エイドリアン・ニューウェイ、レッドブル離脱後も現役続行を示唆 | 北海熊の独り言

エイドリアン・ニューウェイ、レッドブル離脱後も現役続行を示唆

天才F1マシンデザイナーのエイドリアン・ニューウェイは2025年第1四半期をもってレッドブルを離脱することが決まった。彼はそのまま引退することも有り得るのではないかと言われていたが、最近になりニューウェイは現役続行を示唆した。

 ニューウェイはウイリアムズとマクラーレンでF1タイトル獲得に貢献すると、2006年にレッドブルに加入。セバスチャン・ベッテル、マックス・フェルスタッペンと共にコンストラクターズタイトルを6回、ドライバーズタイトルを7回獲得する大成功へチームを導いてきた。

 レッドブルを離れることを決めたニューウェイはF1業務から離れ、残りの期間はハイパーカーのRB17の開発に専念する。そして2025年の離脱後は他チームへの移籍が可能になるということもあり、この天才F1マシンデザイナーの将来は大きな注目を集めることになった。

 レッドブル離脱後にはF1自体から離れる可能性もあるのではないかと見られていたが、最近になりニューウェイは2025年以降もF1に関わり続ける意思があることを明らかにした。

「15年前に、65歳となった自分がどこか他のチームに行って、さらに4~5年働くことを真剣に考えているかどうかを尋ねたなら、私は間違いなく怒っていただろう」

 ニューウェイはそう語りつつも、父親が今の自分と同じ年齢で引退し、「少し自信を失った」姿を見たと続けている。

 

 

 そして90代となっても精力的な活動を続けているF1の前最高責任者だったバーニー・エクレストンや、87歳を迎えているインディカーオーナーのロジャー・ペンスキーといった人物から、インスピレーションを受けているのだとニューウェイは語った。

「私は彼らふたりに『あなた達の秘訣は何なんですか?』と尋ねたことがある。彼らは前に進み続けていて、その年齢のわりに肉体的にもメンタル的にも高い俊敏性を維持している」

「ふたりとも、脳は筋肉のようなモノであって、エクササイズが必要で、それを継続する必要があると語っていた」

「そして私は8歳や10歳の頃からデザイナーとしてモータースポーツで働きたいと思ってきた。幸運なことにその夢を私は叶えて仕事に就き、これまでずっとモータースポーツに関わってきた。だから毎日がボーナスのようなものなんだ。本当にね。私は自分のやっていることを愛している」

「少し休暇をとることになると思う。今は少し疲れを感じているんだ。だが同時に、また取り組むことになるかもしれない」

 なおニューウェイのレッドブル離脱は、彼の設計したマシンに乗っていたアイルトン・セナが事故死した日から、30年後となる日に発表された。

 ニューウェイとしては、これが大ニュースとして取り上げられるとは思っていなかったとも語っている。

「あのプレスリリースが発表されたのは、非常に困難かつ残念な1日だった」

「マイアミGP自体が奇妙だった。私はピットウォールの戦略部門にいたが、エンジニアリングの決定やミーティングには参加していなかったんだ。基本的に、プレスのために連れ回されていた」

「正直に言ってビッグニュースになるとは全く思っていなかったし、考えたこともなかった。新聞やニュースでああして取り上げられたのは、ちょっとしたショックだったよ」