ラッセル、旧知の仲デ・フリーズのF1フル参戦決定を祝福「カート時代、彼は”倒すべき相手”だった」 | 北海熊の独り言

ラッセル、旧知の仲デ・フリーズのF1フル参戦決定を祝福「カート時代、彼は”倒すべき相手”だった」

メルセデスのジョージ・ラッセルは、ニック・デ・フリーズがアルファタウリからF1フル参戦を果たす機会を得られたことを喜んでいる。

 

2023年シーズンにアルファタウリからF1フル参戦を果たすことが決定したニック・デ・フリーズについて、ジュニアカテゴリーで競い合ってきたメルセデスのジョージ・ラッセルも祝福している。

 

 ラッセルとデ・フリーズが出会ったのはカート時代。参戦していたカテゴリーこそ違えど、少年時代を共にしてきたが、3歳年上のデ・フリーズが先にステップアップしていった。

 

 しかしF1直下のFIA F2に辿り着いた2018年、ラッセルはランド・ノリス(現マクラーレン)やアレクサンダー・アルボン(現ウイリアムズ)、そしてデ・フリーズを抑えて年間チャンピオンに輝いた。

 

デ・フリーズは翌2019年にF2タイトルを獲得するも、2020年のF1シートに空きはなし。メルセデスからフォーミュラEへ参戦し、2020-2021年シーズンには世界チャンピオンに輝いた。また2018年以降は、世界耐久選手権(WEC)のLMP2クラスにもレーシングチーム・ネザーランドなどから参戦し、チームの”一番槍”として光る走りを見せていた。

 

 フォーミュラEなどに参戦する傍らF1チームのリザーブドライバーも務めてきたデ・フリーズ。2022年シーズンはウイリアムズやメルセデス、アストンマーチンからフリー走行に参加してきた。

 

 その中でデ・フリーズに転機が訪れる。アストンマーチンからFP1に出走したイタリアGPの週末、アルボンが虫垂炎を患ったことで、急遽参戦が決定……ぶっつけ本番の決勝レースで9位入賞を果たした。

 

 この活躍がレッドブル陣営の目に止まり、ピエール・ガスリーの後任としてデ・フリーズにアルファタウリの一席が与えられることとなった。

 

「カート仲間の中で、ニックはF1フル参戦を果たしていない唯一のドライバーで、彼はF1デビューに相応しい存在だった」

 

 ラッセルはデ・フリーズのF1フル参戦についてそう語った。

 

「というのも、僕とアレックス(アルボンの愛称)、マックス(フェルスタッペン/レッドブル)、シャルル(ルクレール/フェラーリ)とニックの5人は、2011年と2012年にお互いレースをしていた時期があった。けど僕が言った通り、ニックは唯一F1に入れなかったから、彼が参戦できることを嬉しく思う」

 

メルセデスで共に仕事をしていた際、彼を高く評価していたかと訊かれたラッセルは次のように続ける。

 

「ニックのことは常に高く評価している。カート時代、彼は倒すべき男だった。僕自身は彼とカートでレースをする機会はなかったけど、僕らの中でカートで最も成功したのは彼だっただろう」

 

「僕が彼を評価しなかったことはない。F1にたどり着くためには、チャンスが訪れた時にコース上で良い仕事をする必要があると思うし、時にはそういう運が向かないこともある」

 

「でもモンツァでは多くの運が彼に向いて、数年前の不運が帳消しになったんだ」

 

 またラッセルは、フォーミュラEやWECなど他カテゴリーで多くの経験を積んできたデ・フリーズがどのようなパフォーマンスをF1で見せるのか、興味があると語っている。

 

「彼がどのような走りをするのか、興味があるのは間違いない」

 

 そうラッセルは続ける。

 

「彼が良いパフォーマンスを発揮することは間違いない。彼は偉大なF1ドライバーになるための全ての要素を兼ね備えている。きっと良い結果を残してくれるだろうね」

 

 なおF2で共にレースを戦ったノリスも、デ・フリーズに正しいチャンスが巡ってきたと考えている。

 

「明らかに、彼はとても良いドライバーだ」とノリスは言う。

 

「彼は初期のカート時代からそれを証明してきたと思う。カートではほとんど完全制覇してきたし、フォーミュラEのチャンピオンにもなった。いろんなことをやってきた。だから彼はトップドライバーなんだ」

 

「知っての通り、モンツァではいい仕事をしたし、彼はF1に相応しい。彼は自分の価値を証明したし、僕らは彼が来年、どんな走りをしてくれるのかを見ることになる」