ジェームズ・ヒンチクリフ「2025年のシート契約を巡り角田裕毅が無視されるなら、とんだ茶番」 | 北海熊の独り言

ジェームズ・ヒンチクリフ「2025年のシート契約を巡り角田裕毅が無視されるなら、とんだ茶番」

F1公式アナリストで6度のインディカー優勝経験を誇るジェームズ・ヒンチクリフは「とんだ茶番」だと述べ、仮に角田裕毅がRBの2025年シートを失い、ライバルチームが彼に見向きもしない状況が発生したとすれば、それは呆れるほど馬鹿馬鹿しい話だと主張した。

 

ダニエル・リカルドが全てのセッションで角田裕毅に先行した中国GPと、4位フィニッシュを果たしたマイアミGPスプリントを経てF1 TVは決勝レースを前に、2025年のRBのドライバーラインナップをリアム・ローソンとダニエル・リカルドと予想した。

 

プレゼンテーターのウィル・バクストンは「シーズン開幕時ならツノダと言っただろうが、今はリカルドだろう。 リカルドのバックグラウンドと、レッドブルが未だに彼を欲しがっている事を考えればね」と語り、角田裕毅についてはアストンマーチンのリザーブ・ドライバー就任の可能性を指摘した。

 

 

しかしながら、その後に行われた57周のレースで角田裕毅はリザルトを以て、自身こそが来季の契約に相応しいドライバーであると再び証明した。

 

ミディアムタイヤでの第1スティントで強力なペースを刻むと、最終スティントではジョージ・ラッセル(メルセデス)を引き離す走りを見せ、今季最高位タイとなる7位フィニッシュにより、スプリントを含めて今季4回目のポイント獲得を果たした。

 

レースを経てバクストンが「なんという走りだろう。今日の彼のドライブは全く以て驚異的だった」と振り返るとヒンチクリフは、「だが今日だけじゃない。週末を通してずっとそうだった」と付け加えた。

 

「SQ1ではノックアウトを喫したものの、スプリントでは素晴らしい仕事をしてポイント圏内に入った。昨日の予選でも素晴らしい仕事をしたし、今日のレースでも最高の仕事をしてみせた」

 

「最初の予選が上手くいかなかったがために、誰もが『今週末は良くないな』と思ったわけだが、実際のところは週末を通して、かなり力強いパフォーマンスを発揮していた」

 

ザウバーの元レース戦略責任者であるルース・バスコムも「全く同感です。彼は肝心な時にそこにいるという点で、週末を通して本当に一貫した走りを見せてくれたと思います」と同意した。

 

「今日の彼は本当にミスを犯しませんでした。あのような状況に置かれた時には、ミスをせず結果を出すことが重要です」

 

 

2人の話を受けバクストンは「我々はレース前にドライバーマーケットについて話をした。ダニエルがパフォーマンスを向上させたので、ユーキのシートはないだろうと考えていた」と語り、話題を来季のシート争いに切り替えた。

 

「我々はローソンが待機していることを知っているし、2025年のドライブを約束されているはずだという事も知っている。誰もが贅沢な悩みだと言うが、それでも悩みの種である事に変わりはない。ユーキは今や、ペースを上げたダニエル、そして我々も認める驚異的なリアムとともに、無視できない存在になっている」

 

するとヒンチクリフは、仮に来季のRBのシートを失ったとしても、角田裕毅はいずれかのチームのレギュラー・ドライバーとしてF1での5シーズン目を迎えるに値すると主張した。

 

「もし何らかの理由でVCARBのシートがなくなったり、ダニエルが残留したりというような事があった場合に、他のチームがユーキをクルマに乗せることを考えなければ、それはとんだ茶番だろう」とヒンチクリフは語る。

 

「この1年半を通しての彼の成熟と成長には目を見張るものがある。ペースがあり、ステアリングを握っている時も沈着冷静で、落ち着いていて、その結果が表れている。今の彼は間違いなく、ここにいるに相応しいドライバーだ」