米国議会議員12名「アンドレッティ参戦却下」を巡りリバティに質問状を提出。期限付き回答を要求 | 北海熊の独り言

米国議会議員12名「アンドレッティ参戦却下」を巡りリバティに質問状を提出。期限付き回答を要求

超党派の米国議会議員12名はマイアミGPに先立ち、F1の商業権を持つリバティ・メディア社に書簡を送り、アンドレッティ・グローバルの新規F1参戦を拒否した理由や根拠について回答を要求すると共に、反トラスト法に違反している可能性があるとの懸念を表明した。

 

フォーミュラ・ワン・マネジメント(FOM)は今年1月、F1世界選手権の統括団体である国際自動車連盟(FIA)が遡ること3ヶ月前に承認を与えたにも関わらず、2025年のF1新規参戦を目指してGMと提携したアメリカンチームの申請を却下した。

 

 

その理由についてFOMは、アンドレッティは競争力を発揮できないとの見方を示し、米国モータースポーツ界で高い知名度と輝かしい歴史を誇る”アンドレッティ”の名前はF1にとって大した価値にはならず、アンドレッティの参戦はチャンピオンシップの財務指標に有意なプラスの影響を与える事はない等と説明した。

 

また、GMがパワーユニット・サプライヤーとして参戦を開始する2028年までアンドレッティがカスタマーエンジン契約を強いられる状況は「チャンピオンシップの威信と地位を傷つける」と主張し、11番目のチームを迎え入れる事は「レースプロモーターに運営上の負担をかけ、一部にはかなりのコストを発生させ、他のチームの技術的、運営的、商業的なスペースを減少させる」とも主張した。

1、拒否の根拠

フォーミュラ1の運営文書であるコンコルド協定は最大12チームの参戦を認めており、現在、F1には10チームが参戦している。

 

FIAは1つまたは複数のチームがF1レースシリーズに参戦できるよう、包括的な申請プロセスを立ち上げ主導してきた。

 

アンドレッティ・グローバルはパートナーのGMとともに申請書を提出した。FIAは4つの申請書を受け取った後、アンドレッティ・グローバルを承認した。

 

FOMはどのような権限に基づいてアンドレッティ・グローバルの承認を拒否しているのか?

 

特に、アンドレッティ・グローバルとそのパートナーであるGMが、アメリカ人が所有し、アメリカ人が立ち上げた初のレースチームとなる可能性があることに関する観点からの回答を求める。

2、反トラスト法に対する合法性

1890年に制定されたシャーマン独占禁止法は、米国の消費者にとって最良の結果をもたらすためのものであり、市場競争における不合理な制限を違法としている。

 

FOMがアメリカ資本のアンドレッティ・グローバルとGMを拒否したことは、シャーマン法の要件にどのように合致するのか?

 

というのもこの決定は、現在の欧州のレーシングチームと、彼らと関連する外国の自動車製造関連会社に利益をもたらすからである。

3、GMの欧州参入と拒否決定との関係

GMはヨーロッパ市場にキャデラック・ブランドを再導入する意向である。これは米国における数千もの自動車関連雇用を支えるだけでなく、フォーミュラ1が持つグローバルな観客と、そのハロー効果(注:ある特定の良好な特徴や属性が他の領域や特性にも良好な印象を与える心理的な現象)を通じてチームやスポンサーにも利益をもたらすものである。

 

アメリカの新たな競争相手に対して既存F1チームは反発している。GMとアンドレッティの参戦がレース市場シェアの一部を獲得し、ヨーロッパ市場へのGMの参入が市場シェアを獲得することは、アンドレッティ・グローバルの参戦を拒否する決定に、それぞれどの程度影響したのか?

 

我々は、米国競争防止法への違反の可能性が迅速に調査・追及されるよう、適切な連邦規制当局と協力して、引き続きこの問題について監視を続けていく。2024年5月3日までに回答するよう要請する。

 

アンドレッティ・グローバルを率いるマイケル・アンドレッティの父、1978年F1ワールドチャンピオンであるマリオ・アンドレッティは書簡の送付を経て、今週、アメリカ合衆国連邦議会を訪れ、この書簡に署名した1人である共和党のジョン・ジェームス議員と面会した。

 

 

書簡の送付を受けてアンドレッティ・グローバルは声明を通して「この反競争的な行為に異議を唱える超党派の議員たちの支援に感謝している」と述べた。

 

ジェームス議員の他に署名したのは以下の11名だ。

  • ドナルド・G・デイビス議員
  • ジム・バンクス議員
  • ジェイク・エルジー議員
  • モーガン・ラトレル議員
  • エリン・ハウチン議員
  • アンドレア・カーソン議員
  • ジャレッド・モスコウィッツ議員
  • ルディ・ヤキーム3世議員
  • ロニー・ジャクソン議員
  • ダニエル・T・キルディー議員
  • ヘイリー・M・スティーブンス議員