ランド・ノリス 、アンドレア・ステラを絶賛「彼以上のF1チーム代表はいない」
マクラーレンのランド・ノリスは、2023年シーズンからチームを率いるようになったアンドレア・ステラについて「彼以上に良いチーム代表はいない」と高く評価した。
ステラ代表は昨年までマクラーレンのエクゼクティブディレクターを務めていたが、前任のチーム代表であるアンドレアス・ザイドルがザウバーへ移籍したことで、2022年12月にチーム代表へ昇格した。
低迷していたマクラーレンを上位へ引き上げたザイドル元代表のF1パドック内での評価は依然として高いが、ステラ代表も2023年を通じてマクラーレンの技術体制を見直し、MCL60をレッドブルに迫るマシンに進化させる積極的なアップデートを投入したことで高い評価を得た。
ステラ代表が社内登用という前例を作ったことで、マクラーレンのスタッフもモチベーションを高めている。彼らはまた、ステラ代表を非常に効果的なコミュニケーションスキルを持つ人物だと評価している。
こうした理由からも、ノリスはマクラーレンを率いるのにステラ代表以上の人物はいないと考えている。
motorsport.comがノリスに対して、パドック内でのステラ代表への高い評価は正しいと思うか? と尋ねると彼は次のように答えた。
「100%同意だよ。先日(アブダビで)インタビューを受けた時、彼にありがとうって言ったんだ……ただ、彼ひとりのおかげじゃなくて、チームの他の多くの人たちにも感謝しなければいけないと思う。沢山の仕事をこなさなきゃいけない人たちがいたからね」
「アンドレアは、まさにその監督だ。彼は舞台のプロデューサーで、他のみんながキャストだけど、みんなが上手く協力する必要がある。それが彼らの仕事だ」
「だから、彼は素晴らしい仕事をしてくれた。今の位置に彼がいてくれて僕はとても満足だ」
「彼は今でも毎週末、レースや予選、その他諸々の面でチームのために多くのことをやってくれている。でも、彼以上のチーム代表はいないよ」
ステラはチーム代表就任後の初の大仕事として、技術体制の刷新を実施。それまでテクニカルディレクターを務めていたジェームス・キーがチームを離れ、空力部門、車両コンセプト・パフォーマンス部門、さらにエンジニアリング・デザイン部門をカバーする”3本柱”システムを採用した。
2024年1月1日からは、そこにフェラーリで車両コンセプト主任を務めたデビッド・サンチェス、レッドブルでチーフエンジニアリングオフィサーを務めロブ・マーシャルがガーデニング休暇を終えて正式加入する。
来季以降はステラ代表のもと、サンチェスが車両コンセプト・パフォーマンス部門、マーシャルがエンジニアリング・デザイン部門、そして残る空力部門をピーター・プロドロモウが率いることとなる。
また2024年シーズンには、マクラーレンのファクトリーに新設された風洞施設を使用した初のマシンが登場する。これまではドイツ・ケルンにあるTOYOTA GAZOO Racing Europeの風洞を利用していたが、風洞パーツの輸送も含めその手間を省くことができる。
新たな人材やインフラ整備などマシンパフォーマンスを向上させるための投資は、これまでマクラーレン一筋を貫いてきたノリスに残留してもらうためのカギとなるだろう。
「とてもワクワクしているよ……」
ノリスはそう語る。
「新たな採用がある。ようやく正しい軌道に乗れたし、攻めるべき方向性も分かっているから、僕はワクワクしているんだ!」