【WRC】2022WRC第2戦スウェーデン事前コメント | 北海熊の独り言

【WRC】2022WRC第2戦スウェーデン事前コメント

WRC世界ラリー選手権唯一のスノーラリーである『ラリー・スウェーデン』が2月24~27日、新型コロナウイルスの感染拡大による開催中止を経て2020年以来、2年ぶりに開催される。同イベントに先立ち、ラリー1規定車で最高峰クラスを戦うMスポーツ・フォード、ヒュンダイ、トヨタの各陣営から今戦に臨むドライバーたちのコメントが発表されている。

 

 プラグイン・ハイブリッドシステムの搭載を義務づけた新しい車両規定、“ラリー1“レギュレーションの導入後初めて実施された今季開幕戦モンテカルロの終了から約1カ月、WRCは第2戦スウェーデンを迎える。

 

 2年ぶりの開催となるラリー・スウェーデンは今季、開催地が南部のトルシュビーから北部最大の都市であるウメオに移っている。同国のイベントでは近年しばしば雪不足の問題が発生しており、前回大会の2020年も土の路面が露出したステージが多く見られた。今回の開催地変更はこのコンディション問題を解決するためのものだ。

 

 雪と氷に覆われたステージを走行するため、金属製のスタッド(=スパイク)が埋め込まれた特殊な雪道専用タイヤが用いられる今戦は、24日(木)のシェイクダウンで走行開始となり翌日から競技がスタートする。25日(金)はサービスパークが置かれるウメオの北側で3本のステージを2回ずつ走行するスケジュールで、1日の最後にはウメオで全長5.24kmのショートステージが予定されている。

 

 2日目はサービスパークの西側に設定された2本のステージを各2回、ウメオに戻って別の1ステージを2回走行。最終日の27日(日)はウメオの北西エリアで2本のステージを2回ずつ走る。SSの数は全部で17本、最終SS17はステージ上位のタイムを記録した選手とマニュファクチャラーにボーナスポイントが与えられる“パワーステージ”だ。

 

 

Mスポーツ・フォードWRT

クレイグ・ブリーン(#42 フォード・プーマ・ラリー1)

「ウメオでの新たなラリーを体験することに本当に興奮している。トルシュビーでのラリーは何度も経験しているが、今回は完全に新しいラリーになる。素晴らしいコンディションを楽しみにしているよ。ハイブリッドを搭載した新車のプーマでは初めてとなるルーズな路面でのラリーだから、よい結果が出ることを願っている」

 

「競技初日のステージでの出走順が早いことは明らかだから、新たな発見になるだろう。出走順が2番目というのはベストコンディションではないけれど、正直なところ僕はその挑戦を楽しみにしている。それはチャンピオンシップで良いポジションにいることを意味するのだから、最終的には良いことだと思う」

 

「良いイベントになることを期待している。モンテカルロでそうしたように走行中にさらに自信を高めていき、また強力な結果を出せるようにしたい。もっとも重要なことは、(第3戦)クロアチアに向けてチャンピオンシップ上位のポジションを保つことだ。どんな展開になるか見てみよう」

ガス・グリーンスミス(#44 フォード・プーマ・ラリー1)

「ラリー・スウェーデンを楽しみにしているよ。とくに開催地がウメオになったからね。見たかぎりでは、すごく高速でこれまで見た中でも最速ステージのひとつだ。だからすごくエキサイティングだよ」

 

「全体的にコンディションは素晴らしいので、大きなスノーバンク(雪の壁)を利用するのを楽しみにしている。昨年ルーズな路面で行われたプーマのテストを経験したが、マシンバランスやあらゆるフィーリングは素晴らしかった。だから今回すごく興奮しているんだ」

アドリアン・フルモー(#16 フォード・プーマ・ラリー1)

「2年ぶりにスウェーデンに来ることができ、とてもうれしいよ。この有名なラリーのコンディションは素晴らしいみたいだしね。100パーセント雪だけのイベントの雰囲気はすごく特別な感じだ」

 

「いつも楽しみにしているし、雪のなかの走行を楽しみたい。もちろん良い結果を出したいが、まずは楽しんでこの路面での経験を積みたいと思っている。WRCマシンで雪道を走るのは今回が初めてなんだ。だから大きな一歩ということになるけれど、本当に楽しみにしている」

 

【ラリー・スウェーデンに向けて事前テストを行うフォード・プーマ・ラリー1。サイドミラーが縦型になっているのが確認できる】

 

ヒュンダイ・シェル・モビスWRT

 

ティエリー・ヌービル(#11 ヒュンダイi20 Nラリー1)

 

「開催地がまったく新しくなったから、ラリー・スウェーデンで何が僕たちを待ち受けているか知るのはとても難しいが、面白くなることは間違いないだろう。ヒュンダイi20 Nラリー1では、フルスノーラリーのコンディションの経験はそれほどない。けれども、僕たちのドライビングスタイルは以前のマシンでラリー・スウェーデンを戦ったときとかなり似たものになるだろう」

 

「スタッドタイヤを履いて雪道を走るラリーは、ショーとしてはいっそう目を引くようになるものだよ。通常、ステージはかなり高速だ。スノーバンクを利用して少し横方向に走行しなければならない。地面にスタッドがグリップするように少々荒っぽく進まなければならないね」

 

「この数カ月というもの、誰もが懸命に仕事に取り組んできた。この週末にはそれに大きく報いることができるよう期待している」

オット・タナク(#8 ヒュンダイi20 Nラリー1)

「ラリー・スウェーデンは以前の会場からさらに北に場所が移ったから、まったく新しいイベントになるだろう。何が期待できるかわからないけれど、僕は雪のコンディションでの戦いをいつも楽しんできた。スウェーデンは僕たちがヒュンダイ・モータースポーツで初めて表彰台を獲得した場所だから、この週末にはその結果から多くのことを活かせるだろう」

 

「僕たちには、厳しい結果となったシーズン初ラウンドから立ち直って戦おうという内なる原動力がある。それを前向きな勢いに変えてこれからの1年につなげていきたい」

 

「昨シーズンのアークティック・ラリー・フィンランドでは優勝することができたから、この路面ではスピードを出して競争力を発揮できることは分かっている。目標は始めから全力で臨み、ヒュンダイi20 Nラリー1で良いリズムをつかむことだ」

オリバー・ソルベルグ(#2 ヒュンダイi20 Nラリー1)

「ファクトリードライバーとして、初めて母国のイベントに出場することは、なによりもとても感動的なことになるだろう。これは僕が人生をかけて夢見てきたことなんだ」

 

「新しい場所は重要なステップになると思う。自分の故郷から離れてしまうのは残念だけれど、ラリーが素晴らしいコンディションを確保するのに必要なことだからね。雪と氷のステージは僕が好きな路面だから、本当に特別なラリーになる」

 

「かなりアグレッシブなドライビングスタイルをとらなければならないし、リヤをプッシュしつつ、マシンのフロントはラインをキープしなければならない。誰にとっても初めての会場だから、準備の点では公平だ。おかげで強力な週末にするチャンスができたよ」

 

「ラリー・スウェーデンはあらゆることが入り混じっている。高速で曲がりくねったステージに、冬のコンディション、たくさんの雪だまり。それにトナカイもいるかもね」

 

【ティエリー・ヌービル(ヒュンダイi20 Nラリー1)】

 

TOYOTA GAZOO Racing WRT

 

エルフィン・エバンス(#33 トヨタGRヤリス・ラリー1)

 

「今年最初のラリーでは自分が望んでいたようなスタートを切ることができなかったが、それによってスウェーデンでより良い出走順で走れることができるのは、小さな恩恵と言えるかもしれない。その利点を活かし、いつもどおりベストを尽くし、できる限り良い結果を出したいと思っている」

 

「今回はすべてが新しいので、氷雪路のテストではいろいろなことを試し、全体的には良いフィーリングを得ることができた。とはいえ、路面のコンディション次第で、クルマのトラクション等は大きく変わるため、このような路面でどれくらいの速さがあるのかを正確に述べるのは簡単ではない」

 

「主催者から提供されたステージの映像を見た限り、非常に高速なところもあるが、道幅が非常に狭くテクニカルなセクションもあるようだ」

カッレ・ロバンペラ(#69 トヨタGRヤリス・ラリー1)

「モンテカルロは、全体的にはとても満足のいく週末になった。スタート直後はかなり困難な状況だったけど、クルマのフィーリングを改善するために、チームと一緒になって多くの作業を行ったんだ」

 

「スウェーデンでは一番手で初日のステージをスタートすることになり、路面の雪かき役を担当することになる。しかし、できるだけ多くのポイントを獲得できるようにベストを尽くすし、最終的に良いラリーとなることを願っている」

 

「テストでは、新しいクルマのスノーセッティングをゼロからスタートしたので、最初のうちは運転が少し難しく感じた。けれど2回のテストを経て、チームメイトとともに正しい方向に進むことができたと思う」

エサペッカ・ラッピ(#4 トヨタGRヤリス・ラリー1)

「この瞬間を迎えることに、とても興奮している。もう一度最高峰のクラスで戦うことを、長い間待ち望んでいたんだ。ここ数週間、テストを通してチームとふたたび一緒に仕事をしてきたが、それがとても自然なことであるように感じられた」

 

「GRヤリス・ラリー1のフィーリングは最初からとても良かったですが、ステップバイステップでさらに良くなってきている。昨年、ラリー22カーでいくつかのイベントに出場した経験が、ラリー1をどう走らせるのがベストなのかを理解する上で役に立っていると思う」

 

「ラリー・スウェーデンは、これまで常に楽しんで戦うことができていたイベントだし競争力も発揮できていた。最後にラリーに出場してから5カ月も経っていることを忘れるべきではないけれど、いいペースで走ることができると信じているし、最低でも表彰台争いに加わることが目標だ。簡単ではないとは思うけど、可能性はあるはずだ」

 

【エルフィン・エバンス(トヨタGRヤリス・ラリー1)】