メルセデスF1代表「ルイスにアウトラップが重要だと伝えなかったのはチーム側のミス」 | 北海熊の独り言

メルセデスF1代表「ルイスにアウトラップが重要だと伝えなかったのはチーム側のミス」

モンテカルロ市街地コースで開催されたF1モナコGP。決勝レースでは、メルセデスのルイス・ハミルトンにレッドブルのマックス・フェルスタッペンをアンダーカットできるチャンスが訪れたが、チームの伝言ミスによってそれをものにすることができなかった。

 これについてメルセデスのトト・ウルフ代表は、「メッセージを完全に間違えた」と認めた。

 オープニングラップでの赤旗中断により、ミディアムタイヤへ履き替えた6番手フェルスタッペンと7番手ハミルトン。レース再開後はペースを落としてタイヤマネジメントに徹することとなったが、51周目にメルセデスが先手を打ってハミルトンをピットへ呼び込んだ。

 これにレッドブルも反応し、フェルスタッペンがハミルトンの1周遅れでピットイン。ハミルトンとしてはアウトラップで攻めることで、コースに合流したフェルスタッペンより前に立つこともできた。

 しかしメルセデスは、アウトラップが重要になるとハミルトンに伝えず、フェルスタッペンに6番手復帰を許した。これを受けてハミルトンは「どうしてアウトラップが肝心だと言わなかったんだ?」と無線でチームに怒りをあらわにした。

 ハミルトンが7位でレースを終えた後、motorsport.comの姉妹誌GP Racingから状況の説明を求められたウルフ代表は次のように答えた。

「アンダーカットを狙ったアウトラップが重要だったはずだ」

「しかし、新品タイヤのアウトラップで十分かどうかが議論になった。だから彼が受け取ったメッセージは、良く言えば混乱させるモノだった。おそらく間違っていたね」

「アウトラップが肝心であるべきだったが、その一方で1周でタイヤを壊してしまったらその後どうなるかという心配もあった」

「しかしルイスへの誤ったメッセージを要約すると、これはチームの責任だ」

 また、ハミルトンが8番手にいたRBの角田裕毅と大きなギャップを持っていたにもかかわらず、ピットストップを遅らせた理由についてウルフ代表は次のように説明した。

「フェルスタッペンに近づいてからアンダーカットを仕掛けたかったが、明らかにやり取りを間違えていた」

 一方でハミルトンのチームメイトであるジョージ・ラッセルは、レース中にピットストップを行なわず、1周目の赤旗中断で履き替えたミディアムタイヤで走り切り5位を掴んだ。

 ただフェルスタッペンがタイヤを交換していたため、レース終盤はプレッシャーを受け続ける苦しい展開となった。赤旗中断にミディアムタイヤからハードタイヤに交換した上位4台などとは対照的だ。

「クラッシュが起きた瞬間、我々が後手に回っていたというのは明らかだった」

 レース展開を変える手段はなかったと考えるウルフ代表はそう語った。

「根本的に、モナコで変化をつけられることはあまりないと思う。スタート位置でほとんどが決まっているんだ」