エステバン・オコン「誤った情報に基づく発言と目に余る歪曲がある」次戦出場も主張 | 北海熊の独り言

エステバン・オコン「誤った情報に基づく発言と目に余る歪曲がある」次戦出場も主張

F1モナコGPの1周目、アルピーヌのエステバン・オコンはポルティエでチームメイトのピエール・ガスリーと接触。この件についてはオコンに非があるとしてペナルティが科された。

 これについてはガスリーもチーム代表のブルーノ・ファミンも、オコンの行動を批判。それに乗じるかのように、SNS上などではオコンを非難する投稿が溢れている。

 オコンはこのことについて反論。ネット上で繰り広げられている自身に対する批判は、「誤った発言であり、甚だしい歪曲」であると非難した。

 オコンはモナコGPの決勝レース1周目、ポルティエ・コーナーでチームメイトのガスリーのインサイドを攻めた。しかしこのコーナーは狭く、両者は接触。オコンのマシンはこの接触で宙高く跳ね上げられるような形となり、その後激しく路面に叩きつけられた。レースはこの直後、別に起きた大クラッシュの影響により赤旗中断となったが、オコンのマシンはサスペンションやギヤボックスに大きなダメージが及んでおり、リタイアを余儀なくされた。

 この接触についてレーススチュワードは、オコンに非があるとして、10秒のタイム加算ペナルティを科した。ただオコンはペナルティを消化せずにリタイアしたため、次戦カナダGPで5グリッド降格の処分を受けることが決まっている。

 ガスリーもこのオコンの接触を非難。「予選で後ろになったクルマが、レース中ずっと前を行くマシンを助けるはずだったのに」と、オコンがチーム内での取り決めを守らなかったと明かした。ファミン代表もオコンに対して「思い切った行動を取る」意向を示し、波紋を呼んだ。

 これらの声に呼応するように、ネット上では様々な噂が飛び交った。複数のメディアは、オコンがカナダGPを出場停止になるのではないかと指摘。一部では、更迭の噂すら持ち上がっている。

 アルピーヌが何らかの対処を検討しているのは、間違いのないところだろう。しかしオコン本人は、次のカナダGPに出場すること、そして自身に向けられている批判的な論調について対抗する旨を、SNSで発信した。

「モナコGPの余波で、多くのことが語られることになった」

 オコンはSNSにそう投稿した。

「僕は多くの応援のメッセージを受け取った。でもその一方で、僕の性格やドライビング、そしてキャリアに関して、ネット上で受けた非難や否定的な意見の数に、深く悲しんでいる」

「最近ネット上で目にした、チームで働く僕の能力に関する誤った発言や酷い歪曲は、不正確だし、人を傷つけたり損害を与えるようなモノだった」

「モータースポーツにおいて最初の1周目を走った時から、僕は謙虚さやプロ意識、敬意を持ってこのスポーツに取り組んできた。これらの価値観は、幼い頃から僕に植え付けられてきたものなんだ」

 オコンは、個の速さとしては一級品だとしても、チームとして戦う能力に欠けるのではないかという見方も広がっている。しかしそのオコンは、これまでチームメイトとして戦ってきたドライバーたちを称賛しつつ、次のように認めた。

「チームメイトとして、僕らは非常に近いポジションからレースをスタートすることが多かった。だからコース上で激しく戦うことを強いられたり、時には接触してしまうこともあった」

「もちろん、正直に言って僕がミスを犯したこともある。僕らはロボットじゃないんだ。レースに勝つという夢を叶えるために、毎日限界まで自分自身のことを追い込むアスリートなんだ」

 オコンは改めて、今のチームメイトであるガスリーを、チームメイトとしても、ライバルとしても尊敬していることを改めて語った。

「僕らはこのチームの中で、常に協力的かつプロフェッショナルに働いてきたし、これからもそうあり続けるだろう」

 そしてオコンは、F1ではリスクなくして好結果を手にできることはないと語ると共に、カナダGPを走るのを楽しみにしているとして、投稿を締めくくった。

「F1では、リスクを負わずして好結果を手にできることなんてないんだ。特にスタート時は緊張感に満ちている。モナコでは1周目が、最終的な結果を左右することが多いから、なおさらなんだ」

「フィールド全体でのハードかつフェアなレースこそ、このスポーツを素晴らしいモノにするんだし、それこそが僕がF1をこれほど愛している理由だ」

「モントリオールで、素晴らしいカナダのファンの皆の前でレースをすること、そして今後も待ち受ける、刺激的な瞬間を楽しみにしているよ」