F1マイアミGPスプリント予選:ボッタス、ピアストリへの走行妨害で3グリッド降格ペナルティ | 北海熊の独り言

F1マイアミGPスプリント予選:ボッタス、ピアストリへの走行妨害で3グリッド降格ペナルティ

F1第6戦マイアミGPのスチュワードは2024年5月3日(金)のスプリント予選を経て、バルテリ・ボッタス(ザウバー)に3グリッド降格ペナルティを科す決定を下した。

ボッタスは100kmレースに向けたグリッド争いの最初のラウンドで、後方から接近する計測ラップ中のオスカー・ピアストリ(マクラーレン)に気付かず、ターンインしようとしてあわや接触という場面を演じた。

 

一件についてマクラーレンのザク・ブラウンCEOは「本当に危機一髪で、かなり危険だった。明らかにチームの責任だ。あれがペナルティでなければ驚きだ」と不満をあらわにした。

 

ヴィタントニオ・リウッツィを含む4名の競技審判団はセッション後、両ドライバーと各々のチーム代表者を召喚。各種データや映像、テレメトリー、チーム無線、オンボード映像を確認の上、聴取を行った。

 

スチュワードはボッタスが「レーシングライン上を低速で走行」していた点に触れて、ピアストリは衝突を避けるために回避行動を「強いられた」と指摘した。

 

ザウバーの代表者は、無線を通してピアストリの接近をボッタスに警告しなかったと釈明したが、これについてスチュワードは「チーム側のミスである事は間違いなく、本インシデントの大きな要因」であるとしつつも、不必要に他車を妨害しない事の「第一義的な責任」はドライバーにあるとして、チームに対する罰金ではなく、ボッタスに3グリッド降格ペナルティを科した。なおペナルティポイントは科さなかった。

 

ドライバーに第一義的な責任があるとは言え、望んでもいない人事変更がなければ防げたペナルティであった可能性があるという点で、ボッタスにとっては歯がゆい結果だろう。

 

ボッタスはメルセデスからザウバーに移籍して以来、長年に渡ってアレックス・チャンとコンビを組んできたが、チームはマイアミで「唐突」に、ボッタスのレースエンジニアをスティーブン・ペトリックに変更した。

 

【アレックス・チャンに代わって新たにバルテリ・ボッタス(ザウバー)のレースエンジニアに就任したスティーブン・ペトリック】

 

これは急速な”アウディ化”を背景にした組織変更の一環で、ボッタスはイベント開幕前日の会見の中で、この決定について口を出す事はできず、相方の交代を受け入れざるを得なかったと仄めかし眉をひそめた。

 

ペナルティに伴いスプリント予選18番手のボッタスは、土曜のレースを最後尾20番手からスタートする。ボッタスの降格によりローガン・サージェントとアレックス・アルボンのウィリアムズ勢は各々、18番手と19番手に昇格した。