【WEC】関谷正徳から佐藤万璃音。ユナイテッドAS、ル・マン制覇の歴史紡ぐマクラーレンGT3公開 | 北海熊の独り言

【WEC】関谷正徳から佐藤万璃音。ユナイテッドAS、ル・マン制覇の歴史紡ぐマクラーレンGT3公開

マクラーレン・オートモーティブとユナイテッド・オートスポーツは、2024年の世界耐久選手権(WEC)LMGT3クラスに投入するマクラーレン720S GT3 EVOのカラーリングを発表した。

 WECでは2024年から、これまでのLM-GTE Amクラスに代わって、FIA GT3規格のLMGT3クラスを導入する。今年は9つの自動車メーカーがそれぞれにGT3車両を2台ずつ投入し、マクラーレンもその1社として名門耐久チームであるユナイテッド・オートスポーツをパートナーチームに選び、耐久レースの頂点への挑戦を再開する。

 そして今年WECに投入される720S GT3 EVOのカラーリングは、1995年のル・マン24時間レースを制したマクラーレンF1 GTRからインスピレーションを得たブラックと、マクラーレンを象徴するパパイヤオレンジで彩られた。

「ル・マンとWECに復帰するマクラーレンの新しい姿を披露する、素晴らしい瞬間だ」

 ユナイテッド・オートスポーツのリチャード・ディーンCEOはそう語った。

「このデザインは1995年のル・マン優勝マシンを彷彿とさせつつも、紛れもなく現在のマクラーレン・ファミリーの一員であると分かるモノだ」

 そしてディーンCEOは次のように続けた。

「これは2024年のマクラーレンのラインナップに加わるエキサイティングなモノだ。F1、インディカー、フォーミュラEのデザインを引き立てる。レースで勝つ見た目をしていて、大きな野望を抱いている」

 

 

マクラーレンは1995年のル・マンにF1 GTRのショートテール/ロングテールを投入。レースではJ.J.レート、ヤニック・ダルマス、関谷正徳の3名が駆る59号車が初の総合優勝を届けた。

 奇しくも、今年投入される“ヘリテージカラー”の720S GT3 EVOにも日本人ドライバー佐藤万璃音が乗ることとなっている。

 ヨーロッパで長く経験を積んだ佐藤は昨年、ヨーロピアン・ル・マン・シリーズ(ELMS)のLMP2クラスにユナイテッド・オートスポーツから参戦し、シリーズランキング2位を獲得。その活躍が評価されて陣営のWECドライバーに抜擢された。

 佐藤は95号車720S GT3 EVOに乗りLMGT3クラスへ参戦。ニコ・ピノ、ジョシュ・ケイギルとトリオを組む。僚機59号車にはジェームス・コッティンガムとグレゴワール・ソーシー、ニコラス・コスタの3名が乗る。

 95号車には、チリにおけるマクラーレンやアストンマーティン、ロータスの正規販売代理店であるクアンタム・グループのロゴがヘッドライト上部に貼られ、59号車にはブラジル最王手の独立系石油・ガス生産会社のPRIOなどがマシン各所に掲出される。

 95号車と59号車のカラーリングは、掲出されるスポンサーの他に、リヤビューミラーとフロントウィンドウのバナーがそれぞれ95号車はブラック、59号車はパパイヤオレンジで塗り分けられている。

 

 

「カタールでのWECデビューに先立ち、レーシング・パートナーのユナイテッド・オートスポーツと共同でエキサイティングなドライバーラインナップと共に720S GT3 EVOを発表できることを誇りに思う」

 マクラーレン・オートモーティブのマイケル・ライダーズCEOはそう語った。

「レースはマクラーレンのブランドにとって本質的なモノであり、WECは我々のスーパーカー・エンジニアリング・プログラムのパフォーマンス能力を実証するのに最適な舞台だ」

「またマクラーレンの歴史の中でも非常に重要な位置を占めるル・マン24時間レースでの勝利を、我々のカラーリングで称えることができて嬉しく思う」

 ブラックとパパイヤオレンジに身を包んだ2台のマクラーレン720S GT3 EVOは、2月24日から25日にカタールで予定されているWEC公式プロローグ(テスト)でコースデビューを果たすことになる。開幕戦カタール1812kmは3月2日に行なわれる。