トト・ヴォルフ、メルセデス代表の座を退く意思はなし「私の持つ専門知識でチームに貢献できる」 | 北海熊の独り言

トト・ヴォルフ、メルセデス代表の座を退く意思はなし「私の持つ専門知識でチームに貢献できる」

最近のメルセデスF1は苦戦しているものの、チーム代表を務めるトト・ウォルフはメルセデスのF1プログラムを率いるという不動の決意を持ち続けており、チームとの日々の関わりから身を引くつもりはないと主張している。

 

 ウォルフは10年以上チームに在籍している。当初はエグゼクティブ・ディレクター兼チーム代表として加入し、その後チームの株式の30%を取得して、イネオスとダイムラーAGとともに3分の1の対等なパートナーとなった。ウォルフのリーダーシップはメルセデスの前例のない成功に貢献し、彼は8年連続のコンストラクターズタイトル獲得と7年連続のドライバーズタイトル獲得を監督してきた。

 

 しかし、2022年に新たな空力レギュレーションが導入されると、チームはバランスを崩した。過去2シーズンにおける優勝はわずか1回で、全体的なパフォーマンスも大幅に低下した。こうした課題があるものの、ウォルフはメルセデスをF1グリッドのトップに戻す自分の能力に自信を持ち続けている。過去2シーズンの難しさを認め、自分を責めたり、自身の貢献にしばしば疑問を抱いたりしてきたとウォルフは述べたが、こうした挫折から学び、チームの競争力を再構築することを決意している。

 

『Speedcafe』によると、ウォルフは「私の持つ専門知識によってチームに貢献できると今も考えている」と昨年末にメディアに語ったという。

 

「残念ながら、より多くのエネルギー、意欲、スキルを備えていると言える人物がまだ見つかっていない。こうしたすべての要素は、チーム代表兼CEOになるのに重要だと私は考えている」

 

 

メルセデスとF1に対するウォルフの情熱は紛れもないものだ。彼はチームに心と魂を捧げ、卓越性と革新性を推進してきた。最近の課題は大きなものではあるが、ウォルフの経験、決意、チームのポテンシャルに対する揺るぎない信念は、メルセデスがこの過渡期をうまく乗り切ることができる可能性を示唆している。

 

 しかし、もしメルセデスが長期間にわたり凡庸な状況に陥ったら、ウォルフは躊躇せずに退くだろう。彼は過去にそのような状態になったチームの顕著な例をふたつ目撃してきたからだ。

 

「チーム代表が最善を尽くせなくなっている状況を目にしてきた。私はロン・デニスやフランク・ウイリアムズのことを考える。そこにしがみつきたくはないだろう」

 

「2012年に私はウイリアムズのチーム代表になりたいと熱望しており、ともにそれを実現した。私のタイトルはエグゼクティブディレクターだった。私はある意味でそうなるよう強制したが、それはフランクに『私はこのチームを経営したいし、私はあなたを尊敬している』と言ったからだ」

 

「私は決してそのような状況に陥ることはないと思っている。私は常に将来の組織構造がどうなるか注意している。もしかしたら変わっているかもしれない。もしかしたらチーム代表もCEOもいないかもしれない」

 

「我々は巨大な組織だ。メルセデス・ベンツ・モータースポーツのトップとして、私はメルセデスのエンジン面、シャシー面、その他すべてのメルセデスのプログラムに関わる2万5000人に対して責任がある」

 

 

チームの最近の苦戦は、最も支配的なチームでも逆境の時期に直面し得るという、F1のダイナミックな性質を浮き彫りにした。しかしウォルフは、彼がF1パドックを去るタイミングは、チームが良い周期にいようが悪い周期にいようが、そのことによって決まる可能性は低いと述べている。

 

「私はチームオーナーなので、次の20年という視点でチームを見ている。私はタイトルを懸けて戦いたい。リーダーを交代するのに適切な時期だと感じれば、それが調子のいい時期か悪い時期かは気にしない」

 

「私は他の多くの人たちとともにこの仕事をしていると思う。私にとって、これはコーチやマネージャーやトレーナーになって、『高みを目指して実績を残したい』と言うのとは違うことだ」

 

「これが私の考えで、私はどこにも行かない。我々がさらに、より多くの勝利を飾ることを願っているが、自分に何かの権利があるとは思っていない」