ザウバーF1、プルロッド式の前サスペンション採用が少なく「驚いた」
ザウバーのテクニカルディレクターであるジェームス・キーは、明らかに速いプルロッド式のフロントサスペンションを採用しなかったチームがあることに驚いたという。
レッドブルやマクラーレンが始めたトレンドに追従するように、ザウバーは今季のマシンC44のフロントサスペンションをプッシュロッド式からプルロッド式に変更した。
キーは、デザイン的に進むべき道は明らかだと予想し、プルロッド式のサスペンションを採用したという。しかし、フロントサスペンションに関してレイアウトを変更したのは、ザウバーの他にはビザ・キャッシュアップRBのVCARB 01のみ。他の6チームはプッシュロッド式のフロントサスペンションを使用している。
もっと多くのチームがプルロッド式にしなかったことに驚いたかと聞かれ、キーは「実際少し驚いたよ」と答えた。
「少なくともあともう1チームくらいはプルロッドを持ち出すと思っていた。でも積み重ねが大事なんだ。空力的な要素を積み重ねるために苦労はしたが、間違いなく速くなっている」
「マクラーレンは早くからこれ(プルロッド式のフロントサスペンション)について考えてたし、レッドブルも常にそうだった。ザウバーで行なわれた作業については、4月から6月にかけて風洞とCFDの結果を見ていて、その恩恵が十分に大きいことを明確に示していた。だから、他のマシンがそうしていないことに少し驚いているんだ」
キーは、プレシーズンテストでの走行が心強い結果だったと説明した。
「もう少し絞り出す必要があると感じていることがいくつかある。私がチームに加わったのは少し遅い時期だったが、基本的にやるべきことはやれている」
「このクルマで本当に良かったのは、私がザウバーに来た時に気づいたんだが、シミュレータの結果や特定のメカニカルな面を調査する論理的なプロセスから出てきたものは、とてもうまく相関しているように見えることだ」
「とてもピュアなクルマだ。期待通りの結果を出してくれる。ノイズも少ないし、とてもいい。フロントサスペンションは期待通りに機能しているよ」
サスペンション変更にとどまらず、C44はテストでいくつかの有望なポテンシャルの兆候を示したという。
テストを振り返り、キーは次のように語った。
「いくつかの条件をクリアできたと思う。まだやるべきことはあるし、あらゆる面でまだ見つけるべきパフォーマンスがある」
「しかしコーナリングの効率は確実に良くなっていると思う。コーナーでのバランスも良くなっているし、昨年にはなかったメカニカルなツールも手に入れた」
「そのおかげでドライバーたちは、昨年は決してできなかったような様々なことができるようになった」