PL規定違反疑惑、レッドブルの主張は退けるもマックス・フェルスタッペンは不問 | 北海熊の独り言

PL規定違反疑惑、レッドブルの主張は退けるもマックス・フェルスタッペンは不問

F1カナダGPのスチュワードは6月8日(土)の予選中に発生したピットレーンでのインシデントについて、見当違いであるとしてレッドブルの主張を退ける一方、マックス・フェルスタッペンを不問とする決定を下した。

 

デレク・ワーウィックを含む4名の競技審判団は、フェルスタッペンが予選中にピットレーン規定違反を犯した疑いがあるとして、ドライバー及びチーム代表者を招集する通達を出し、現地18時15分より聴聞会を開催した。

 

雨脚の悪化が予想された事からQ2の開始に先立って、ピットレーンには我先にとクルマが行列を作った。ガレージアウトが遅れた事でフェルスタッペンは、割り込むような形でファストレーンに進入した。

 

スチュワードによるとレッドブルは聴聞会で、フェルスタッペンは当時、ファストレーンとワーキングレーンを隔てる白線を越えていたとして、割り込んだわけではなく、ファストレーンに到着した順番に従ってレーンを離れる事を義務付けたF1競技規定第34条8項の手順に従っただけだと主張した。

 

しかしながらスチュワードは、フェルスタッペンのクルマの4輪のいずれについても、ファストレーンとワーキングレーンを隔てる白線を越えていなかったとして、レッドブルの言い分は「思い込み」を元にした「不正確」な主張であると指摘した。

 

ファストレーンは以下の画像の上から2番目、つまり1号車RB20の右フロントが乗っているように見える(実際には乗っていない)ホワイトラインの内側区域を指す。

 

 

レッドブルの主張が退けられたにも関わらず、フェルスタッペンがペナルティを逃れたのは、「ファストレーンに並ぶクルマの列に適切な間隔が開いており、既にファストレーンに並んでいるクルマを不必要に妨げずにレーンに合流」したと判断されたためだ。

 

ISC付則L第IV章第5条b)は「ガレージまたはピットストップ・ポジションを離れたクルマは、ファストレーンにいるクルマを不必要に妨げることなく、できるだけ早く安全にファストレーンに合流しなければならない」と定めている。

 

逆に言えばこれは、安全かつ他車の支障をきたさない限りは、間に割って入る形であってもファストレーンに合流する事が許されているという事だ。

 

お咎めなしの裁定が下ったことでフェルスタッペンは、ジョージ・ラッセル(メルセデス)と並ぶ最前列2番グリッドを維持する事となった。フェルスタッペンはポールポジションを獲得したラッセルと1000分の1秒まで全くの同タイムを刻んだが、記録順の関係で2番手に甘んじた。