F1キャリーCEO、シーズン開始に向けパートナーと”公平な交渉”をすると主張 | 北海熊の独り言

F1キャリーCEO、シーズン開始に向けパートナーと”公平な交渉”をすると主張

F1のCEOであるチェイス・キャリーは、チームや他のパートナーと交渉をする際に、「キャンディを配るようなこと」はしないと語った。

 

新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、シーズン開幕が延期されている2020年のF1。

このことにより、F1全体の収益は大きく減少していると同時に、スポンサー収入を受けられないチームを救済しなければならないという厳しい立場に置かれている。

 

 また各グランプリの主催者は、無観客でレースが開催されることになった場合には、当初決められていた開催権料を全額払うことはほとんどないだろう。一方で放送局やスポンサーも、契約内容よりも少ないレースしか開催されなかった場合は、金額を再交渉することになるだろう。

 

 テレビ放送に関する契約は、年間の開催レース数が15を下回った場合、減額されることになると考えられている。しかしスポンサーやサーキットの契約は、それほど明確にはなっていないはずだ。

 

「それがチームであろうと、プロモーターであろうと、スポンサーであろうと、全員に”キャンディを配る”つもりはない」

 

 キャリーCEOは、ウォールストリートのアナリストたちとの電話会議でそう語った。

 

「公平に扱われることを期待するが、同時に大人として扱う。そして2021年は、4ヵ月前に我々全員が知っていたビジネスと同じようになるだろうと期待している」

 

 キャリーCEOは、カレンダーが流動的であるため、契約をまとめるのは非常に困難だったと認めた。

 

「チームに関して言えば、今年の始めに期待していたような結果が得られることはないだろう。そして全員が、事業を支えるためにできる限りのことをしていると思う」

 

「流動的な部分が多すぎる。”仮定”の部分が本当にたくさんあるのだ。その一部にだけ取り組むのは、建設的なことではないと思う。この計画を十分に理解して、現在の立場を知る必要がある。我々は、チームが適切な構想を得て、それを成し遂げることを期待している」

 

 またキャリーCEO曰く、締結されていた契約を無効にするのは難しかったことを認める。

 

「分配金に関する基金は、契約に基づいている。それが、分配金の意味合いなんだ。現実的には、一方的に変更することはできない。利益のパーセンテージに基づいて支払われるモノであるため、利益が減れば、分配金も減ることになる」

 

「特定のチームをサポートするために、何かをするだろうか? 我々は、ばら撒くような仕事をするわけではない。しかしそうは言っても、全てのパートナーと関与し、理解し合って、誰にとっても理に適った方法で前進していくことに従事する」

 

 F1のスポンサーとの再交渉に関して、キャリーCEOは次のように説明する。

 

「我々は、スポンサーの期待に応えられると考えられることを達成するために取り組んでいる。結局のところ、これは関係性の問題であり、長期的な関係なんだ」

 

「我々はパートナーとして向き合い、公平な道を見つける。彼らには、我々がしていることについて良いことだと感じてもらいたい。しかし、しっかりと価値を提供する義務があるし、それを提供できた場合には、それに対する対価を受け取れなければいけない。我々はパートナーとしてアプローチする」

 

 キャリーCEOは、観客が入るレースと無観客のレースは異なるケースであると語る。そして観客が入ることになれば、通常の契約内容に近くなる可能性が高いと強調するものの、それでもプロモーターは困難な状況に直面するはずだと認めた。

 

「もちろんファンが入場できた方が、通常のビジネスにはるかに近付くことになる。しかし場合によっては異なるかもしれない。当初は春に開催される予定だったレースが、秋に開催されることになったらどうなるだろうか?」

 

「それは、明らかにチケット販売などに影響を与える。現時点ではほとんどのプロモーターが、まだ延期などが決定していないプロモーターであっても、先行きの不透明性を考慮して、チケットの販売を停止している。おそらく、誰もチケットを購入していないだろう」

 

「存在するモノ全てが、いつも通りではない。でも観客が入ることができるレースもある程度はあるだろう。とはいえ、いつもと同じような数のファンが入れるのか、それとも一定の条件をつけてファンを入場させるレースになるのかという問題もある。全てのことを連動させなければいけないのだと思う」