アルピーヌF1、チーム再興のカギは“シミュレーションツールの改善”にアリ「資金は十分にある」 | 北海熊の独り言

アルピーヌF1、チーム再興のカギは“シミュレーションツールの改善”にアリ「資金は十分にある」

アルピーヌF1のテクニカルディレクターであるマット・ハーマンは、2026年に予定されているレギュレーション変更前であっても、ファクトリーのツールを改善することで上位攻略を目指すことができると語った。

 

アルピーヌは2023年シーズンで表彰台を2回獲得したものの、サーキットによっては入賞も難しいほど苦戦してしまうこともあり、最終的には2022年シーズンから2ポジションダウンのコンストラクターズランキング6位に終わった。

 

 しかし現在チームは、新しいインフラ設備に多額の投資を行なっている。2026年に予定されているテクニカルレギュレーション刷新に向けて開発を加速させるのに伴い、新しいシミュレータの稼働を開始する予定となっている。そしてこの追加投資によって、ファクトリーにある他のツールもアップデートされる。

 

チームでテクニカルディレクターを務めるマット・ハーマンは、このアップデートがすぐさま効果を発揮すると考えている。

 

「我々の焦点は、2026年のレギュレーションと、それまでのマシンにある」とハーマンは言う。

 

「(エンストンとヴィリー=シャティヨン)の両拠点では、能力と機能を向上させるための大規模なプログラムを実施している。これはFIAと協力して進められている設備投資均等化のトピックで知っていることだろう」

 

「そのための資金は十分にある。我々はそれら全ての設備を導入し、2026年のレギュレーションに反映させるつもりだ。また、それ以前のマシンにも効果があるはずだ」

 

「我々はシミュレーションツールに重点を置いてきた。より難しい問題に対してより早く的確な答えを導き出すためには、よりシャープになる必要がある。それは私が過去に働いていたチームで経験したことだ。シミュレーションツールは、我々が行なっている能力向上施策のひとつだ」

 

「我々はそれら全てを行なっている。私から見れば、過去3年間の計画に変更はないし、加速している。資金は十分にある。十分な人材も確保できているし、あとは地道に取り組むだけだ」

 

 

またハーマンは、新しいシミュレータがチームにとって大きなステップになると強調した。

「2026年に向けて稼働する予定だ」とハーマンは言う。

 

「素晴らしい能力を有していて、我々はとてもワクワクしている。(シミュレータは)巨大な建屋の中に置かれ、他の興味深い開発にも役立つはずだ」

 

「とても楽しみだね。現時点でも非常に優れたツールがあるけど、解像度と幅がまだ十分ではない。新しいシミュレータでは、ドライバーたちが相関性に自信を持ってくれると思う。2026年に向けて、それがとても重要なのだ」

 

 なおハーマンは、現時点では2023年までアルピーヌが苦しんできた根本的な問題を特定し、十分に対応できている訳ではないと認めた。ただ、チームは進歩できていると彼は信じている。

 

「このプロセスで、我々はかなり良くなってきていると思う」とハーマンは言う。

 

「私が強く望んでいることのひとつは、問題の根本的な原因をより正確に突き詰めることだ。予算制限レギュレーションのもとでは、根本的な原因を完全に突き止めなければ、かなり厄介なことになる」

 

「試行錯誤する余裕はない。シミュレーションを通じて理解を深め、最初から上手くいくようにしなければならない。そして変更を加え、サーキットで評価するのだ」

 

そしてハーマンは、十分に正確ではないデータをもとに動いたことで、チームが間違った方向に進んでしまったことがあったと認めた。

 

「ちょっとした弱点だった」とハーマンは言う。

 

「ツールが十分にシャープではなくて、自分の周りのツールではじき出されたことを信じ始めてしまうことがあるのだ」

 

「繰り返し行なうこと、つまりダブルチェックや自己分析が下手だと、間違った結論に達し、半年間を棒に振る可能性があると思う」

 

「その点で我々は改善していると思う。先程言った通り、能力も向上している」

 

「ファクトリーのツール自体もかなり良くなっているのだ」