ギュンター・シュタイナー 「角田はRBで活躍している…レッドブルはなぜチャンスを与えないんだ?」 | 北海熊の独り言

ギュンター・シュタイナー 「角田はRBで活躍している…レッドブルはなぜチャンスを与えないんだ?」

昨年までハースF1のチーム代表を務めていたギュンター・シュタイナーが、”レッドフラッグ”というポッドキャストに出演。レッドブルがセルジオ・ペレスを起用し続け、角田裕毅のような若い才能にチャンスを与えないのは不思議だと語った。

 レッドブルは昨年、マックス・フェルスタッペンが19勝を挙げる大活躍を見せ、3年連続のドライバーズタイトルを獲得した。チームメイトのペレスは、2勝を挙げてランキング2位。レッドブルのドライバーがドライバーズランキング1-2を占めたのは、これが初めてのことだった。

 ただフェルスタッペンと比べると、ペレスが大きな差をつけられていたのも事実。昨年はマシンの性能が抜きん出ていたため2位を確保することができたが、フェラーリやマクラーレンが台頭しつつある今年は苦戦しており、下位に沈むことも少なくない。

 ハースの前のチーム代表であるシュタイナーは、レッドブルがコンストラクターズチャンピオンを狙うためには、ペレスを交代させることも視野に入れなければいけないのではないかと考えている。

「チェコ(ペレス)のチームメイトとのポイント獲得率を、他の2チーム(フェラーリとマクラーレン)と比較すると、ドライバーの面では彼らの方が有利な立場にいることが分かる」

 そうシュタイナーは語った。

「もちろん、チェコが良いドライバーじゃないというわけではない。単純に、他のチームの方がドライバー間の差が小さいということだ」

 レッドブルはこれまで、非情なドライバー人事を繰り返してきた。ピエール・ガスリーやダニール・クビアト、そしてアレクサンダー・アルボンなど、トップチームに昇格しても好結果を残せないドライバーは即座に首を斬られ、育成チームに送り返されるという事例が数多くある。しかしレッドブルは、なぜペレスをキープし続けるのだろうか?

「それは私も自問自答することだよ」

 そうシュタイナーは言う。

「なぜ他のドライバーにチャンスを与えないのだろうか? 例えば角田は、RBで素晴らしい仕事をしている」

「レッドブルは、来年もペレスとの契約を続けそうだ。だが、サインツ(カルロス・サインツJr./現フェラーリだが、今季限りで離脱が決定済み)のような選択肢もある、アルボンという選択肢もあったが、ウイリアムズと契約を延長したから、今は不可能になってしまった。でもこれは、私にも分からないことなんだ」

「彼らが優位性のあるマシンを手にできなくなったら、この姿勢は変わるのかもしれない。そうなった時には、ふたりのドライバーがポイントを獲得する能力が必要になるからね。フェラーリにはカルロスとシャルル(ルクレール)がいるし、マクラーレンにはモナコで2位になったピアストリ(オスカー・ピアストリ)、そしてもちろんノリス(ランド・ノリス)もいる。彼の能力に疑問はない」

「レッドブルの考え方に、何か変化があるのかもしれない。でも、カルロスを除けば、今のところ他の選択肢はあまりないように思う」

 

 

 なおシュタイナーは、レッドブルの戦闘力が落ちたとは考えていない。逆にフェラーリやマクラーレンが、パフォーマンスを驚異的に上げてきたと考えている。

「レッドブルが衰退したとは言わない。むしろ、他のチームが追いついてきたんだと思う。彼らがパフォーマンスを落としたということではないだろう」

「もちろん、彼ら(フェラーリやマクラーレン)と対峙することで、レッドブルもよりリスクを負わなければならなくなるはずだ。ミスも増えることになる」

「しかしレッドブルが失速したわけではない。彼らは、他のチームが浮上してきたところに、引き摺り込まれただけだ」