角田裕毅、中国GPのもらい事故「予感はした…マグヌッセンだし。僕のせいにするのは無理がある」 | 北海熊の独り言

角田裕毅、中国GPのもらい事故「予感はした…マグヌッセンだし。僕のせいにするのは無理がある」

角田は『DAZN』の『WEDNESDAY F1 Time #9』にリモート出演。第5戦中国GPの27周目ターン6で起こった一件について自身の見解を示している。番組MCのサッシャ氏、角田の師でもあるレーシングドライバーの中野信治氏がインタビュアーを務めた。

 

マグヌッセンと接触したターン6では、角田はトレイン状態ながらアウト側を正攻法で回った形になる。強引にイン側を突いたマグヌッセンがグリップを失い、角田の右リアにマシンを当てて、角田はそれが原因でリタイアを選択することになってしまった。

 

 

この時のマグヌッセンについては、イン側に飛び込ませないために改善すべき点もあったと述べた。

 

「正直、このラインの時にもうちょっと(ターン6の)インにいっておけばよかったっていうのはあります。もうちょっと予防ができたのかな。僕が外(のライン)にいった理由は、インからあの距離では抜かれないと分かったし、別に横に並ばれても出口で(次のターンの)イン側に付けられる。別に無理してイン側を守る必要はないな、と」

 

「せめて進入だけ(トラック上の)真ん中にいて、もう(マグヌッセンに)並ばせる意志をなくさせるようなラインを取れば、良かったのかなっていうのはあります」

 

 

セーフティーカー明け直後で各マシンがトレイン状態だったこともあり、角田は明確な狙いがあってターン6ではアウト側、大回りのライン取りをしたようだ。

 

角田「でも外ってもう前に3台(ダニエル・リカルド、エステバン・オコン、ルイス・ハミルトン)いたんで、まあ3台が(ターン6の)エイペックスに付くのはわかっていたんで、そうすると同じラインの場合、乱気流を受けてしまう」

 

角田「だから僕はできるだけ(すぐ前の)ハミルトンより外に行きたかったんですね。クリーンエアになるのでグリップを活かせるし、そのぶん加速も良くなる。次(ターン7)のインに向けて、敢えて外側のラインを取った」

 

サッシャ「これでメルセデスの後ろを通っちゃうと乱気流になっちゃうんで、敢えてここできれいな空気を当てているんですね。で、クルッと回れるようにしていると」

 

角田「そうなんですよ。はい」

 

サッシャ「そうしたら、立ち上がったところでドカンと」

 

 

ここで角田は今季何度となくバトルを繰り広げているマグヌッセンが、無理に攻めてくるのではという予感もあったと明かしている。

 

角田「正直、予感はしたんですよね。もう、なんかマグヌッセンだし」

 

角田「この(セーフティーカー明け27周目の)1コーナーで彼を強引に抜いたって言えるのかもしれないですけど。そこまで強引でもなかったと思うんですけど。結構プレッシャーを掛け合って、そこを制して。なんか変な直感はしましたね。向こうもストレスが溜まっているんだろうなっていう」

 

中野「1コーナーの立ち上がりでね。あれがあったからなんとなく来るんじゃないかっていう。(マグヌッセンの)性格上、そういうのがたぶん裕毅の中で予想があったと思う。(ターン6の)入口でちょっとこう真ん中に寄って、マグネッセンに戦意喪失させていればというのはもしかするとあったかもしれない」

 

レース後、マグヌッセンは自らの走りについて非がなかったという前提で”角田はワイドに走ったように見えた。お互いに誤解があったし、僕としてはレーシングインシデントだったんじゃないかと思う”主張していた。

 

ハースの小松礼雄代表も”ペナルティが正しいとは思わない。あれはレーシングインシデントだった。マグヌッセンはターン6でエイペックスに付けていたし、角田選手がアグレッシブに(外から)戻ってきた。この決定(10秒ペナルティ)には同意できない”と声明を出していた。

 

サッシャ「それがハース側が言っている“角田選手がちょっとワイドに走った”っていうコメントにつながるんですかね」

 

中野「ワイドに走ったっていうのは、お互いに狙いがあって。裕毅のコメントを聞くと、裕毅は裕毅の考えがある。別にミスをしてアウトにはらんでいるわけではない」

 

中野「そこをたぶん相手(ハース)側は“裕毅がミスをしてアウトにはらんだのに戻ってきた”というとらえ方をしているんだと思う」

 

中野「それぞれのとらえ方が違うんで、今の裕毅の説明を聞くと“なるほどな”っていうことがよくわかる。たぶんこれを見てくれる人たちも“だからアウト側にいったのか”と分かると思う」

 

サッシャ「これをね、英語字幕付けて全世界に配信したいぐらい」

 

 

すると角田はハースによる”自分たちに非はない”との主張に、こう反論している。

 

角田「全然あのラインは他のドライバーも通りますし。正直(接触の過失を)僕のせいにするのは無理がありますね。まあそしたら、次同じことを(マグヌッセンに)やってやりますよって感じです」

 

サッシャ「やっぱりね、究極の負けず嫌いが20人そろっているのがF1ですから」

 

中野「そういうことです。そういう気持ちを持つのが大事だと思う。本当に今回の一件では裕毅自身も学んだことがあったと思う。そこは“やられたらやり返すよ”ということとか、半車身(ターン6に)イン側から入っていたら、というのもあるかもしれない。これを次につなげていって欲しいと僕は思います」

 

実際に角田とマグヌッセンの接触については、マグヌッセン側にレース中の10秒ペナルティが科されているため、角田に非がなかったことは明白となっている。それでもマグヌッセンはフィニッシュチェッカーを受け、一方の角田は27周目でレースを終えることに。もらい事故での今季初リタイアという結果は、まさに大きな痛手となってしまった。