角田裕毅「ホンダで乗りたい」RB来季残留の理由を説明…多数の移籍話があったと明かす
ビザ・キャッシュアップRBの角田裕毅が、2025年のVCARB残留決定について、自身の言葉で理由を説明している。
角田はカナダGPを終えてすぐさまイギリスに向かい、シミュレーターで次戦スペインGPの予習を行った後、チェコに移動したとのこと。『DAZN』の『WEDNESDAY F1 TIME #16』に、そのプラハからリモート出演した。
番組内ではカナダGP予選の直前に発表となった、2025年の残留決定について話題に。番組MCのサッシャ氏が“契約延長おめでとうございます”と祝福すると、角田はこう述べている。
「ありがとうございます。いろんなことが契約までにあったので。もちろん、チームとの契約延長をすぐに今回は発表できたんで良かったです」
「ただ、それまでの過程でも結構いろんな話し合いもあった」
角田は様々な選択肢がある中、どのような状況で来季レースに挑むかという点も判断材料だったと明かしている。
「全体的に(いろんな話があって)良かったんですけど、最終的にビザ・キャッシュアップRBで。レッドブルファミリーともちろん、そしてホンダさんが特に最後の1年だったので」
「来年やっぱりホンダのエンジンで乗りたいっていう部分もあった。すぐに契約延長できてよかったです」
サッシャ氏が“ヘルムート・マルコさんが「今回、いろんな話が来ていたから(角田に)ボーナスを出したんだよ」なんて言ってましたけれど”と振ると、角田は実際に様々なオファーが舞い込んでいたと明かしている。
「たくさんのチームからオファーもいただきました。それを逆に(交渉材料として)使って、今回さらに自分のチームでの、レッドブルさんとの契約も有効に進めることができました」
「有意義な契約までの過程ができた。新たにまた違うF1ドライバーとして契約できたのかなというのはちょっと実感しています」
F1での5年目突入が確定した角田。なお、過去の来季契約確定は、2021年9月7日、2022年9月22日、2023年9月23日と、過去3シーズンはサマーブレイク明けの9月だった。それが2024年はカナダGP予選直前の6月8日と、例年に比べて相当早かったことになる。
2026年のF1新レギュレーションに向けて、開発面からドライバーには多くの役割が求められるため、今季は2025年からの複数年契約を締結するケースが続出した。
実際にルイス・ハミルトン(メルセデス→フェラーリ)、フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)、ニコ・ヒュルケンベルグ(ハース→キックザウバー/アウディ)、アレクサンダー・アルボン(ウィリアムズ)、セルジオ・ペレス(レッドブル)などがその例となる。
角田が「たくさんのチームからオファーもいただきました」と証言したように、来季に向けて日本人ドライバーにはレッドブル以外のチームからも獲得の打診があったようだ。
それでも本人が「来年ホンダのエンジンで乗りたいっていう部分もあった」と語ったとおり、ホンダのパワーユニットで来季も走るというシチュエーションが、一つの判断材料となった模様だ。
VCARB及びレッドブルは、2025年限りでホンダとの袂を分かち、2026年からフォードと手を組むことが決まっている。
来季残留の決まった角田は、2026年からどういう状況になるのか現時点で不明瞭だ。ホンダと2026年からのパートナーシップが決まっているアストンマーティンについては、アロンソが複数年契約を結んでいるうえに、ランス・ストロールがチームの会長であるローレンス・ストロール氏の愛息子であることから、当面のところシートに空きがないのは明白となる。
どのシーズンにおいてもタイミング良くシートが空くかどうかは不明瞭ながら、実際にトラック上で結果を残すことで、おのずと他チームからのラブコールを今一度もらえる可能性は高まる。
今回はレッドブル系列以外からも具体的な獲得オファーが多数あったとのこと。角田本人としても「新たにまた違うF1ドライバーとして契約できたのかな」と口にしたように、自信を深めた上での進路決定だったようだ。