【LMDh】アウディ、LMDhでスポーツカー復帰へ「カーボンニュートラルと顧客の願いも念頭に」 | 北海熊の独り言

【LMDh】アウディ、LMDhでスポーツカー復帰へ「カーボンニュートラルと顧客の願いも念頭に」

アウディは2020/21シーズン限りでABB FIAフォーミュラE世界選手権から撤退したあと、LMDhプラットフォームを用いてトップレベルのスポーツカーレースに復帰するため「集中的な準備」を行なっている、と明らかにした。

 

 アウディは11月30日、LMDh及びダカール・ラリーへのファクトリー参戦のため、7シーズン続いたフォーミュラEへの参戦を終了すると発表している。

 

 この日、ディーター・ガスからモータースポーツ責任者の職を引き継ぐことが発表されたユリウス・シーバッハは、持続可能な技術を追求するという幅広い目標の中で、スポーツカーレースは同社の将来のレース活動の重要な側面であり続ける、と説明した。

 

 IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権のトップカテゴリーで現在採用されているDPiの後継規則となるLMDhでは、総出力500kWの共通ハイブリッドシステムを搭載することとなっている。

 

 IMSAとACO(フランス西部自動車クラブ)が共同で生み出したこの規則では、IMSAとWEC世界耐久選手権ハイパーカー・クラスというふたつのカテゴリーに出場することができる。

 

「我々は国際的なモータースポーツシーンにおいて、(ダカールラリーの)他にも活動可能な分野を評価している」とシーバッハはコメントしている。

 

「“電動化とカーボン・ニュートラルなモビリティ”に明確にフォーカスするという我々の会社の戦略と同じ程度に、顧客の願いもまた念頭に置いているからだ」

 

「これが、我々がデイトナ24時間レースとル・マン24時間レースをハイライトとする新たなスポーツカー・カテゴリー、LMDhに参戦するための集中的な準備を行なっている理由だ」

 

「我々のファンに対するもっとも重要なメッセージは、『モータースポーツはアウディにおいて引き続き重要な役割を果たす』ということだ」

 

 アウディはフォーミュラE初年度の2014年からアプト・スポーツライン・チームに技術ならびにオペレーション面でのサポートをスタート。さらに2016シーズン限りでWECのLMP1カテゴリーから撤退し、フォーミュラEの活動に集中してきた。

 

 かつてアウディのLMP1ドライバーとして欧州でもアメリカでもレースをし、現在はフォーミュラEチームの代表を務めるアラン・マクニッシュは、LMDhが次世代の「正しいフォーミュラ(規格)」だと信じている、という。

 

「個人的には、これが次なる世代の正しいフォーマットであると信じている」とマクニッシュ。

 

「この規則によって、世界中で同じクルマを用いたレースをすることができるプラットフォームが作られる。アメリカは巨大なマーケットだ。それはほとんどのマニュファクチャラーにとっても同じことだ」

 

「しかしル・マンもまた、スポーツカーの世界だけなく、依然として世界のモータースポーツにおいても重要なレースである」

 

「このプラットフォームは前進するために適切なものであり、IMSAとACOが規則の面で合意してくれたことに満足している。私は双方が、スポーツカーにおけるグローバルな総合競技という視点を持ってジョイントしてくれたことを嬉しく思う」

 

 ル・マン・ハイパーカー(LMH)規則の車両と競うことができるLMDhフォーマットにはいくつかのマニュファクチャラーが興味を示しているが、今回のアウディほど強力な宣言を行なったメーカーは現在のところ他にない。