【IMSA】1点差でタイトル逃したWTR、“メーカーオーダー”を交渉するも拒否されたと明かす | 北海熊の独り言

【IMSA】1点差でタイトル逃したWTR、“メーカーオーダー”を交渉するも拒否されたと明かす

IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権のDPiクラスにエントリーするウェイン・テイラー・レーシング(WTR)を率いるウェイン・テイラーは、1ポイント差でタイトルを逃した最終戦セブリング12時間レースにおいて、ほかのキャデラック陣営にチーム(メーカー)オーダーへの協力を求めていたことを明らかにした。

 

 11月14日に行なわれたシーズン最終戦・セブリング12時間レースで、ランガー・バン・デル・ザンデ/ライアン・ブリスコー/スコット・ディクソンのドライブするWTR10号車キャデラックDPi-V.Rは、7位でフィニッシュ。このレースで8位となったアキュラ・チーム・ペンスキーのエリオ・カストロネベス/リッキー・テイラーが、僅か1ポイント差でドライバーズタイトルを手にした。

 

 レース終盤のTV中継では、ウェイン・テイラーが、前を走るアクション・エクスプレス・レーシングおよびJDCミラー・モータースポーツの両チームと話し合いをするシーンが映し出された。レギュラードライバーであるバン・デル・ザンデとブリスコー、そしてチームは、5位でフィニッシュすればタイトルを手にできたからだ。

 

 だが結果的にキャデラック陣営の4台は、JDCミラーの85号車を先頭に4〜7位を占めてこのレースを終えている。

 

 タイトルをめぐるオーダーは、最終戦直前となるラグナセカ戦でも見られた。ラグナセカではアキュラのカストロネベス/テイラー組が、最終ラップに同僚のアキュラARX-05からポジションを譲られる形で優勝し、貴重な3ポイントを手にしている(優勝35点、2位32点)。

 

「我々は(交渉に)トライした。だが、同じキャデラック陣営であるにも関わらず、彼らは我々を助けようとはしなかった」と、ウェイン・テイラーはレース後、Sportscar365に対して語った。

 

「もちろん彼らはレースをしているので、彼らを責めることはできないよ。ただ、人々は時としてキャデラックのような巨大マニュファクチャラーを代表して戦っているというのがどれほど大きなことか、忘れてしまう」

 

「(レースを見ていた人々は)彼らが助けてくれるかもしれないと思っただろうが、そうはならなかった。私はこれについて怒っているわけではない」

 

「我々のチーム内には(メーカーオーダーへの)協力を求めることが唯一、タイトルへの道だと信じている者もいたが、私はそれを思い止まらせたよ」

最終戦でキャデラック勢最上位となる4位でフィニッシュしたJDCミラー・モータースポーツの85号車キャデラックDPi-V.R

【最終戦でキャデラック勢最上位となる4位でフィニッシュしたJDCミラー・モータースポーツの85号車キャデラックDPi-V.R】

 

 一方、ドライバーのバン・デル・ザンデは、レースの早い段階でマツダ・モータースポーツの77号車マツダRT24-Pをドライブするオリバー・ジャービスから接触を受けたことについて、「あまりにも不必要」だと感じたと語った。

 

 WTRは予選で2番手となっていたが、スタート手順違反があったためレース序盤にドライブスルー・ペナルティを科せられていた。しかしながら、バン・デル・ザンデをもっとも怒らせたのは、ジャービスとの接触だったという。

 

「結局、あの接触が我々のチャンスを吹き飛ばしたんだ」とバン・デル・ザンデは語った。10号車はこの接触により右リヤタイヤをパンクしただけでなく、ラジエターにダメージを負ったためピットでの修復を強いられていた。

 

「リッキー(とカストロネベス)は大きく遅れていたので、僕らはすべてを手にできていたはずだ。本当に残念だよ」

 

「僕らにとっては、本当に良い年だったと思う。安定性を保つように努めてきた。ただ、アキュラのファン・パブロ・モントーヤにピットレーンでぶつけられたり、前戦のような電気系トラブルがあったりと、バッドラックもあった。それらが最終的な違いを生んだのかもしれない」

 

「ただ、それらのバッドラックがあったとしても、まだタイトルを手にすることはできたはずだ。でも、できなかった。それが現実だし、前を向くしかないよね」