レッドブル&HRC密着:ニューウェイのデザインしたRB20の最大の長所が活きた予選
レッドブル・ホンダRBPTが、土曜日に行われたF1第4戦日本GPの予選でフロントロウを独占した。
前戦オーストラリアGPではレースでマックス・フェルスタッペンのマシンがブレーキトラブルに見舞われ、チームメイトのセルジオ・ペレスは5位に終わったレッドブル。昨年のシンガポールGP以来の敗戦となったため、鈴鹿での連敗を危惧する声もあったが、その心配は杞憂に終わった。
それは、ポールポジションを獲得したフェルスタッペンが3番手以下につけたタイム差は約コンマ3秒と圧倒していたからだ。しかも、ポールポジションタイムを叩き出したラップは「完璧ではなかった」とフェルスタッペンが語っており、今回フェルスタッペンが刻んだポールポジションタイムである1分28秒197は、真の実力が反映されたものではない。
この結果を生んだ要因のひとつに、エイドリアン・ニューウェイ(チーフテクニカルオフィサー)がデザインしたレッドブルのマシンは、鈴鹿との相性がいいことが挙げられる。
というのも、レッドブルはコロナ禍明けの2022年から3年連続で鈴鹿でポールポジションを獲得し続けているだけでなく、ハイブリッド時代以前の2009年から2013年までも5年連続で鈴鹿でポールポジションを取り続けていた。
中高速コーナーが多い鈴鹿はダウンフォースだけでなく、空気抵抗が少ない洗練されたエアロダイナミクスが重要となる。ニューウェイがデザインするマシンの最大の長所はまさにその点にある。また、鈴鹿の路面がスムーズで姿勢の変化が少ないことも、ニューウェイがデザインしたマシンにとっては有利に働いているものと考えられる。
もちろんフェルスタッペンの高いドライビング能力があることは間違いない。今回のポールポジション獲得で、フェルスタッペンはその記録を開幕から4戦連続に伸ばした。
近年の開幕からの4戦連続以上のポールポジション獲得は、2015年のルイス・ハミルトン(メルセデス)と2011年のセバスチャン・ベッテル(レッドブル)の2例があり、どちらのケースも、その後チャンピオンを獲得している。
今年の日本GPは初めて春に開催され、チャンピオン決定の舞台にはならないが、日曜日のレースでフェルスタッペンがポール・トゥ・ウインを飾れば、4連覇へ向けて力強い走りを鈴鹿で披露したことになるだろう。
Masahiro Owari