【インディ】第2戦ロングビーチ決勝 : ディクソンが逆転勝利。初参戦プルシェールは11位完走 | 北海熊の独り言

【インディ】第2戦ロングビーチ決勝 : ディクソンが逆転勝利。初参戦プルシェールは11位完走

4月21日、アメリカ・カリフォルニア州のロングビーチ市街地にて2024年NTTインディカー・シリーズ第2戦『アキュラ・グランプリ・オブ・ロングビーチ』の決勝レースが行われ、スコット・ディクソン(チップ・ガナッシ・レーシング)が9番手スタートから逆転で優勝を飾った。

 ザ・サーマルクラブで行われたノンチャンピオンシップイベントの『ミリオンダラー・チャレンジ』を終えてからちょうど一カ月、インディカーマシンはロングビーチの市街地へと集まった。

 今大会は、軽量化が施された新型エアロスクリーンの導入や、全日本スーパーフォーミュラ選手権ドライバーのテオ・プルシェールが代役参戦するなど、注目の話題が多いなかでの開催となる。前日の予選では、ローゼンクヴィストがメイヤー・シャンク・レーシング初のポールポジションを獲得した。

 タイヤ選択は、上位勢のなかで2番手グリッドのウィル・パワー(チーム・ペンスキー)のみグリーンタイヤ(ソフト)、そのほかは揃ってブラックタイヤ(ハード)選択となり、85周の決勝レースは晴れ空のもとで幕が開けた。

 

【2024年NTTインディカー・シリーズ第2戦ロングビーチ 決勝レーススタート】

 

 迎えたスタートでは、1コーナーで先頭のローゼンクヴィストとパワーが早くもサイド・バイ・サイドのバトルとなり、パワーがトップに立つ。

 パワーはその後も好ペースでプッシュしリードを築く作戦に。一方抜かれたローゼンクヴィストはペースが上がらず、代わりにジョセフ・ニューガーデン(チーム・ペンスキー)が2番手に浮上した。

 15周目、20番手を走行していたクリスチャン・ラスムッセン(エド・カーペンター・レーシング)が単独クラッシュを喫し、フルコースコーションが導入。このタイミングで先頭のパワーや7番手のディクソンがピットインを選択する。

 レースは20周目に再開。ニューガーデンを先頭に、マーカス・エリクソン(アンドレッティ・グローバル)、コルトン・ハータ(アンドレッティ・グローバル)、アレックス・パロウ(チップ・ガナッシ・レーシング)と続く。

 

【ジョセフ・ニューガーデン(チーム・ペンスキー)】

 

 25周目にはハータがパロウを攻略し、3位に浮上。後方ではディクソンがパワーを抜いて11番手を走行する。以降は順位変動のないクリーンな展開となり、各車1~2秒の間隔で連なって周回を重ねていく。

 31周目になると、ステイアウトをしていた先頭集団が続々とピットへ入り、ディクソンが先頭へ。すぐ後ろにはパワー、カイル・カークウッド(アンドレッティ・グローバル)と続く。

 ニューガーデンやハータ、パロウらは徐々に順位を上げ、中団勢に追いついてきたタイミングで、ディクソンらも51周目にピットへ向かう。これで最後のピットインを済ませ、コースイン。対してふたたびレースリーダーとなったニューガーデンらは、もう一度ピットインが必要だ。

 59周目にニューガーデンとエリクソン、61周目にはハータとパロウも最後のピットインを行い。ディクソン、ニューガーデン、ハータ、パロウ、エリクソンという順となったトップ集団は終盤へと突入する。

 好ペースで首位に追いついたニューガーデンは、ディクソンにバトルを仕掛ける。しかし、百戦錬磨のディクソンの巧みなブロックにことごとく阻まれてしまい、後方からはハータとパロウも近づいてきた。

 

【2024年NTTインディカー・シリーズ第2戦ロングビーチ 終盤のトップ争い】

 

 ここで、攻めあぐねるニューガーデンと急接近のハータが低速コーナーで軽く接触。ハータがニューガーデンのリヤに潜り込むかたちとなってしまい、これでニューガーデンは大きく速度がダウン。駆動系に不具合が生じたか立ち上がりで失速してしまい、パロウも含む2台に抜かれてしまった。

 残り7周になると、2台は先頭のディクソンに追いつくも抜き切るには至らず、そのまま隊列はトップチェッカーを受けた。2位にはハータ、3位にはパロウが続き、ホンダエンジン勢が表彰台を独占するかたちとなった。

 また、今大会がインディカーデビューとなったテオ・プルシェール(アロウ・マクラーレン)は、初の予選で22番手に沈んだものの、決勝では力強い追い上げ見せて11位完走を果たしている。

 ポイントランキングでは、ニューガーデンが87ポイントでトップをキープ。優勝のディクソンが75ポイントで2位に浮上し、3位には72ポイントのハータ、2023年王者のパロウは63ポイントで4位だ。

 2024年NTTインディカー・シリーズの次戦は、アラバマ州のバーバー・モータースポーツパークにて4月26日(金)から28日(日)に開催される第3戦『チルドレンズ・オブ・アラバマ・インディ・グランプリ』だ。

 

【優勝を飾ったスコット・ディクソン(チップ・ガナッシ・レーシング)】

【2024年NTTインディカー・シリーズ第2戦ロングビーチ 表彰式にはHRCの渡辺康治社長とHRC USのデビッド・ソルターズ社長も参加した】

【2位表彰台を獲得したコルトン・ハータ(アンドレッティ・グローバル)】

【3位表彰台を獲得したアレックス・パロウ(チップ・ガナッシ・レーシング)】

【テオ・プルシェール(アロウ・マクラーレン)】

【テオ・プルシェール(アロウ・マクラーレン)】

 

2024年NTTインディカー・シリーズ第2戦ロングビーチ 決勝


Pos./No./Driver/Team/Engine/Laps/Gaps/SP
1/9/S.ディクソン/チップ・ガナッシ・レーシング/H/85/2
2/26/C.ハータ/アンドレッティ・グローバル/H/0.9798/3
3/10/A.パロウ/チップ・ガナッシ・レーシング/H/1.7664/4
4/2/J.ニューガーデン/チーム・ペンスキー/C/3.9735/1
5/28/M.エリクソン/アンドレッティ・グローバル/H/4.3769/12
6/12/W.パワー/チーム・ペンスキー/C/15.7639/5
7/27/K.カークウッド/アンドレッティ・グローバル/H/16.1788/8
8/77/R.グロージャン/フンコス・ホーリンガー・レーシング/C/18.0433/13
9/60/F.ローゼンクヴィスト/メイヤー・シャンク・レーシング/H/18.8155/7
10/7/A.ロッシ/アロウ・マクラーレン/C/32.0915/9
11/6/T.プルシェール/アロウ・マクラーレン/C/33.4409/22
12/11/M.アームストロング/チップ・ガナッシ・レーシング/H/40.8207/19
13/8/L.ルンドクヴィスト/チップ・ガナッシ・レーシング/H/42.0003/18
14/21/R.ヴィーケイ/エド・カーペンター・レーシング/C/44.4325/11
15/78/A.カナピノ/フンコス・ホーリンガー・レーシング/C/51.3156/15
16/5/P.オワード/アロウ・マクラーレン/C/52.9961/6
17/15/G.レイホール/レイホール・レターマン・ラニガン/H/1’02.519/17
18/41/S.R.ロブ/A.J.フォイト・エンタープライゼス/C/1’05.589/25
19/4/K.シンプソン/チップ・ガナッシ・レーシング/H/1Lap/16
20/51/N.シーゲル/デイル・コイン・レーシング/H/1Lap/28
21/14/S.フェルッチ/A.J.フォイト・エンタープライゼス/C/1Lap/14
22/66/T.ブロンクビスト/メイヤー・シャンク・レーシング/H/1Lap/21
23/45/C.ルンガー/レイホール・レターマン・ラニガン/H/1Lap/23
24/30/P.フィッティパルディ/レイホール・レターマン・ラニガン/H/1Lap/20
25/18/J.ハーベイ/デイル・コイン・レーシング/H/2Laps/26
26/3/S.マクラフラン/チーム・ペンスキー/C/14Laps/10
27/20/C.ラスムッセン/エド・カーペンター・レーシング/C/71Laps/27