【ERC】父ペター・ソルベルグに続き息子オリバーの参戦も正式決定。今季はシュコダで大会連覇を狙う | 北海熊の独り言

【ERC】父ペター・ソルベルグに続き息子オリバーの参戦も正式決定。今季はシュコダで大会連覇を狙う

来月6月13日から15日にかけて開催されるERCヨーロッパ・ラリー選手権第3戦『バウハウス・ロイヤル・ラリー・オブ・スカンジナビア』に、さらなるスター選手の参戦が決定。父ペター・ソルベルグに続き、昨季初開催の同イベントで勝利を飾った息子オリバーが、今季WRC2クラスを戦うシュコダ・ファビアRSラリー2でエントリーし、同じくWorldRX世界ラリークロス選手権“6冠”のヨハン・クリストファーソンも、超高速グラベル戦で久しぶりのステージラリー復帰を果たす。

 スバルやシトロエンをドライブし、2003年のWRC世界ラリー選手権と2014年、2015年のWorldRX世界ラリークロス選手権連覇を達成している49歳のレジェンドは、先の5月下旬にもERC第3戦へのチャレンジを表明。昨季には息子がERC通算3勝目を飾ったフォルクスワーゲン・ポロGTI R5を“拝借”し、おなじみカールスタッドを拠点として湖畔の爽やかな木立を全開で駆け抜ける、初夏の高速ステージに挑むとした。

 そんな父のアナウンスを追うかのように、今季もWRC2のチャンピオンシップを戦う22歳のオリバーが、昨季7月の再現を誓い父ペターとの対戦を決意した。

「父とまたイベントで競うのは本当に素晴らしいことだ」と、2019年のウェールズ・ラリーGBで父と対峙し、ペターはWRC2で優勝、自身はマシントラブルでリタイアの決着となっていたオリバー。

「もちろん、父のタイムを見るのは興味深いだろうし、そうだなぁ……ステージの終わりに僕が最初に注目するのは彼のタイムだろうね。そして、彼は速いと思う。冬の間、僕らは一緒にドライブしたが、彼はまだ調子がいいし、まだそこ(第一線)にいた」と続けたオリバー。

「父はペースノートについて少し懸念を感じていたと思う。彼にとってはそれがもっとも複​​雑な部分になるだろう。長い間(本格的な競技から)離れていた後では、ふたたびノートに全幅の信頼を置くのは難しい。でも、僕自身はまた出場するのが待ち切れない。あのステージで今度はシュコダをドライブし、もう一度勝利を目指すのは素晴らしいことだからね」

 前年度大会覇者としてERC通算4勝目を狙うオリバーにとっては、今後のWRC2クラスのカレンダーにおけるポーランド、ラトビア、フィンランドでの高速ラウンドに向けた「良きトレーニングになる」との目論見もある。

 

【ひと足早く参戦表明済みのペター・ソルベルグは、昨季息子がドライブしたフォルクスワーゲン・ポGTI R5を“拝借”する】

【「あのステージで今度はシュコダをドライブし、もう一度勝利を目指すのは素晴らしいことだからね」と、前年度大会覇者としてERC通算4勝目を狙うオリバー】

 

たまには“かませ犬”になるのも楽しいものさ!」クリストファーソン


「そう、高速グラベル走行をこなすには絶好の機会だ」と狙いを明かすオリバー。

「サルディニアのようなラリーは、少し遅く、テクニカルで曲がりくねっている傾向がある。改めてスピードを上げて、フィンランドのような場所に向けて頭を働かせるのは良いことだよ。それにここは本当に僕のホームイベントなんだ。家から30分の距離だし、特別なイベントになると想像できる」

「昨年大会のタイスケは年間を通じて最高のものだったことを覚えている。金曜の朝に予選ステージを実施し、その後に本格的なラリーに入り、土曜日はまる1日ステージで全開。その夜にパワーステージを戦い、終わった後はみんなでリラックスして盛大なパーティーをした。ファンと会場の雰囲気は最高だし、またこのラリーを楽しみにしている」

 同じく6度のWorldRX王者であり、電動ワンメイクのオフロード選手権『エクストリーム E』での世界タイトルに加え、TCR規定ツーリングカーで争われたWTCR世界ツーリングカー・カップでの表彰台や、地元STCCスカンジナビアン・ツーリングカー選手権の王座まで経験するクリストファーソンが、おなじみのファミリーチームであるクリストファーソン・モータースポーツ(KMS)の保有するフォルクスワーゲン・ポロGTI R5で、ペースの速いグラベルイベントに出場する。

「僕らの忠実かつ密接なスポンサーであるBAUHAUS(バウハウス/ホームセンター・チェーン)から、思いがけず『ハイレベルなラリーに参戦してみたいか』と打診され、間髪入れず承諾した」と語ったWRC2でのポディウム獲得記録もある多才な35歳。

「でもこの5年間、森の中のグラベルラリーを走っていないから、現時点の期待値は低いよ。きちんと準備できれば良かったが、そんな時間はまったくなかったからね。だから今回は成り行きに任せるつもりだ。たまには“underdog(アンダードッグ/かませ犬)”になるのも楽しいものさ!」

 そんなチャンピオンの父親でこのKMSを運営するトミーは、地元で開催される国際ラリーに向けた抱負を付け加えた。

「このヴェルムランドでFIAヨーロッパ・ラリー選手権のイベントが開催されるのは本当にうれしい。今やWRCはもうこの界隈で開催されていないからね。また、我々の長年のパートナーであるバウハウスがカールスタッドに店舗をオープンしたことも喜ばしい。そこに行って買い物をしたいからというだけでなく、彼らがヴェルムランドに店舗を構えていること自体がうれしいんだ」

 

【同じくWorldRX世界ラリークロス選手権“6冠”のヨハン・クリストファーソンも、超高速グラベル戦で久しぶりのステージラリー復帰を果たす】

【「今回は成り行きに任せるつもりだ。たまには“underdog(アンダードッグ/かませ犬)”になるのも楽しいものさ!」とクリストファーソン】