【FE】第12戦ニューヨークシティePrix : ダ・コスタ、バッテリー残量0.0%で今季初優勝 | 北海熊の独り言

【FE】第12戦ニューヨークシティePrix : ダ・コスタ、バッテリー残量0.0%で今季初優勝

フォーミュラE第12戦ニューヨークシティePrixの決勝は、アントニオ・フェリックス・ダ・コスタ(DSテチータ)が今季初勝利を挙げた。

 

 ダブルヘッダーの2戦目となる第12戦。ポールポジションはダ・コスタだ。2番手にはアレクサンダー・シムス(マヒンドラ)が並んだ。

 

 本来、予選最速はニューヨークで絶好調のニック・キャシディ(エンヴィジョン・レーシング)だったが、前日の第11戦でクラッシュした影響でバッテリーパックと冷却装置を交換したことで、最後尾からのスタートとなった上、決勝でのピットスルーペナルティも科されてしまった。

 

 なお今回、一時的に30kWパワーアップできるアタックモードは8分間1回の使用義務。4回✕2回だった第11戦とは違った戦略が求められる。アタックモード起動ゾーンはヘアピンのターン10アウト側で変わっていない。

 

 45分プラス1周のレースがスタートすると、3番グリッドのアンドレ・ロッテラー(ポルシェ)がジャンプスタートを犯した。ロッテラーは一旦停止した影響で、大きくポジションダウン。代わって3番手にはストフェル・バンドーン(メルセデス)が浮上した。さらに、ニック・デ・フリーズも4番手に浮上し、メルセデス勢が並んだ。

 

 ロッテラーは9番手で踏みとどまったものの、彼の前は2.5秒ほどギャップができ、トップ8台がひとつの集団を形成。数珠つなぎで周回を重ねていった。

 

 レース開始から10分が経ち、徐々にアタックモードを使うマシンが出始め、トップ集団もレース残り時間30分前後で多くのマシンがアタックモードへ。ただ、3番手のバンドーンはアタックモード起動のタイミングをズラし、ダ・コスタやシムスより1周遅くアタックモードに入った。

 

 6番手のミッチ・エバンス(ジャガー)や、7番手のロビン・フラインス(エンヴィジョン)も、周囲のマシンより遅くアタックモードに入る作戦でポジションアップを狙った。

 

 エバンスは同じくアタックモード中のマシンをもオーバーテイクし、4番手までポジションアップ。バンドーンはアタックモード中にシムスを攻略することはできなかったものの、その後シムスのインに飛び込み2番手に浮上することに成功した。

 

 続いてエバンスもシムス攻略に乗り出したものの、一瞬の隙をつかれて逆にデ・フリーズにオーバーテイクを許すと、抜き返そうとしたタイミングでクルマを寄せられ、ターン1でオーバーシュートしてしまった。

 

 その後、上位陣は僅差の鍔迫り合いを続けたが、デ・フリーズはシムス攻略を狙ったブレーキングでマンホールの上を通り、コントロールが乱れ壁に接触。7番手まで後退した。

 

 残り時間わずかとなったところで、ジャン-エリック・ベルニュ(DSテチータ)とルーカス・ディ・グラッシ(ベンチュリ)、オリバー・アスキュー(アンドレッティ)が絡むクラッシュがあったものの、それ以外に大きなクラッシュは起きず、セーフティカーなどが出ぬまま残り時間はゼロに。

 

 ダ・コスタは何とかバッテリーをマネジメントしながらファイナルラップに突入すると、バッテリー残量0.0%のギリギリでトップチェッカーを受けた。これが、チームにとっても今季初優勝となった。

 

 2位はバンドーン。シムスを抜いた後はダ・コスタにプレッシャーをかけ続けたが、突破口は開けなかった。ただ、この結果でポイントリーダーに浮上した。

 

 3位に入ったのはエバンス。デ・フリーズのブロックで態勢を崩しながらも何とか立て直し、残り時間わずかのところでシムスを攻略。表彰台最後の一席を確保した。

 

 ポイントリーダーだったエドアルド・モルタラ(ベンチュリ)は、トラブルで予選を走れず21番手スタートだったものの、他車が使い終わったタイミングでアタックモードを使い、10位まで挽回。なんとかポイントを獲得している。

 

 他にも、サム・バード(ジャガー)が16番手から5位フィニッシュと、大きく順位を上げている。

 

2021/2022年フォーミュラE第12戦ニューヨークE-Prix

Pos. No. Driver Team Laps QF
1 13 A.F.ダ・コスタ DSテチーター 39 1
2 5 S.バンドーン メルセデスEQフォーミュラEチーム 39 5
3 9 M.エバンス ジャガーTCSレーシング 39 6
4 29 A.シムズ マヒンドラ・レーシング 39 2
5 10 S.バード ジャガーTCSレーシング 39 16
6 4 R.フラインス エンビジョン・レーシング 39 10
7 17 N.デ・フリース メルセデスEQフォーミュラEチーム 39 7
8 27 J.デニス アバランチ・アンドレッティ・フォーミュラE 39 9
9 36 A.ロッテラー タグ・ホイヤー・ポルシェ・フォーミュラEチーム 39 3
10 48 E.モルタラ ロキット・ベンチュリ・レーシング 39 21
11 94 P.ウェーレイン タグ・ホイヤー・ポルシェ・フォーミュラEチーム 39 20
12 33 D.ティクトゥム NIO 333フォーミュラEチーム 39 17
13 23 S.ブエミ ニッサンe.ダムス 39 13
14 30 O.ローランド マヒンドラ・レーシング 39 14
15 37 N.キャシディ エンビジョン・レーシング 39 22
16 3 O.ターベイ NIO 333フォーミュラEチーム 39 19
17 7 S.セッテ・カマラ ドラゴン/ペンスキー・オートスポーツ 39 4
NC 25 J-E.ベルニュ DSテチーター 36 12
NC 11 L.ディ・グラッシ ロキット・ベンチュリ・レーシング 36 18
NC 28 O.アスキュー アバランチ・アンドレッティ・フォーミュラE 36 8
NC 99 A.ジョビナッツィ ドラゴン/ペンスキー・オートスポーツ 27 11
DSQ 22 M.ギュンター ニッサンe.ダムス 39 15