともにサルト・サーキットに戻り、ダレン・レオンとショーン・ゲラエルとともに31号車BMW M4 GT3をドライブする。

「ここ数年で多くのことが変わった」と、BMWでの過去のル・マン出場を振り返りながら、ファーフスはSportscar365に語った。

「このグループに20年近く所属できたことはとても幸運だった。だから僕はこれらすべてを経験してきた。(責任者は)マリオ・タイセンから始まり、いまはアンドレアス(・ルース)まで。だから、BMWは成功した歴史を持っていると思う」

 だが、彼が指摘するように、このブランドは過去20年間、ル・マンで良い成績を残していない。彼自身は2010年にクラス6位という最高の成績を記録しているが、2度のリタイアも経験している。

 一方でBMWは2011年にGTEプロでクラス表彰台を獲得したものの、2018年と2019年のM8 GTEではその偉業を再現することはなかった。

「残念ながら、ル・マンは辛いレースだった」とファーフス。

「だから、僕らにとっては少し苦いレースだ。また、M8には大きな期待を寄せていたが、M8を良い結果につなげることができず、これも僕らにとってフラストレーションとなった」

 

【BMWチームMTEKの82号車BMW M8 GTE 2019年ル・マン24時間】

 

「いま、僕らは非常に好調な時期を迎えていると思う。これは現在のリーダーシップの結果でもあるが、以前のリーダーシップによって築き上げられたすべてのものの結果でもある」

「イェンス・マルカルトからアダム・ベイカー(マルカルトの下でスポーツディレクターを務めていた)を経て、マイク・クラック、そしていまはアンドレアスだ」

「BMWには良い勢いがある。僕らのM4は、すべてのチャンピオンシップで大いなる成功を収めている。今年は、WEC、GTワールドチャレンジ、イタリアGT選手権で優勝したわけで、この分野で最も成功したGT3カーだと思う」

「僕らのGT3は好調だ。ル・マンにはとても準備ができていると思う。このレースに関してはもちろん、準備が充分であるということはあり得ない。だが、おそらくこの数年間、とりわけGT3プログラムについて話言うのであれば、僕らはうまくいっていると思う。だからといって、我々が勝つというわけではない」

「でももちろん、僕が初めてM3 GT2でここに来たとき、そしてM8で来たときを考えれば、今年はこれまでで最高の勢いだと思う。だから、これを勝利に変えられるように努力しよう。再びここに来ることができて、僕はとても光栄だ」

 

【ショーン・ゲラエルとアウグスト・ファーフス(チームWRT)】