クリスチャン・ホーナー、エスカレートする“不適切行為疑惑”報道に待った「家族への干渉はもう沢山」 | 北海熊の独り言

クリスチャン・ホーナー、エスカレートする“不適切行為疑惑”報道に待った「家族への干渉はもう沢山」

女性従業員への不適切行為疑惑の渦中にいるレッドブル・レーシング代表クリスチャン・ホーナーは、この問題を巡る報道が私生活にまで介入したモノにエスカレートしているとして、行き過ぎた報道を控えるよう求めた。

 ホーナー代表を巡っては、レッドブル・レーシングの親会社であるレッドブルGmbHが女性従業員からの申し立てを受けて、外部の弁護士による調査が開始されたと最初に報じられた。

 8週間に及ぶ調査の末、レッドブルGmbHは申し立てを却下し、ホーナー代表の潔白が証明されたかのように思われた。しかしその発表から数日と経たずに、疑惑の証拠と考えられる、ホーナー代表と申し立てを行なった女性従業員との間で交わされたWhatsAppのメッセージ内容がメディアにリークされたことで、ホーナー代表とチームに対するプレッシャーがさらに高まった。

 開幕戦バーレーンGPでマックス・フェルスタッペンがレッドブルに優勝を届けた直後、その父親であるヨス・フェルスタッペンは、仮にホーナー代表が現職に留まり続ければチームが“分裂”するだろうと語り、ホーナーの退陣要求を示唆。サウジアラビアGPではレッドブルGmbHのモータースポーツアドバイザーであるヘルムート・マルコが機密情報のリークに関与した疑惑が浮上し、この問題を巡る報道も加速していった。

 しかしホーナー代表は、フェルスタッペン陣営との話し合いを終えて、彼を取り巻く状況が進展することを望んでいると語った。そしてエスカレートする報道を控えるよう警告した。

「非常に厳しい時期だったのは明らかだ」

 サウジアラビアGPの際にホーナー代表はそう語った。

「私は結婚していて、3人の子どもがいる。(私生活への)干渉には子どもが含まれ、私の結婚生活に詮索の目が向けられるとしたら……私には美しい家族がいて、とても協力的な妻がいる。だから、とても辛いよ」

「現実には不満の声が挙がっている。レッドブル・レーシングではなく、レッドブル・レーシングのオーナーであるレッドブルGmbHが、最も高い評価を受けている弁護士を任命したんだ」

「彼は時間をかけて全ての事実を調査した。彼は関係者と利害関係者全てにインタビューを行ない、全てを調べ、全ての事実を把握した。そして彼は申し立てを却下するという結論に達した」

「私が知る限り……レッドブルに関する限りでは、我々は前に進み、未来に目を向ける。私の妻は、私の家族と同様に、この件を通して驚異的なサポートをしてくれた。でも、私の家族への干渉はもう沢山だ」

 ホーナー代表の不適切行為疑惑に関する詳細はほとんど明かされておらず、リークされた証拠も真偽のほどが確かめられない部分的なモノだ。

 しかし実際の調査結果がどうであれ、疑惑に不透明な部分が多く残ることで、シリーズをより包括的なスポーツにしようと試みるF1にとっては看板に傷がつきかねない状況であることは確か。申し立てが却下され、その女性従業員がチームから停職処分を受けたという構図も懸念材料だ。

 他のF1チームやFIAなどから透明性を求める声が挙がる中、レッドブル側は関係者全員の明確な承認がない限り、これ以上詳細を明かすことはできないというスタンスを取っている。

「どのような会社にも申し立ての処理プロセスがあるから、複雑な問題だと思う」とホーナー代表は言う。

「そのプロセスは、個人と会社の間の機密事項だ。残念ながら、その守秘義務のため、また会社、そしてもちろん相手方への配慮から、私が自由に発言することはできない。もちろん、相手方にも同じ制約がある」

「この件について話したいと思っても、守秘義務があるから話せない」

「この件がこれほど注目されるようになった唯一の理由が、リークとメディアで描かれた緊張によるモノだというのは明らかだ。これは多くの点でかなりの試練だった。特に私の家族にとっては、全てが一方向に向いているため、厳しい状況だ」

「もちろん、これを利用しようとする人たちもいる。残念ながら、F1は競争の激しいビジネスだ。明らかに、そこから利益を得ようとする要素もあった。それはおそらく、この業界のあまり美しくない側面だ」