【WRC】名門ランチア、将来的なラリー活動の再開を示唆「我々はそれに取り組んでいる」 | 北海熊の独り言

【WRC】名門ランチア、将来的なラリー活動の再開を示唆「我々はそれに取り組んでいる」

イタリアの名門マニュファクチャラーであるランチアは、将来的なラリーへの復帰を検討していることを示唆した。

 ランチアはWRC史上最も成功したメーカーであり、通算74勝、10回のコンストラクターズタイトル獲得という記録は歴代最多となっている。

 一時はイタリア国外での車両販売を終了するほどまでブランドが縮小したランチアだが、ステランティス・グループの下で自動車ブランドとして復活を遂げ、2月には新型のハッチバックEV、イプシロンを発表した。

 またこれに伴い、ランチアのスポーツモデルに用いられるHF(ハイ・フィデリティ)ブランドも再始動。新しく生まれ変わったHFのロゴは、2025年に予定されているイプシロンのHF特別仕様車を皮切りに、ランチアの高性能ロードカーにつけられる予定だ。

 WRCでも、グループA時代のデルタHFによるマニュファクチャラーズタイトル6連覇など、HFの名前は歴史あるものとなっている。

 

 

 ランチアのブランドCEOであるルカ・ナポリターノは、HFブランドのローンチに際して、ラリーへの復帰を検討していることを示唆した。ただ現段階で、その詳細は分かっていない。

「映画『栄光のレース』(1983年のWRCタイトルをめぐるランチアとアウディの戦いを描いた映画)がイタリアの主要劇場で公開される機会に、新しいHFのロゴをお披露目できることを嬉しく思う」

 そうナポリターノは語った。

「このロゴは、新型ランチア・イプシロンHFでデビューし、その後、将来的な高性能仕様車に使用される予定だ」

「ブランド新時代の最初のクルマである新型ランチア・イプシロンの発表後、今日、我々はルネッサンスへの道をさらに一歩前進させる。ブランドの最も荒々しく先鋭的な魂と、パフォーマンスモデルに集中するというコミットメントを強調する」

「ラリーに戻るのか? 我々はそれに取り組んでいる」

 

 

 motorsport.comの調べでは、ランチアがラリーへ復帰する場合、その最も可能性の高い選択肢はRally4であり、イタリアの情報筋はランチアがRally2車両ですぐにラリーに復帰するようなことはあり得ないと考えている。

 ステランティスとしては、すでにRally4車両としてプジョー・208 Rally4とオペル・コルサRally4の2台を擁している。この2台は最も重要なエレメント(エンジンやギヤボックス、サスペンション・コンセプト)を共有している。

 ナポリターノのコメントは、FIAが最高峰クラスRally1について広範囲に及ぶ改革を発表したことと無関係ではないだろう。FIAは2025年からRally1車両のハイブリッドシステムを排除し、空力とエアリストリクターの変更によってマシンの性能をさらに低下させ、Rally2クラスに近づけるつもりだ。提案されている空力変更の正確な詳細は、まだ発表されていない。

 そしてFIAは2026年に新たなRally1レギュレーション導入を目指している。マシンはより大きなスペースフレームシャシーを採用し、出力は330馬力、コスト上限は40万ユーロ(約6500万円)となる見込みだ。

 またFIAは、できるだけ早い時期に電動カテゴリーを導入する計画を発表しており、WRCへの参入障壁は下がってきている。名門ランチアが再びWRCを戦う日がくるかもしれない。