【SUPER GT】第3戦鈴鹿GT300決勝 : D’stationが独走ポール・トゥ・ウイン! | 北海熊の独り言

【SUPER GT】第3戦鈴鹿GT300決勝 : D’stationが独走ポール・トゥ・ウイン!

6月2日、三重県の鈴鹿サーキットで2024スーパーGT第3戦『SUZUKA GT 3Hours RACE』の決勝が行われ、GT300クラスはD’station Vantage GT3(藤井誠暢/チャーリー・ファグ)がD’station Racingのチーム初優勝を独走ポール・トゥ・ウインで飾った。

 4月に開幕した2024年のスーパーGTは早くもシーズン3戦目に突入。今回の舞台は国内屈指のドライバーズコースである鈴鹿サーキットだ。決勝日は朝から曇り空で、12時間からのウォームアップは一時雨が路面を濡らすも、12時30分からのスターティンググリッド試走時には太陽が顔を出す。

 雨予報はなんだったのかというほどの日差しがコースを照らすなか、決勝は気温24度、路面温度31度というコンディションで13時30分にパレードラップとフォーメーションラップが開始。2周を経て、2戦目となる“3時間”レースが幕を開けた。

 GT500クラスに続いてスタートが切られたGT300クラスは、セミ耐久レースらしく各車クリーンに1~2コーナーをクリア。なお、予選時のスピンでタイヤを痛めてしまったJLOC Lamborghini GT3はパレードラップ完了後にタイヤ交換を行うためピットイン、全車通過後にピットを離れた。

 

【2024スーパーGT第3戦鈴鹿 GT300クラスの決勝スタート】

 

 上位勢では5番手スタートのUNI-ROBO BLUEGRASS FERRARIを駆る片山義章が、シェイドレーシング GR86 GTの清水英志郎をかわして4番手に浮上。5周目には早くもGT500の隊列がGT300の追い付きはじめるなか、各マシンは1~2秒ほどのギャップでレースを進めていく。

 中団勢では12番手からスタートしたPONOS FERRARI 296のケイ・コッツォリーノが、8周目までにGAINER TANAX Z、マッハ車検 エアバスター MC86 マッハ号をかわして10番手にポジションを上げる。その前方ではGreen Brave GR Supra GTの野中誠太がK-tunes RC F GT3をパスして8番手に上がるなど、12クラス混走のなかで順位変動が起こる。

 上位勢では、muta Racing GR86 GTの平良響がサクセスウエイト54kgの最重量を感じさせない走りをみせ、14周目の日立AstemoシケインでSUBARU BRZ R&D SPORTをパスして2番手に浮上。5番手争いはシェイドレーシング GR86 GTとapr LC500h GTのバトルが白熱し、17周目の1コーナー飛び込みでアウトからシェイドを追い抜く。

 

【apr LC500h GT(小高一斗/中村仁/根本悠生)】

 

 GT300の20周目にはホームストレートで少しの雨粒が確認されるなか、GT300は真っ先にシェイドレーシング GR86 GTがルーティンピットに。さらに翌周にはStudie BMW M4、PONOS FERRARI 296、Syntium LMcorsa GR Supra GTがピット作業を行い、その後も各車が続々とルーティンピットインに入る。

 トップを快走するD’station Vantage GT3は29周目にピットイン。藤井誠暢からチャーリー・ファグにドライバーを交代して第2スティントに臨んでいく。代わって首位を走行したmuta Racing GR86 GTは32周目にピットイン、さらにGreen Brave GR Supra GT、apr LC500h GTといったブリヂストン勢が続々とピットに入り、得意とする無交換作戦でコースに戻っていく。

 このなかでapr LC500h GTは小高がダブルスティントを行い、GT300全車が一度目のピットインを終えるとトップに立つ。レース42周目にはメインストレートや日立Astemoシケインにパーツが落下した影響で、最初のFCY(フルコースイエロー)が導入され、翌43周目にグリーンフラッグで再開となる。

 その後雨が降ることなく各車ともペースを取り戻していくなか、44周目には首位のapr LC500h GTに2番手のD’station Vantage GT3がテール・トゥ・ノーズに接近。スプーンコーナーでファグが小高をかわしてトップ奪還に成功する。

 直後の46周目には3番手を走行していたSUBARU BRZ R&D SPORTが、トラブルにより200Rアウト側にストップ。マシン回収のために二度目のFCYが導入され、48周目にリスタートを迎える。そのタイミングでGreen Brave GR Supra GT、Studie BMW M4の2台が2回目のピットに入り、ともにドライバー交代と給油、タイヤ4本交換のフルサービスでレースに復帰していく。

 51周目には2番手のapr LC500h GTがピットインし、フルサービスで小高から中村仁に最終スティントを託す。さらに5番手を走行していたPONOS FERRARI 296は52周目にピットに入り、鈴鹿初見参のリル・ワドゥがコースに出る。

 そして61周目にはトップを走行するD’station Vantage GT3が、前走車に詰まったこともあり二度目のピットイン。50秒の静止時間でファグからステアリングを引き継いだ藤井がチーム初優勝を手にするべくピットを後にする。

 レース残り32分となる69周目、muta Racing GR86 GTが最後のピットストップを行い、タイヤ無交換かつ燃料補給のみの24.5秒で復帰。D’station Vantage GT3の先行は許してしまうも、apr LC500h GTの前となる2番手で堤優威が最終スティントに出ていく。

 その後方のapr LC500h GTとUNI-ROBO BLUEGRASS FERRARIによる3番手争いは、70周目のヘアピンでロベルト・メリ・ムンタンが中村のインを突いて表彰台圏内にポジションを上げる。

 レースはそのままフィニッシュを迎え、最終的に2位に34秒差をつけたD’station Vantage GT3が独走ポール・トゥ・ウイン。アストンマーティン・バンテージAMR GT3エボ投入3戦目でD’station RacingのスーパーGT初優勝を飾ってみせた。アストンマーティンのスーパーGT優勝は2012年第7戦オートポリス以来、藤井にとっては2016年第3戦もてぎ以来、そしてファグにとってはスーパーGT初優勝となる。

 2位にはポイントリーダーかつサクセスウエイト54kgを積むmuta Racing GR86 GTが続き、3位にはレース序盤から好走をみせたUNI-ROBO BLUEGRASS FERRARIが入り、今季初の表彰台を手に入れている。

 4位と5位には今回もタイヤ無交換作戦を採ったapr LC500h GT、Green Brave GR Supra GTのブリヂストン装着2台が続き、6位には12番グリッドから追い上げをみせたケイ・コッツォリーノとワドゥ組のPONOS FERRARI 296となっている。

 

【GT300クラス優勝を喜ぶ藤井誠暢とチャーリー・ファグ(D’station Vantage GT3)】

【muta Racing GR86 GT(堤優威/平良響)】

【2024スーパーGT第3戦鈴鹿 GT300クラスの表彰式】

 

2024年スーパーGT第3戦鈴鹿GT300決勝正式結果(18時00分)


Pos./No./Car/Driver/Tire/SW/Gap
1/777/D’station Vantage GT3/藤井誠暢/C.ファグ/DL/0kg/85Laps
2/2/muta Racing GR86 GT/堤優威/平良響/BS/54kg/38.030
3/6/UNI-ROBO BLUEGRASS FERRARI/片山義章/R.メリ/YH/2kg/45.886
4/31/apr LC500h GT/小高一斗/中村仁/根本悠生/BS/24kg/55.462
5/52/Green Brave GR Supra GT/吉田広樹/野中誠太/BS/38kg/1'03.814
6/45/PONOS FERRARI 296/K.コッツォリーノ/L.ワドゥ/MI/4kg/1'19.713
7/7/Studie BMW M4/荒聖治/N.クルッテン/B.スペングラー/MI/22kg/1'24.574
8/65/LEON PYRAMID AMG/蒲生尚弥/篠原拓朗/黒澤治樹/BS/36kg/1'25.941
9/96/K-tunes RC F GT3/新田守男/高木真一/DL/10kg/1Lap
10/60/Syntium LMcorsa GR Supra GT/吉本大樹/河野駿佑/DL/0kg/1Lap
11/62/HELM MOTORSPORTS GT-R/平手晃平/平木湧也/平木玲次/YH/2kg/1Lap
12/4/グッドスマイル 初音ミク AMG/谷口信輝/片岡龍也/YH/24kg/1Lap
13/18/UPGARAGE NSX GT3/小林崇志/小出峻/三井優介/YH/8kg/2Laps
14/50/ANEST IWATA Racing RC F GT3/I.フラガ/古谷悠河/YH/0kg/2Laps
15/20/シェイドレーシング GR86 GT/平中克幸/清水英志郎/MI/0kg/2Laps
16/56/リアライズ日産メカニックチャレンジ GT-R/佐々木大樹/J.P.デ・オリベイラ/YH/32kg/2Laps
17/9/PACIFIC ぶいすぽっ NAC AMG/阪口良平/冨林勇佑/藤原優汰/YH/0kg/2Laps
18/25/HOPPY Schatz GR Supra GT/菅波冬悟/松井孝允/佐藤公哉/YH/0kg/2Laps
19/30/apr GR86 GT/永井宏明/小林利徠斗/織戸学/YH/0kg/2Laps
20/88/JLOC Lamborghini GT3/小暮卓史/元嶋佑弥/YH/52kg/2Laps
21/87/METALIVE S Lamborghini GT3/松浦孝亮/坂口夏月/YH/14kg/2Laps
22/48/脱毛ケーズフロンティアGO&FUN猫猫GT-R/井田太陽/柴田優作/眞田拓海/YH/0kg/3Laps
23/360/RUNUP RIVAUX GT-R/大滝拓也/青木孝行/荒川麟/YH/0kg/4Laps
24/22/アールキューズ AMG GT3/和田久/城内政樹/小山美姫/YH/0kg/4Laps
25/5/マッハ車検 エアバスター MC86 マッハ号/藤波清斗/塩津佑介/YH/0kg/17Laps
R/61/SUBARU BRZ R&D SPORT/井口卓人/山内英輝/DL/2kg/39Laps
R/11/GAINER TANAX Z/富田竜一郎/石川京侍/DL/0kg/48Laps

天候:曇り時々晴れ|路面:ドライ
スタート時刻:13時38分04秒|フィニッシュ時刻:16時38分26秒
FCY導入時刻:14時57分55秒(41Laps)~15時00分35秒(42Laps)、15時17分58秒(51Laps)~15時21分48秒(52Laps)

CarNo.56 ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(13:40)黒白旗提示(SpR.13-1. 「危険なドライブ行為」)
CarNo.87 松浦孝亮(15:28)ドライブスルー(SpR 付則-4 2.2)「FCY時の減速遅れ」
CarNo.48(15:06)ドライブスルー(SpR.27-1.2)「ピットエリア遵守事項違反」(転がした)