【SF】第3戦鈴鹿土曜フリー走行 : 大湯都史樹がトップタイム。19番手まで1秒以内の大接戦
4月22日、全日本スーパーフォーミュラ選手権の土曜フリー走行が三重県の鈴鹿サーキットで行われ、大湯都史樹(TGM Grand Prix)がトップタイムをマークした。
富士での第1・2戦から2週間、新型車両『SF23』が導入された日本最高峰フォーミュラは、早くも第3戦のレースウイークを迎えた。今回から第7戦までは土曜に予選、日曜に決勝が行われる『1ウイーク・1レース』フォーマットとなり、土曜日の予選前に90分間、日曜の決勝前に30分間のフリー走行が設定されている。
この日の鈴鹿サーキットは、搬入日の夏を思わせる暑さから一転、晴れてはいるものの冷たい強風が吹き付けるコンディションに。風向きはホームストレート上が追い風となっている。
セッションは5分ディレイの11時ちょうどにスタートした。
開始とともに半数強の車両がコースに入っていくが、 5分後、ジェム・ブリュックバシェ(TGM Grand Prix)がハーフスピンからマシンをS字コース脇の芝生部分に止めた。このため、早くも赤旗が提示される。
11時14分にセッションは再開。全車が走行を重ねていくなか、序盤は山本尚貴(TCS NAKAJIMA RACING)、そして阪口晴南、坪井翔のP.MU/CERUMO・INGING勢が上位につける。開幕戦で勝利を分け合ったTEAM MUGENの野尻智紀、リアム・ローソンもインギング勢に続く上位に早い段階でつけた。
セッション中盤には、1分37秒818をマークした国本雄資(Kids com Team KCMG)がいち早く1分37秒台に入れ、タイムシート最上段にジャンプアップを果たしてくる。続いて11時50分過ぎ、松下信治(B-Max Racing Team)も2番手へ。松下はここまで、誰よりも多い16周を周回している。
さらにその数分後、ルーキーの太田格之進(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)が松下に迫るタイムで3番手へと上がってきた。
セッションが残り30分を迎えようとする頃、大湯が1分37秒828と、国本に0.010秒に迫るタイムで2番手へとタイムを縮めてくる。宮田莉朋、ジュリアーノ・アレジのVANTELIN TEAM TOM’S勢もトップ6圏内に進出してきた。
残り20分を切り、いち早くアタックを敢行したか、牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)が1分37秒519というタイムで暫定トップに立つと、残り11分で野尻が1分37秒台に入れ、4番手に浮上する。
【一時暫定トップに立っていた牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)】
時を同じくして、デグナー立ち上がりの立体交差先で、小林可夢偉(Kids com Team KCMG)がストップしてしまう。マシンのノーズをコース左側のガードレールに軽く接触させた状態となり、ここでこのセッション2回目の赤旗が導入された。
ここまでのトップタイムは牧野。以下、国本、大湯、野尻、山本、松下というトップ6のオーダーだ。
可夢偉の車両回収ののち、セッションは12時27分に再開。チェッカー時刻は5分延長され、12時35分となった。
この8分間では、多くの車両が予選シミュレーションランと思われる走行を実施。ただし、暫定トップの牧野はチェッカーを前にガレージにマシンを入れた。なお、ピットに戻された可夢偉の車両も、ノーズを交換し再コースインを果たしている。
まもなくチェッカーというタイミングで阪口が4番手へとタイムを縮める。そしてチェッカーが振られるなか、国本も自己ベストを縮めるが牧野のタイムは上回れない。
ここから各車のタイムアップが続き、ローソンが3番手、関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)は5番手に浮上。
そしてついに牧野のトップタイムが更新される。まずは山下健太(KONDO RACING)が1分37秒379を記録。直後に坪井が1分37秒265と上回り、暫定首位へ。さらにこれをわずかに上回ったのが大湯で、1分37秒212を記録。その後も佐藤蓮(TCS NAKAJIMA RACING)らがタイムを更新するも、トップ3には届かず。大湯のタイムが最速となり、坪井、山下、佐藤、牧野、そして小高一斗(KONDO RACING)と続くトップ6のオーダーで、90分間の走行が終了した。
リザルトでは、首位大湯から19番手の大嶋和也(docomo business ROOKIE)までが1秒以内に入るという接戦模様。午後のノックアウト式予選の激戦を予感させる土曜フリー走行となった。
このあと、決勝レースのグリッドを決する予選は、15時55分にQ1・A組がスタートする予定だ。
【坪井翔(P.MU/CERUMO・INGING)】
【山下健太(KONDO RACING)】
【佐藤蓮(TCS NAKAJIMA RACING)】
【小高一斗(KONDO RACING)】
【2023全日本スーパーフォーミュラ選手権第3戦鈴鹿 土曜フリー走行結果】
Pos. | No. | Driver | Team | Engine | Time |
---|---|---|---|---|---|
1 | 53 | 大湯都史樹 | TGM Grand Prix | HONDA/M-TEC HR-417E | 1’37.212 |
2 | 38 | 坪井翔 | P.MU/CERUMO・INGING | TOYOTA/TRD 01F | 1’37.265 |
3 | 3 | 山下健太 | KONDO RACING | TOYOTA/TRD 01F | 1’37.379 |
4 | 65 | 佐藤蓮 | TCS NAKAJIMA RACING | HONDA/M-TEC HR-417E | 1’37.491 |
5 | 5 | 牧野任祐 | DOCOMO TEAM DANDELION RACING | HONDA/M-TEC HR-417E | 1’37.519 |
6 | 4 | 小高一斗 | KONDO RACING | TOYOTA/TRD 01F | 1’37.524 |
7 | 18 | 国本雄資 | Kids com Team KCMG | TOYOTA/TRD 01F | 1’37.527 |
8 | 7 | 小林可夢偉 | Kids com Team KCMG | TOYOTA/TRD 01F | 1’37.535 |
9 | 64 | 山本尚貴 | TCS NAKAJIMA RACING | HONDA/M-TEC HR-417E | 1’37.543 |
10 | 15 | L.ローソン | TEAM MUGEN | HONDA/M-TEC HR-417E | 1’37.599 |
11 | 37 | 宮田莉朋 | VANTELIN TEAM TOM’S | TOYOTA/TRD 01F | 1’37.681 |
12 | 36 | G.アレジ | VANTELIN TEAM TOM’S | TOYOTA/TRD 01F | 1’37.829 |
13 | 19 | 関口雄飛 | ITOCHU ENEX TEAM IMPUL | TOYOTA/TRD 01F | 1’37.906 |
14 | 39 | 阪口晴南 | P.MU/CERUMO・INGING | TOYOTA/TRD 01F | 1’37.937 |
15 | 1 | 野尻智紀 | TEAM MUGEN | HONDA/M-TEC HR-417E | 1’37.989 |
16 | 50 | 松下信治 | B-Max Racing Team | HONDA/M-TEC HR-417E | 1’38.030 |
17 | 6 | 太田格之進 | DOCOMO TEAM DANDELION RACING | HONDA/M-TEC HR-417E | 1’38.034 |
18 | 20 | 平川亮 | ITOCHU ENEX TEAM IMPUL | TOYOTA/TRD 01F | 1’38.072 |
19 | 14 | 大嶋和也 | docomo business ROOKIE | TOYOTA/TRD 01F | 1’38.130 |
20 | 51 | R.ハイマン | B-Max Racing Team | HONDA/M-TEC HR-417E | 1’38.539 |
21 | 12 | 福住仁嶺 | ThreeBond Racing | HONDA/M-TEC HR-417E | 1’38.775 |
22 | 55 | C.ブリュックバシェ | TGM Grand Prix | HONDA/M-TEC HR-417E | 1’38.837 |