【NASCAR】ジェンソン・バトン、NASCARデビュー戦18位「熱中症でリタイア寸前だった」 | 北海熊の独り言

【NASCAR】ジェンソン・バトン、NASCARデビュー戦18位「熱中症でリタイア寸前だった」

3月26日(日)のCOTA戦でNASCARカップシリーズのデビューを果たしたジェンソン・バトン。決勝ではリック・ウェア・レーシングのフォード『マスタング』Next Genカーを駆り、18位でチェッカーを受けたが、そのレースは簡単にはいかなかったようだ。

 

2009年のF1王者であり、今年のル・マン24時間にガレージ56から改造カップカーを投入するNASCARプロジェクトのドライバーのひとりであるバトンは、今季のカップシリーズ3戦に出場する。

 

 その1戦目となるCOTAでは、まずレースを走りきったことに満足した様子を見せていた。

 

「感情のジェットコースターだったよ」

 

 バトンはレース後にそう振り返った。

 

「最初はひどいものだった。(ステージ1は)最後の方までビリだったんじゃないかな。僕は『みんな飛ばしている。僕も走ってリズムを掴まなきゃ』ってなっていた」

 

「これほどまでにコーナーをワイドに走るのが普通なのは初めての体験だ。自分のマシンを正しい位置に置こうとしても、毎回間違えてしまうんだ。普通、コーナリングで少し遅いマシンがいたら、誰もアウト側から追い抜こうとはしない。次のコーナーで行き場を失うからね」

 

「でもNASCARでは、そうやるんだ。次のコーナーでイン側にマシンを食い込ませて、ターンインしてコーナーを回るんだ」

 

 バトンは予選24番手からレースをスタートしたものの、ステージ1で集団から後れを取った。

 

「最初のスティントは本当にひどかった。自分でも恥ずかしくなるくらいだった」とバトンは明かす。

 

「それで、僕は『よし、みんなピットインしてタイヤを新しくしよう。集団から離れて走ろう』と思ったんだ。ペースは良かったし、一貫性もあった。かなりハッピーだったし、何台か抜けたのは良かったね」

 

「セーフティーカーが僕らのピットウインドウの2周前に出たのはちょっと不運だった。ピットインして、次のスティントは大混乱だった。いくつか変更を加えたけど、上手くいかなかった。オーバーステアが大きくて、マシンのフィーリング自体は最高だったのに、ドライブするのがとても難しくなってしまったんだ」

 

またバトンは、同じくF1世界王者でCOTA戦にスポット参戦していたキミ・ライコネンと接触する場面もあったという。

 

「キミにぶつけられたこともあって、その後はポジションを落としてしまった。マシンがあまり良い状態じゃなかったんだ」

 

「ターンインするたびにリヤタイヤがガタガタいって、すぐにオーバーステアになった。本当に難しかったけど、最後の方はピットインしてフレッシュなタイヤを履くという良い判断ができた。最後の3回のリスタートはいい位置につけてアウトから上手くオーバーテイクできたから楽しめたよ」

 

43歳のバトンは、熱中症という別の問題にも直面した。レース自体も充分に激しいものだったが、”サウナ状態”のストックカーの中で冷静さを保つのに必死だったとバトンは言う。そしてリタイアという選択肢もよぎったと彼は明かす。

 

「熱中症でリタイアしかけながら、18位でフィニッシュした」と彼は続ける。

 

「あまりに暑くて、あまり役に立たない扇風機もシートにはなかった。本当に暑くて、マシンの中で気絶するかと思ったよ」

 

「それでピットストップで1分ぐらい止まった。チームに氷を当ててもらって、水も沢山積んでもらって、コースに戻ったんだ」

 

「気絶しそうで、リタイアする寸前までいったよ。レース中にボトル8~9本くらいの水を飲んだはずだ。チームが僕を落ち着かせてくれたおかげで、最終的に良い結果を得ることができた。だから僕はハッピーだよ」

 

 バトンは7月2日のシカゴ市街地コースでのレースにも出場予定。6月にはNASCARでのル・マン24時間レース参戦も控えている。