アレクサンダー・アルボン、苦悩したレッドブル時代も「F1に居場所がないと思ったことはない」 | 北海熊の独り言

アレクサンダー・アルボン、苦悩したレッドブル時代も「F1に居場所がないと思ったことはない」

ウイリアムズのアレクサンダー・アルボンは、2023年シーズンを自身の“ベストイヤー”と振り返る一方で、苦戦を強いられたレッドブル在籍時代にも「居場所がないと感じたことはなかった」と語った。  

 

ウイリアムズは2023年シーズン開幕当初、投入したFW45のダウンフォースがライバル勢に比べて少なく、サーキットやコンディションにパフォーマンスが大きく左右される難しいレースを強いられた。

 

 しかしそんな中でもアルボンはカナダGPとイタリアGPで7位入賞。コンストラクターズでウイリアムズは、シーズン終盤に勢いを増したアルファタウリを抑えきり、7位でシーズンを終えた。ウイリアムズが2023年に獲得した計28ポイントのうち、アルボンは27ポイントをひとりで稼ぎあげた。

 

ウイリアムズ加入後のアルボンの評価はF1パドック内でもうなぎのぼり。2024年末で現在のウイリアムズとの契約が満期を迎えることから、2025年のドライバー市場ではキープレイヤーとなりそうだ。

 

 デビューしたトロロッソからスピード出世でレッドブル・レーシング入りを果たしたものの、チームメイトのマックス・フェルスタッペンに匹敵するパフォーマンスを出せずにたった1年半で解雇され、1年間の“F1浪人生活”を送っていたかつてのアルボンとは大違いだ。

 

しかしmotorsport.comの独占インタビューに応じたアルボンは、苦悩したレッドブル時代もF1界に「居場所がない」と感じたことはなかったという。ただ、今になって自身がより評価されるようになった理由も分かるという。

 

以前よりも評価されるようになったことを奇妙に思うか? との質問に対してアルボンはこう答えた。

 

「分かっているよ。なぜそうなっているのか分かっているんだ」 

 

「自分のキャリアを振り返ってみると、1年目はとても良かった。それで少し早すぎる段階から(レッドブル・レーシングに)昇格となった。2020年は経験も少し不足していたし弱かった」

 

 

「知っての通り、僕は(F1から)1年離れ、ウイリアムズで2度目のチャンスを得た。でも、F1に自分の居場所がないと感じたことは1度もないよ。自信がついてきて、経験を積むにつれて自分自身をアピールできるようになったんだ」

 

そして、アルボンは次のように続ける。

 

「奇妙だとは思う。それは正しいよ。悪いチームに良いドライバーはいないと思う」

 

「同じことが(マクラーレン所属の)オスカー(ピアストリ)やランド(ノリス)にも言えると思う。ふたりとも本当に素晴らしいシーズンを送った。でも、彼らがシーズン途中にアップデートを投入できていなければ、これほど話題に上がることはなかっただろうね」 

 

「規模は小さいけど、僕らにも同じことが言える。2022年、僕は16位で素晴らしいレースをしたけど、誰もそのことを話題にしなかった。16位とかそこらの話だからね」 

  

「でも2023年は、いいレースをすればトップ10に入ることができたし、話題にもなった。自然と株も上がっていくんだ」

 

「でも、それがF1だ。正しい時にそこにいなきゃダメなんだ」

 

 また2023年シーズンに、より一貫してベストな走りができるようになった理由を尋ねると、アルボンは純粋な速さよりも快適さと経験が大きな違いを生んだと説明した。

 

「ある意味、当たり前のことだと思う。周回数を重ね、チームともう1年一緒にいることができたんだからね」

 

「純粋なスピードが大きく変わったとは思わないけど、マシンを自分に合わせることができたし、マシンを攻略することができた。毎週末、マシンを快適に扱えていると感じるんだ」

 

「マシンを速くするために何が必要なのかも分かっている。全てがシンプルに繋がっている感じだ。そのおかげでレースもやりやすいし、ミスもしない。最高の1年だったと思うよ」