元F1王者、フェラーリの“方針”に疑問「フェラーリではファーストドライバーが本当に必要」 | 北海熊の独り言

元F1王者、フェラーリの“方針”に疑問「フェラーリではファーストドライバーが本当に必要」

4度のF1ワールドチャンピオンに輝いているアラン・プロストは、来年から明確な事実上の“ナンバー1”ドライバーを置かないというフェラーリの新方針が、マラネロという伝説のブランドにとってうまくいくのかどうか疑問に思っている。

 

このF1レジェンドが言及しているのは、2025年に7度のワールドチャンピオンに輝いたルイス・ハミルトンが、高い評価を得ている現ドライバーのシャルル・ルクレールとコンビを組むことになるということだ。

 

プロストは、F1チームがドライバーズタイトル獲得に本腰を入れる場合、通常は名目上の、あるいは事実上の“ナンバー1”が存在するのは普通だと『Servus TV』に語った。

 

「私はチームの正式なファーストドライバーになったことは一度もない。しかし、それは間違いだったのかもしれない。もし私がファーストドライバーだったら、おそらくマクラーレンでのいずれかの年か、1990年のフェラーリでワールドタイトルを獲得していたかもしれない」

 

「私はチームの正式なファーストドライバーになったことはないが、それは間違いだったのかもしれない。もし私がファーストドライバーだったら、おそらくマクラーレンの数年間の1つか、フェラーリの1990年にワールドタイトルを獲っていたかもしれない。なぜなら、物事は違った方向に進んでいただろうからね」

 

プロストは1985年、86年、89年にマクラーレンで3度のタイトルを獲得したが、フェラーリへ移籍した1990年は、アイルトン・セナが88年に続く2度目のタイトルを獲得し、自身は7ポイント差のランキング2位に終わった。

 

そして、公式あるいは契約上、明確なナンバー1ドライバーを指名することはもはやF1の常識ではないが、プロストは現実は極めて異なると主張する。

 

「歴史を見れば、アイルトン(セナ)は常にファーストドライバーだったし、ミハエル・シューマッハ、ルイス・ハミルトン、マックス・フェルスタッペンも同じだ。実際、過去20年のすべてのチャンピオンシップに当てはまる」

 

69歳のプロストは、フェラーリではナンバー1ドライバーがより重要だと考えている。

 

「特にフェラーリではファーストドライバーが本当に必要なんだ。なぜなら、より大きなプレッシャーに対処しなければならないからだ。多くの政治的なことが起こっていて、それは時には分からないこともあるし、理解できないこともある」

 

「他のチームと戦っている時、明確なナンバー1がいればチームにとってはずっと楽になる。私は1986年にナイジェル(マンセル)とネルソン(ピケ)との戦いの末にタイトルを獲得した。(ウィリアムズで)彼らはチームメイトだったが、チームオーダーを受けることはなかった。私はそれをうまく利用してアドバンテージにしたんだ」

 

プロストは1986年にマクラーレン・タグで2年連続2度目のタイトルを獲得した時、ランキング2位と3位はともにウィリアムズ・ホンダのナイジェル・マンセルとネルソン・ピケだったことを振り返り、タイトル争いをするならナンバー1は必要だと説く。

 

「タイトルを獲るチャンスがない時は、ファーストドライバーは必要ないかもしれない。でも、もしチャンスがあり、タイトルを獲りたいなら...おそらくルイスとシャルルがいる来年は、それがわかるだろう」

 

「それはとても興味深いことだし、マネジメントにとってはとても難しいことだろうけれど、書類上はファーストドライバーが存在しないわけだから、いずれにせよこのスポーツにとっては良いことだ」