ホンダF1、アストンマーティンとタッグ組む2026年に向けて確かな足取り「提携準備は非常に順調」 | 北海熊の独り言

ホンダF1、アストンマーティンとタッグ組む2026年に向けて確かな足取り「提携準備は非常に順調」

2026年シーズンからアストンマーティンをパートナーに迎えてF1に正式復帰を果たすホンダ。準備期間が残り2年となる中で、ホンダ・レーシング(HRC)の渡辺康治社長はアストンマーティンとの提携が「非常に順調に進んでいる」と語った。

 

HRCは現在、テクニカルパートナーとしてレッドブルのパワーユニット(PU)部門であるレッドブル・パワートレインズを介して、レッドブル・レーシングとスクーデリア・アルファタウリの2チームにPUを供給しており、2025年シーズン末まで開発と製造を請け負っている。その後は袂を分かち、レッドブルはフォードと、ホンダはアストンマーティンと新たなタッグを組む予定だ。

 

 2026年からはF1テクニカルレギュレーションが刷新される。次世代PUはV6ハイブリッドターボという従来の構成を引き継ぎつつも、複雑で高価なMGU-Hが廃止され、電気モーターの出力が約3倍まで引き上げられる。これにより内燃エンジンと電気モーターの出力比は50:50となる。また、持続可能燃料の使用が義務づけられており、この大きなターニングポイントに向けてHRCも開発を進めている。

 

2023年に大躍進を果たしたアストンマーティンは、イギリス・シルバーストンにファクトリーや風洞を新設。レッドブルを筆頭とする他のトップチームに対抗しうる充実したインフラ、そして2026年にはワークスPUを手にすることとなる。

 

昨年5月に提携が発表されて以降、アストンマーティンとHRCはワークショップを開催。2026年の円滑な提携開始に向けた作業が進められている。10月にはアストンマーティンでエンジニアリングディレクターを務めるルカ・フルバットが、HRCとの提携状況について次のように語っていた。

 

「5月にホンダとの提携を発表して以降、非常に盛り上がっている。その発表直後にホンダと最初のミーティングを行ない、以後定期的に意見交換を行なっている」

 

「彼らにとってはまだ初期段階だが、2026年用エンジンの開発は急ピッチで進んでいる。アイデアを交換し合っており、彼らの反応は信じられないほどポジティブだ」

 

 

そしてF1プロジェクトが順調に進んでいるという声は、HRCからも聞こえてきた。

 

「テクニカルワーキングでのコミュニケーションも順調に進んでいます」

 

 東京オートサロン2024に姿を現したHRCの渡辺社長はそう語った。

 

「また、マネジメントレベルでの運営委員会では、お互いの理解や課題感の共有を行なっています。HRCとしては、非常に順調に進んでいるという感触です」

 

なお、レッドブルがフォードとのPR活動を既に開始しているのに対し、ホンダはアストンマーティンとのパートナーシップに関して明確な発信を行なっていない。これについて渡辺社長は、現在提携を結ぶレッドブルとの関係を考慮した上で、今後「段階的に」発信を行なっていく可能性が高いと語った。

 

「具体的には決まっていないので何とも言えませんが、ベストなタイミングで新しいアストンとの発信もやることになると思います」と渡辺社長は言う。

 

「それは、レッドブルとのパートナーシップもよく考慮した上で実施していきたいと思っています。実際に2026年がスタートしていけば、当然アストンと様々なことをやっていきたいと思います」

 

「ただ、まだまだ先の話です。特に来年、再来年にかけて議論していくことになると思います」