レッドブルF1首脳、損傷したマシンでのペレスの周回を「3つの観点」から釈明 | 北海熊の独り言

レッドブルF1首脳、損傷したマシンでのペレスの周回を「3つの観点」から釈明

セルジオ・ペレスが受けた次戦での3グリッド降格ペナルティについてレッドブルのモータースポーツ・アドバイザーを務めるヘルムート・マルコは、かつてルイス・ハミルトン(メルセデス)が3輪走行で優勝した2020年のイギリスGPを引き合いに出すなどして釈明した。

 

F1カナダGPの51周目、スピンを喫してリアウィングが大破したペレスは、セーフティーカー(SC)の導入を避けるためにコース脇で止まらずピットに戻れとのレッドブルの指示を受け、「複数のカーボンファイバー製パーツ」をコースに落としながらコースを周回し続けた。

 

事故当時、レースをリードしていたのはペレスのチームメイト、マックス・フェルスタッペン。2番手ランド・ノリス(マクラーレン)とのギャップは5.561秒だった。SCが導入されればギャップが整理されることとなり、フェルスタッペンはノリスの脅威に晒される。

 

オーストリア紙OE24によると、ペレスに科された3グリッド降格ペナルティについてマルコは「これ以上、議論するつもりはない」としてスチュワードの決定を受け入れつつも、次のように釈明した。

 

「当時はクルマのダメージがどの程度深刻なのか分からなかった。我々の手元のカメラアングルでは確認できなかったのだ」

 

「このレースでは何が起きるか分からないから、あの時点ではできる限り長くチェコにレースを続けてほしかった。それにどれだけのデブリが飛び散るかは知る由もなかった」

 

ハミルトンは4年前のイギリスGPのファイナルラップで不運にも、デフレーションにより左フロントタイヤを失ったが、それでも時速230kmで周回を続け、背後から迫るフェルスタッペンを退け勝利を収めた。

 

この途方もないパフォーマンスについて、当時、F1のスポーティング・ディレクターを務めていたロス・ブラウンは「驚くべき才能」との言葉でハミルトンを称賛した。

 

「過去にはもっと多くのパーツをぶら下げて走ったドライバー達もいた。(例えば)ルイス・ハミルトンはシルバーストーンで3輪で優勝したことがある」とマルコは付け加えた。

 

ペレスとは別にスチュワードは、レッドブル・レーシングに2万5,000ユーロ(約423万円)の罰金を科した。