【SUPER GT】タイムロスを悔やむ16号車NSXの笹原「ウォームアップが思ったより早かった」 | 北海熊の独り言

【SUPER GT】タイムロスを悔やむ16号車NSXの笹原「ウォームアップが思ったより早かった」

スーパーGT第5戦鈴鹿で予選3番手となった16号車Red Bull MOTUL MUGEN NSX-GTの笹原右京は、タイヤのウォームアップが予想以上に早かったことがタイムロスに繋がったと語った。

 

鈴鹿サーキットで行なわれたスーパーGT第5戦の予選で、16号車Red Bull MOTUL MUGEN NSX-GTは3番手となった。16号車にとっては今季最高グリッドだが、Q2を担当した笹原右京は悔しさをにじませていた。

 

 同じく鈴鹿で行なわれた第3戦では、予選4番手からスタートするもタイヤトラブルに見舞われ、最後はGT300車両に追突してリタイアに終わるなど悔しいレースに終わった16号車。今回はその悔しさを払拭すべく、練習走行からトップタイムをマークし、予選Q1でも大湯都史樹がトップ通過で笹原にバトンを渡した。

 

 迎えた予選Q2でアタックを開始した笹原は、セクター1とセクター2で前を走る17号車Astemo NSX-GTを大きく上回るタイムを刻んでいたが、セクター3のヘアピン立ち上がりでテールスライドし、アウト側のダートにタイヤを落としてしまった。結果的に16号車のタイムは1分45秒442。23号車MOTUL AUTECH Z(1分45秒169)、17号車(1分45秒349)に次ぐ3番手に終わった。

 

 セクター3でのロスが響いたこの予選アタックについて笹原に聞くと、彼は次のように説明した。

 

「ウォームアップが思ったよりも早かったです」

 

「(ウォームアップの)調整をしながらアタックに向かいましたが、1周を通してアタックを続けられるのかという不安がありました」

 

「セクター1、2は調子が良かったですが、そこでタイヤのピークを使い切ってしまって、リヤタイヤが持たなかった印象です。デグナーを出たあたりで『まずいな』と思いました。自分でもコントロールしようとしていましたが、そこがうまくいきませんでした」

 

 確かに他の関係者からも、Q1からQ2にかけての路面コンディションの変化が非常に大きかったという話が聞こえてくる。予選前にFIA F4のレースが行なわれたこともあってか、Q1はスーパーGT車両にとってスリッピーなコンディションだったものの、Q2になって一気にラバーグリップが向上。このことから、想定以上に早くタイヤが温まってしまったようだ。

 

「感覚としては、(アタックは)もう1周前でも良かったかもしれません。ただそれは結果論ですし、仕方ないですね」と語る笹原。ただアタックのタイミングを1周早めるとなると、今度はセクター1からしっかりとタイヤのパフォーマンスを発揮できるように準備をするのが難しいことは笹原も承知している。今回の16号車のケースは、タイヤの“美味しいところ”をうまく使うことがいかに難しいかを示したケースとも言える。

 

 今季は10位入賞が1回のみにとどまっている16号車。決勝の展望について笹原は次のように語った。

 

「まだまだ課題が多いですし、明日のレースの後に明るくコメントできる自信はまだありませんが、間違いなく前回の鈴鹿よりも良い手応えは感じられています」

 

「周り(のタイヤ)がどのくらい持つのか次第ですが、僕たちとしては最善を尽くしたいですね。鈴鹿はタイヤへの負荷、デグラデーションも大きいし、その上今回はレース距離も450kmあるので、その中でどのように戦うのかは簡単ではありませんが、予選で見えたヒントもあると思うのでそれをレースに活かしたいです」