【ダカール】サインツJr.、4度目のダカール制覇成し遂げた父の”スマートな”走り讃える | 北海熊の独り言

【ダカール】サインツJr.、4度目のダカール制覇成し遂げた父の”スマートな”走り讃える

カルロス・サインツJr.は、ダカールラリー2024を制した父サインツSr.について「誰よりもスマートだった」と称賛した。

 

サウジアラビアで開催された2024年のダカールラリーでは、アウディのRS Q e-tronを駆るカルロス・サインツSr.が総合優勝を成し遂げた。サインツSr.はこれでダカール4勝目。自身が持つ58歳というダカールでの最高齢優勝記録を61歳に塗り替えた。

 

こうした偉業を、サインツSr.の息子でありフェラーリのF1ドライバーであるサインツJr.は「誰よりもスマートだった」と称賛した。

 

 サインツSr.は2024年のダカールで、ステージ6以降は総合首位を常にキープ。ステージ優勝を一度も飾ることなく、プロドライブ勢のセバスチャン・ローブやナッサー・アル-アティヤ、チームメイトのマティアス・エクストロームやステファン・ペテランセルといった並居る強豪を抑え総合優勝を果たした。

 

一時サインツSr.は猛追するローブに接近を許したものの、そのローブはトラブルの連続で後退。一方サインツSr.は、既に優勝戦線から脱落していたエクストロームやペテランセルのサポートを受けてトラブルをしのぎきった。

 

 最終ステージ12終了後のビバークには息子のサインツJr.も駆けつけ、サインツSr.が今年のダカールを制した要因として、そのスマートな戦い方を挙げた。

 

「彼には毎日激しく攻めすぎないようにと伝えていた。結局、ダカールは耐久レースなんだ」

 

「彼は激しく攻めるのが好きだ。勝つために攻める必要があったけど、彼は誰よりもスマートで、彼だけが知っている手段でラリーをコントロールしていた」

 

「ラリーは完璧だったし、僕がこれまで見てきた中で最もスマートなラリーだった。完璧なマネジメントで、経験値も見せつけた」

 

 サインツJr.はそう語り、次のように続けた。

 

「2024年がいい形でスタートした。サインツ家としてこの調子をキープしないとね!」

 

「父として、母の夫として、全てにおいてどれだけ誇らしく思っているか想像がつかないだろう。ここには僕だけじゃなくて、彼の親友や、常に彼を愛し応援する人たちが来ているんだ」

 

 

サインツSr.は昨年のダカールで大クラッシュを喫し、椎骨を2ヵ所骨折する大怪我を負った。しかしそこから回復し、今年17年連続でのダカール参戦を実現。見事、総合優勝をもぎ取った。

 

そして46回目となった今年のダカールは、2023年から大きくルートが異なり、マラソンステージに代わって“48時間クロノステージ”が追加されたことも大きな話題となった。

 

 サインツJr.は、父親が今年のダカールに向けて費やした時間とリソースが、総合優勝に繋がったと考えている。

 

「とても長いダカールだった。あらゆる地形、あらゆるステージ、そして48時間の新しいマラソンステージのようなモノもあった」とサインツJr.は言う。

 

「全てがあった。彼はその全てを乗り越えることができた。カギとなるステージではベストを尽くした。彼がしっかりと準備して、やる気満々でやってきたことをよく物語っていると思う」

 

 アウディは2022年から電動プロトタイプマシンであるRS Q e-tronでダカールに挑戦。ここ2年は様々な問題に直面してきたが、参戦3年目にして勝利を掴むことができた。

 

アウディは2026年のF1新規参戦に向けた準備を進めるべく、今回で現状唯一のワークスプログラムだったダカール参戦を終了。リソースをF1へ全集中するとされている。