【DTM】ジェンソン・バトンのGTチーム、DTMのエントリーを取り下げ。コロナと参戦コストが影響 | 北海熊の独り言

【DTM】ジェンソン・バトンのGTチーム、DTMのエントリーを取り下げ。コロナと参戦コストが影響

2009年のF1王者であるジェンソン・バトンがパートナーを務めるジェンソン・チーム・ロケットRJNは、予定していたドイツツーリングカー選手権(DTM)へのエントリーを取りやめ、2021年はGTワールド・チャレンジ・ヨーロッパとブリティッシュGTに注力することを発表した。

 

このチームは、バトンの長年の友人であるクリス・バンコムが、ボブ・ネビル率いるRJNと連携し、ブランパンGTシリーズ・エンデュランス・カップに参戦するために昨年立ち上げられたチームだ。昨年12月、使用するマシンをホンダNSX GT3からマクラーレン720S GT3にスイッチ。合わせてDTMへの参戦も発表していた。

 

 チームオーナーのバンコムはmotorsport.comの取材に対し、DTMへの参戦を取りやめることを決定したものの、それはあくまで今季の話であり、2022年にはDTMに参戦できることを期待していると明かした。

 

「ただ今年の計画を変更しただけだ」

 

 そうバンコムは説明した。

 

「我々はチャンピオンシップの全体像は気に入っている。来年に向けては何かをしたいと思っている」

 

「勢いがあるように見えるし、そういうチャンピオンシップは我々にとって興味深い。完全に手を引いたわけではないが、我々の焦点はGTワールドチャレンジにある」

 

「我々は、将来的に(DTMに)参加できることを願っている。我々はチームとして成長している。2022年にはグリッドにいることを願っている」

 

 motorsport.comの調べによると、チームは新型コロナウイルスのパンデミックの中でDTMに参戦するための予算を確保することが出来なかったようだ。今季のDTMはスーパーGTとの共通技術規則である”Class1”規定の車両を使用することを撤廃し、GT3マシンによるチャンピオンシップとなったが、それでも1台のマシンをDTMで走らせるコストは約100万ユーロ(約1億3000万円)かかると言われている。

 

 チームはイギリスのオックスフォードに拠点を置いており、チーム運営を支援するために第2の拠点をドイツに作ることも計画していたが、現状ではこの事業も予定通り進めることができていないという。

 

「我々のような英国チームにとって、現在ロジスティクス面も困難だ」と、バンコムは話した。

 

「また新型コロナウイルスとブレグジットの問題もあり、我々はヨーロッパ大陸にも拠点を置くことを考えている」

 

「イギリスからDTMに参戦するのはナンセンスだろう。英仏の海峡を越えて人や機材を送るのは、悲しいことに以前ほど簡単ではない。だからヨーロッパ大陸に進出するという選択肢を検討していた」

 

「我々(イギリス)がまだEUの一員であれば良かったのだが……率直に言って、様々な要因があって数ヵ月前に我々が意図した通りに計画を完遂することは出来なかった」

 

 ジェンソン・チーム・ロケットRJNのエントリー取り下げにより、DTMでマクラーレンのマシンを走らせるのは、クリスチャン・クリエンを起用し3レースに参戦するJP Motorsportだけになった。当初は2 Seas Motorsportも2台のマクラーレン720S GT3を走らせる予定だったが、マシンを売却しメルセデスAMG GT3にスイッチしている。