英F1メディアが角田裕毅を称賛「リカルドに対して立場を逆転しつつある」 | 北海熊の独り言

英F1メディアが角田裕毅を称賛「リカルドに対して立場を逆転しつつある」

今季、多くのレースで安定したドライビングが高評価を得るも、車の性能の問題や不運もあって満足のいく結果を得られないでいたアルファタウリの角田裕毅だが、北中南米の3連戦では、2戦目のメキシコシティ・グランプリこそ大きな失望を残すこととなったものの、あとの2戦では計10ポイントを獲得するなど、大きな飛躍を遂げてみせた。

アメリカGPでは8位入賞(10位フィニッシュで後に順位繰り上げ)に加えて日本人ドライバーでは史上3人目となるファステストラップを記録し、ブラジルGPではスプリントでチームにとっても初となるポイント奪取を成し遂げ、決勝は16番グリッドからのスタートながら、力強いレースで9位入賞を飾った。

 サンパウロでは序盤のコースアウトでさらなる順位アップのチャンスを逸するなど反省すべき点も幾つかあったが、自身のためにも、チームのためにも強く望んでいた結果を出した日本人ドライバーについては、イギリスのモータースポーツ専門メディア『MOTORSPORT WEEK』が賛辞を贈るとともに、彼が姉妹チームであるレッドブルのドライバーとなる資格を十分に備えているとも主張する。

 同メディアは、世間の目の多くが角田ではなく、ニック・デ・フリースに代わって第11戦ハンガリーGPよりアルファタウリのドライバーとなったダニエル・リカルドに向けられており、実際にこのベテラン・オーストラリア人ドライバーが、メキシコシティGPで7位入賞を果たしてチームをチャンピオンシップで8位に引き上げるなどの貢献を果たしたと認めながらも、角田がこの手ごわいチームメイトを上回るパフォーマンスを発揮していると評価している。

 通常、リカルドのような8勝を誇る経験豊かなドライバーの到来は、若手にとってはプレッシャーになりそうなものだが、「23歳の角田は、ここまでのトップレベルにおける過酷な経験を活かし、リカルドに対して立場を逆転しつつある」と同メディアは指摘。「ユウキはあらゆる困難に対しても強さを見せる」として、「メキシコでの大きなミスの後のサンパウロでの立ち直りこそが、彼の精神的な回復力が強化されたことを示す最適な証拠」だと綴った。

 

一方の角田は、レッドブル昇格やリカルドの存在について、「自分が候補者になれるということをみんなに示すために、自分のパフォーマンスを一貫して見せる必要があります。今は結果を出し続けるだけです」「ダニエルは良い仕事をしています。特に以前のチーム(マクラーレン)と比べ、快適にドライブしているように見えます」「それでも、彼に勝てないというような心配していません。彼から学ぶことができるし、彼に勝つこともできるという強い自信を持っています」と以前に語っている。


 「リカルドの到来にも、彼のメキシコでの素晴らしいパフォーマンスにも、少しも動揺を見せておらず、攻撃的なドライビングスタイルを貫いている」(同メディア)と評される23歳の日本人ドライバーには、2026年からホンダが提携するアストンマーティンを新天地に選ぶという憶測も流れているが、彼自身はレッドブル昇格の挑戦に集中することを明言した。

 そして同メディアは、「来季の角田は、リカルドによるはるかに大きな脅威に直面するだろうが、これは彼が自分の名前を列の最前線に押し上げるために乗り越えなければならないものだ。しかし来季、ファエンツァのチームはレッドブルとの技術的な協力が増加する見通しであり、角田は注目すべき結果を手にするためのサポートを得ることが期待できる。そして彼の努力は、ベテランのチームメイトと同じか、それ以上の称賛を受けられるだろう」と、来季に向けてポジティブな展望を示して記事を締めている。