【F2】FIA F2第13戦モンツァR2 : ダルバラ今季初優勝。岩佐は車検不合格で表彰台を失う | 北海熊の独り言

【F2】FIA F2第13戦モンツァR2 : ダルバラ今季初優勝。岩佐は車検不合格で表彰台を失う

9月11日、2022年FIA F2第13戦モンツァのフィーチャーレース(決勝レース2)がイタリアのモンツァ・サーキットで開催され、ユアン・ダルバラ(プレマ・レーシング)が今季初優勝を飾った。

 

 ホンダ&レッドブル育成の岩佐歩夢(ダムス)は3位表彰台を獲得し、ドライバーズランキング4位に浮上。佐藤万璃音(ビルトゥジ・レーシング)は12位。入賞には届かなかったが印象的な走りを見せた。

 

※レース後の車検で岩佐の17号車に技術規則違反が見つかり、岩佐に決勝レース2失格の判定が下った。

 

第13戦の決勝レース2のグリッドは、9日に行われた予選順位で決定され、最速タイムを記録したアルピーヌ育成のジャック・ドゥーハン(ビルトゥジ・レーシング)がポールシッターとなった。フロントロウ2番グリッドにはリアム・ローソン(カーリン)が並んだ。

 

 セカンドロウ3番グリッドにマーカス・アームストロング(ハイテックGP)、そして4番グリッドに決勝レース1でタイトル獲得を決めたフェリペ・ドルゴヴィッチ(MPモータースポーツ)、3列目5番グリッドにリチャード・フェルシュフォー(トライデント)、そして6番グリッドにダルバラが続いた。

 

 日本勢の岩佐は4列目7番グリッドから、佐藤は14番手からスタートとなった。なお、決勝レース1で接触し、リタイアに終わったタチアナ・カルデロン(チャロウズ・レーシング・システム)は、医師のアドバイスに従い、決勝レース2出走を取り止めている。

 

 直前に行われたFIA F3の決勝レース2が赤旗中断に終わった影響もあり、FIA F2のスタート進行は約15分ディレイに。気温22度、路面温度28度というドライコンディションのもと、30周のうち1回のタイヤ交換が義務付けられる決勝レース2はスタートを迎えた。

 

 ポールシッターのドゥーハンがスタートで大きく出遅れ、ローソンがホールショットを奪う。2番手にドルゴヴィッチ、3番手にアームストロングが浮上するなか、第1シケイン立ち上がりでオリ・コルドウェル(カンポス・レーシング)、ラルフ・ボシュング(カンポス・レーシング)、ルカ・ギオット(ダムス)、そしてランキング2位につけるテオ・プルシェール(ARTグランプリ)の4台が絡むアクシデントが発生し、4台がリタイアとなる。

 

 さらに、第2シケイン進入でランキング4位のドゥーハンが減速しきれずダルバラと接触。その弾みでアウト側のランキング3位のローガン・サージェント(カーリン)を巻き込み、2台ともレースを終えることに。シリーズランキング上位3台を含む6台がリタイアとなったアクシデントにより、セーフティカー(SC)が導入される。

 

 6台の車両の回収が終了後、レースは6周目に再開された。6周目の第1シケインでアームストロングがミディアムタイヤスタートのドルゴヴィッチを攻略して2番手に浮上。一方、5番手でリスタートを迎えた岩佐は蹴り出しが悪く、ユーリ・ビップス(ハイテックGP)、ダルバラにかわされ7番手に後退。

 

 そんななか、8周目のアスカリシケインで、カラン・ウィリアムズ(トライデント)とデビット・ベックマン(ファン・アメルスフォールト・レーシング)が接触。その弾みでウィリアムズはタイヤバリアにクラッシュ。

 

 これで2度目のSC導入となるなか、ソフトタイヤスタート勢の2番手アームストロング、ダルバラ、岩佐らがピットイン。翌9周目にはローソン、ビップス、そしてミディアムスタートのドルゴヴィッチがピットインするも、ポジションを下げることに。

 

 アスカリシケインのタイヤバリア修復のため、9周目に赤旗が掲示されレースは一時中断となった。赤旗導入時点でのトップ5は、ミディアムタイヤスタートでステイを選択したフェルシュフォーと佐藤がトップ2。

 

 3番手にダルバラ、4番手に岩佐、5番手にアームストロングとタイヤ交換義務消化済が続くオーダーに。しかし、アームストロングはピットイン時に白線を超えてピットロードに進入したことで10秒のタイムペナルティに加え、ピットロード速度超過による10秒のストップ・アンド・ゴーペナルティが課せられ後退する。

 

 約15分の赤旗中断を経てレースは11周目よりローリングスタートで再開を迎えた。

4番手の岩佐はブレーキングに悩まされ、第2シケインでアームストロングにかわされる。アームストロングがペナルティ消化のため、ピットロードに進むなか、続く12周目の第1シケインでフレデリック・ベスティ(ARTグランプリ)にかわされ、岩佐は5番手に後退。決勝レース1に引き続き苦戦が続く。

 

【岩佐歩夢(ダムス)】

 

一方、佐藤は13周目にこの時点でのファステストを更新し、フェルシュフォーの0.5秒後方、DRS圏内で周回を重ねる。14周目にはフェルシュフォーがファステストを更新するも、佐藤はDRS圏内をキープしてレースは折り返しの15周目に突入した。

 

 そんななか、ローソンとビップスが第2シケインで接触。フロントウイングを損傷したローソンにオレンジボールが掲示され、ランキング5位のローソンはノーポイントとなる最後尾14番手に後退。また、ビップスに対しても10秒ストップ・アンド・ゴーペナルティが課されることに。

 

 赤旗中にソフトタイヤに履き替えた佐藤だったが、ソフトタイヤの限界が近づくにつれて、17周目には3番手ダルバラが接近。18周目の第1シケインでかわされ佐藤は3番手に後退。しかし、第2シケインで再びダルバラの仕掛けるが、順位を取り戻すまでには至らず。さらに、19周目の第1シケインでベスティにかわされてしまう。

 

 佐藤は21周目にピットインし、ミディアムタイヤに交換し12番手でコース復帰。これでタイヤ交換義務を消化していないのはフェルシュフォーのみとなった。フェルシュフォーは2番手ダルバラと遜色ないペースで周回を重ねるも、24周目終わりにピットインし、10番手でコース復帰。これでダルバラが首位に浮上した。

 

 そして岩佐は3番手に浮上。約1秒後方にエンツォ・フィッティパルディ(チャロウズ・レーシング・システム)を従えて、不調の車両で粘りの走りを続けた。

 

 そんななか、26周目の第1シケインで佐藤がアームストロングをオーバーテイクし、11番手に浮上。佐藤はさらに3秒先のフェルシュフォーを狙うが、27周目のレズモでコースオフ。再びアームストロングに先行を許してしまい12位にポジションを戻してしまう。

 

 30周目、6番グリッドスタートのダルバラが大荒れの一戦を制し、今季初優勝を飾った。2位にベスティが続いた。

 

※岩佐は暫定3位でチェッカーを受けたが、岩佐の17号車に技術規則違反が見つかり、岩佐に決勝レース2失格の判定が下ったため、4位でチェッカーを受けたフィッティパルディが繰り上がりで3位となった。

 

2022年シーズンのFIA F2もいよいよ次戦が最終戦となる。第14戦ヤス・マリーナは、11月18〜20日にアブダビのヤス・マリーナ・サーキットで開催される。

 

【2022年FIA F2第13戦モンツァ レース2暫定表彰式 左からフレデリック・ベスティ(ARTグランプリ)、ユアン・ダルバラ(プレマ・レーシング)、岩佐歩夢(ダムス)】

【佐藤万璃音(ビルトゥジ・レーシング)】

 

FIA F2第13戦モンツァ フィーチャーレース(決勝レース2)暫定結果

Pos. No. Driver Team Time/Gap
1 2 J.ダルバラ プレマ・レーシング 30Laps
2 9 F.ベスティ ARTグランプリ 1.970
3 22 E.フィッティパルディ チャロウズ・レーシング・システム 6.491
4 1 D.ハウガー プレマ・レーシング 7.249
5 24 D.ベックマン ファン・アメルスフォールト・レーシング 7.801
6 11 F.ドルゴヴィッチ MPモータースポーツ 10.502
7 25 A.コルデール ファン・アメルスフォールト・レーシング 12.738
8 12 C.ノバラック MPモータースポーツ 27.950
9 20 R.フェルシュフォー トライデント 35.184
10 7 M.アームストロング ハイテックGP 45.692
11 8 J.ビップス ハイテックGP 47.522
12 4 佐藤万璃音 ビルトゥジ・レーシング 54.718
13 5 L.ローソン カーリン 91.534
21 C.ウィリアムズ トライデント 24Laps
3 J.ドゥーハン ビルトゥジ・レーシング 29Laps
6 L.サージェント カーリン DNF
10 T.プルシェール ARTグランプリ DNF
16 L.ギオット ダムス DNF
15 R.ボシュング カンポス・レーシング DNF
14 O.コルドウェル カンポス・レーシング DNF
23 T.カルデロン チャロウズ・レーシング・システム DNS
17 岩佐歩夢 ダムス 失格