ケビン・マグヌッセン、来季以降に向けた優先順位はF1シート確保…WECやIMSAも選択肢に | 北海熊の独り言

ケビン・マグヌッセン、来季以降に向けた優先順位はF1シート確保…WECやIMSAも選択肢に

2024年シーズン末で現在のハースとの契約が満了を迎えるケビン・マグヌッセン。将来的なスポーツカーレース復帰に興味を示しつつも、現在の優先事項はF1シート確保だという。

 今年はシーズン開幕前から、ルイス・ハミルトンが2025年のフェラーリ移籍を発表するなどドライバー市場が揺れ動いており、ドライバーたちは自身の将来について口にする前に動き始めている。

 またF1は2026年に大きなレギュレーション改定を迎えるため、マシン開発が本格化する2025年以降のドライバー選択を考慮して、シートを確定させていないチームも多い。

 ハースもそうしたチームのひとつ。現行ドライバーのうちニコ・ヒュルケンベルグは既に将来的にアウディワークスとなるザウバーへの移籍を発表した。一方でマグヌッセンは現時点で来季のシートを確保できていない。

 マグヌッセンは2020年に一度ハースのシートを失い、2021年はIMSAスポーツカー選手権やインディカーに挑戦。翌年はプジョーから世界耐久選手権(WEC)ハイパーカークラスに出場する予定だったものの、ロシアのウクライナ侵攻でタイトルスポンサーやニキータ・マゼピンとの縁を切ったハースに呼び戻される形でF1復帰を果たした。

 今年、復帰後3シーズン目を迎えたマグヌッセン。契約満了につき今後について考える必要があると認めるものの、優先事項は“F1サーカス”に留まることだと語った。

「僕は契約満了を迎えるから、どんなソリューションにもオープンだよ。でも僕が早くから動いているのは、ここに残りたいからで、まだやり残したことがあると感じているからなんだ」

 マグヌッセンはモナコGPの前に、現在のチームにウインクを飛ばしながら、そう語った。

「ハースには大きな可能性があると確信してきた。僕が感じているのは、何か少し足りない、一貫性がないということだ」

「初年度以降、このチームは激しいアップダウンを繰り返してきた。ポテンシャルはあるが、それを一貫して発揮できていない。しかし今は、そのレベルに近づいていると感じている」

 今日のF1では、当たり前のことなど何もない。実力主義であり、安泰な地位などはない。だだからこそ、“プランB”を早めに実行へ移す必要がある。そしてマグヌッセンがプロトタイプレースに戻ってくることを願うファンや関係者も多い。

 というのも、マグヌッセンはプロトタイプレースにすんなりと順応したからだ。IMSAではキャデラックDPiですぐさま良いパフォーマンスを見せ、プジョーがル・マン・ハイパーカー(LMH)9X8のシートをオファーしたほどだ。

 プジョーとの関係はF1復帰によって途切れたものの、マグヌッセンは耐久レースの世界に依然関心を示している。

「プジョーとは連絡を取り合っていないけど、もしF1に残れなかったら、スポーツカーレースに行った年みたいに、何か楽しいことをしたい」とマグヌッセンは語った。

「でも僕らが話し合っているのはかなり異なるモノだ。F1はとても楽しいし別次元だ。より多くのことが要求されるし、全体的に全く別物なんだ」

「だからF1を続けなかったら何ができるか、正直なところ、今はまだ言えない。でも良いサーキットでレースをし、ドライバーとして楽しみたいことがあるのは確かだよ」