【WEC】トヨタ、前技術部門責任者バセロンの“戦略的”な新役職を発表。レースでの水素技術にも関与
TOYOTA GAZOO Racing(TGR)は2月22日、前テクニカルディレクターのパスカル・バセロンが、TGRヨーロッパ技術部門のトップを退いたことを受け、グローバルモータースポーツにおける“戦略的な新しい役割”を創設したことを発表した。
今年1月、バセロンがWEC世界耐久選手権で成功を収めている日本車メーカーのチームの上級職から退くことがアナウンスされ、3月にカタールで開幕する2024年シーズンに向けては、デイビッド・フルーリーが新しいテクニカル・ディレクターに就任している。
2005年に当時のTMG(現TGR-E)に入社したバセロンは、この人事異動によってWECの現場を離れることになったが、彼にはTGRステラジック・モータースポーツ開発担当副社長という新しいポストが用意された。
この職務には、水素を含む新しいテクノロジーを使用した日本メーカーのモータースポーツ活動に関わるものが含まれる。
トヨタは、モータースポーツの舞台で水素エンジンを利用したパイオニアであり、この日本車メーカーは2023年のル・マンで『GR H2 Racing Concept』を公開するなど、最終的には水素を燃料とするクルマでル・マン24時間レースに参戦する野心を明らかにしている。
同社が木曜日に発表した声明によると、バセロンの新しい役割は「カーボンニュートラルと水素技術に焦点を当てた、将来のグローバルなモータースポーツ活動の計画と開発に貢献すること」であり、「世界中の関連する統括団体」との話し合いの際にトヨタを代表することになるという。バセロンは、日本のTGR加地雅哉モータースポーツ担当部長/技術室長と緊密に連携しながら、新しい役職で働き始める。
トヨタの声明ではフルーリーのTGR-Eテクニカルディレクター就任も正式に確認された。この中では、オレカ出身の技術者が「1月初旬から代行ベースで務めている」と説明されている。
【長年TGRヨーロッパのテクニカルディレクターを務めていたパスカル・バセロン長年TGRヨーロッパのテクニカルディレクターを務めていたパスカル・バセロン】
【2024年からTGR-Eのテクニカル・ディレクターに就任したデイビッド・フルーリー】