ラルフ・シューマッハ「ハースの姿勢は今のF1では通用しない。F1はオリンピックではない」
元F1ドライバーのラルフ・シューマッハが、アメリカンF1チームであるハースの現在の姿勢はF1に必要な文化とは相容れないものになってきていると主張した。
7度F1王者となったミハエル・シューマッハを兄に持つラルフ・シューマッハは、ハースが昨年ミハエルの息子であり、自分にとっては甥にあたるミック・シューマッハのパフォーマンスが悪いと圧力をかけ始めて以来、現在のF1で最も小規模予算のチームとして知られるハースを露骨に批判してきた。
実際、ハースはそれまで2年間ドライバーを務めてきた24歳のミック・シューマッハとの契約を更新せず、今季は36歳のベテランドライバーであるニコ・ヒュルケンベルグをその後任に据えている。
しかし、2016年にハースがF1参戦を開始して以来ずっとチーム代表を務めてきているギュンター・シュタイナーは、8番グリッドからスタートしたケビン・マグヌッセンが13位でレースを終えたラスベガスGPを振り返りながらドイツの『Speed Week(スピードウィーク)』に次のように語った。
「我々は何も間違えたことはしなかったと思っている」
「どちらのドライバーもマシンから最高の力を引き出すために懸命に戦った。彼らは成功したと思う。そして、いつものライバルたちの何台かよりも前だった」
しかし、ラルフ・シューマッハは、まさしくそのような姿勢こそF1で戦う者にはふさわしくないと言う。
「問題は常に自分が何を望んでいるかということだ。ただF1にいて、お金を稼ぎ、状況を受け入れることを望んでいると言うのか?」
「それは、参加することがすべてだというオリンピックの姿勢に似ているよ」
そう語ったラルフ・シューマッハも、ハースが本当にこの状況に満足しているとは考えていないようだ。
ラルフ・シューマッハは、フェラーリと技術提携契約を結んでいるアメリカの小さなチームの中には「大きな葛藤」があるはずだと示唆し、次のように付け加えている。
「もし彼らが進歩を望んでいるのなら、このやり方ではうまくいかないのは明らかだと思う。今のF1ではそれは通用しないよ」