【鈴鹿10H】アウディ25号車が完勝でRSの25周年を飾る。日本勢最上位はKCMGの6位
2019第48回サマーエンデュランス『BHオークション SMBC 鈴鹿10時間耐久レース』は8月25日、20時に長い10時間の戦いのチェッカーを迎えた。優勝を飾ったのはケルビン・バン・デル・リンデ/ドリス・ファントール/フレデリック・ベルビシュ組アウディスポーツ・チームWRTの25号車アウディR8 LMS。2位は昨年ウイナーのメルセデスAMG・チーム・グループMレーシングの999号車メルセデスAMG GT3、3位はアブソリュート・レーシングの912号車ポルシェ911 GT3 Rとなった。
10時にスタートが切られた鈴鹿10時間は、序盤からスプリントばりの高いペースでの戦いが続いていったが、アクシデントがかなり少ないレースとなった。開始から2時間28分でアロウズ・レーシングの98号車ホンダNSX GT3とハブオート・コルサの27号車フェラーリが接触しフルコースイエロー(FCY)が出された後はトラブルが出るマシンこそあったものの、コース上のアクシデントはほとんどなかった。
そんななか、開始から6時間を迎えようかというころ、27号車フェラーリをふたたびアクシデントが襲う。ニック・キャシディがドライブしていたが、130Rでスピン状態に陥りクラッシュを喫してしまった。これでふたたびFCYが導入され、セーフティカーが続いて入った。
キャシディは一度はマシンを下りるが、ヘルメットをかぶり直し、なんとかピットに車両を戻す。フェラーリは大きなダメージを受けており、一度は修復を受けコースに戻ったものの、最後はリタイアに終わっている。
首位争いは中盤以降、コンスタントにラップを重ねていった25号車アウディが少しずつリードを築いていく。これに続いていたのは、アウディスポーツ・チーム・アブソリュート・レーシングの125号車アウディ。これで終盤に向けてアウディのワン・ツーとなっていった。
一方、序盤から上位争いは白熱の戦いが展開されていった。メルセデスAMG・チーム・グループMレーシングの999号車、メルセデスAMG・チーム・クラフト・バンブーレーシングの77号車、さらにアブソリュート・レーシングの912号車ポルシェ、ポールポジションスタートだったBMWチーム・シュニッツァーの42号車BMW M6 GT3、ベントレー・チームMスポーツの107号車ベントレー・コンチネンタルGT3らのヨーロッパのワークス勢が、同一周回のままそこかしこでバトルを展開していく。
そんななか、トップを走っていた25号車アウディは、陽が落ち暗くなってからもペースを落とすことはなく、最後は2番手に40.367秒差をつけチェッカーを受けた。今回はRSモデルの誕生25周年を記念したノガロブルーのカラーリングをまとった25号車は、完勝でその記念を祝うことになった。
■上位争いは熾烈な戦い。KCMGのGT-Rが6位に食い込む
ただ、2番手につけていた125号車アウディは、残り1時間を切って迎えた最後のルーティンストップで時間がかかり、ポジションを落としてしまうことに。終盤追い上げをみせたが、最後は7位でフィニッシュした。
2位に食い込んだのは、中盤戦を勝ち抜いたマキシミリアン・バーク/マーロ・エンゲル.ラファエル・マルチェッロ組999号車メルセデス。2年連続優勝は叶わなかったが、表彰台を得た。3位には着実にポジションを上げたアブソリュート・レーシングのデニス・オルセン/マット・キャンベル/ディルク・ベルナー組912号車ポルシェが入った。
上位争いは今年も熾烈な戦いが展開されたが、そこに割って入ったのが、千代勝正/ジョシュ・バードン/松田次生組KCMGの35号車ニッサンGT-RニスモGT3と、メルセデスAMG・チーム・グッドスマイルの谷口信輝/片岡龍也/小林可夢偉組00号車メルセデス。セーフティカー導入時には表彰台圏内をうかがう戦いをみせていった。カーガイ・レーシングのジェームス・カラド/ケイ・コッツォリーノ/ミゲル・モリーナ組フェラーリ488 GT3も上位をうかがった。
しかし、終盤に向け海外勢とは少しずつその差が開いてしまうことに。それでも35号車GT-Rは、地元の次生がアンカーを務めると、最後はグランドスタンドの青いサイリウムを味方につけ、107号車ベントレーをパスし、最後は125号車アウディの猛攻を防ぐと、トップと同一周回の6位でフィニッシュした。一方00号車メルセデスは可夢偉がアンカーを務め、10位でフィニッシュした。どちらもチームが望んだ成績ではないかもしれないが、“世界と互角に戦う”という意味では、昨年以上の可能性を見せてくれたと言えよう。
シルバークラス優勝を飾ったのは、ニコ・バスティアン/ミカエル・グレニア/ケニー・ハブル組サンエナジー1レーシングの75号車メルセデス。総合でも12位に食い込んだ。クラス2位には、武井真司/小河諒/マーカス・ポマー組キャラウェイ・コンペティション・ウィズ・ビンゴレーシングの37号車キャラウェイ・コルベットがクラス2位/総合19位、エイドリアン・ディーツ/アントニオ・ド・アルベルト/キャメロン・マコンビル組ウォール・レーシングの6号車ランボルギーニ・ウラカンGT3がクラス3位/総合30位となった。
プロ-アマクラスは、チーム・ストラッカ・レーシングのクリスティーナ・ニールセン/エイドリアン・ヘンリー・ダ・シルバ/ドミニク・バウマン組43号車メルセデスが優勝で、総合20位に。クラス2位はガレージ59のアレックス・ウエスト/クリス・グッドウィン/コム・レドガー組188号車アストンマーティン・バンテージGT3がクラス2位/総合21位、そして脇阪寿一/脇阪薫一/中西慧組LM corsaの60号車ポルシェがクラス3位/総合24位でフィニッシュした。
また、今回ひさびさのレースを戦った元F1ワールドチャンピオンのミカ・ハッキネンも、石浦宏明と久保田克昭とのトリオでプラネックス・スマカメ・レーシングの11号車マクラーレン720S GT3を駆り、総合21位でフィニッシュしている。
![2位に入ったメルセデスAMG・チーム・グループMレーシングの999号車メルセデス](https://cdn-image.as-web.jp/2019/08/25201347/0422-660x440.jpg)
【2位に入ったメルセデスAMG・チーム・グループMレーシングの999号車メルセデス】
![3位に食い込んだアブソリュート・レーシングのポルシェ911 GT3 R](https://cdn-image.as-web.jp/2019/08/25201413/0516-660x440.jpg)
【3位に食い込んだアブソリュート・レーシングのポルシェ911 GT3 R】
![KCMGの35号車ニッサンGT-RニスモGT3](https://cdn-image.as-web.jp/2019/08/25201243/0230-660x440.jpg)
【KCMGの35号車ニッサンGT-RニスモGT3】
![終盤まで2番手を走っていた125号車アウディ](https://cdn-image.as-web.jp/2019/08/25201314/0325-660x440.jpg)
【終盤まで2番手を走っていた125号車アウディ】
【2019第48回サマーエンデュランス『BHオークション SMBC 鈴鹿10時間耐久レース』決勝総合結果】
Pos | No | Class | Team | Car | Driver | Gap |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 25 | Pro | アウディスポーツ・チームWRT | アウディR8 LMS GT3 Evo | K.バン・デル・リンデ D.ファントール F.ベルビシュ |
275Laps |
2 | 999 | Pro | メルセデスAMG・チーム・グループMレーシング | メルセデスAMG GT3 | M.エンゲル R.マルチェッロ M.バーク |
40.367 |
3 | 912 | Pro | アブソリュート・レーシング | ポルシェ911 GT3 R | D.オルセン M.キャンベル D.ベルナー |
43.797 |
4 | 77 | Pro | メルセデスAMG・チーム・クラフト・バンブー・レーシング | メルセデスAMG GT3 | M.ゲーツ L.シュトルツ Y.ブールマン |
47.038 |
5 | 42 | Pro | BMWチーム・シュニッツァー | BMW M6 GT3 | A.ファーファス M.トムチェク N.イェロリー |
48.666 |
6 | 35 | Pro | KCMG | ニッサンGT-RニスモGT3 | 松田次生 千代勝正 J.バードン |
56.921 |
7 | 125 | Pro | アウディスポーツ・チーム・アブソリュート・レーシング | アウディR8 LMS GT3 Evo | M.ウィンケルホック C.ハーゼ C.ミース |
57.199 |
8 | 107 | Pro | ベントレー・チーム・Mスポーツ | ベントレー・コンチネンタルGT3 | J.ペッパー S.ケイン J.グーノン |
1’11.098 |
9 | 44 | Pro | メルセデスAMG・チーム・ストラッカ・レーシング | メルセデスAMG GT3 | G.パフェット L.ウイリアムソン T.ボーティエ |
1’27.891 |
10 | 00 | Pro | メルセデスAMG・チーム・グッドスマイル | メルセデスAMG GT3 | 谷口信輝 片岡龍也 小林可夢偉 |
1Lap |
11 | 777 | Pro | カーガイ・レーシング | フェラーリ488 GT3 | J.カラド ケイ・コッツォリーノ M.モリーナ |
1Lap |
12 | 75 | Pro | サンエナジー1・レーシング | メルセデスAMG GT3 | K.ハブル N.バスティアン M.グルニエ |
1Lap |
13 | 911 | Pro | EBM | ポルシェ911 GT3 R | R.デュマ M.ジャミネット S.ミューラー |
2Laps |
14 | 18 | Pro | チーム・アップガレージ | ホンダNSX GT3 | 小林崇志 松浦孝亮 牧野任祐 |
2Laps |
15 | 30 | Pro | ホンダ・チーム・モチュール | ホンダNSX GT3 Evo | M.ボナノミ 武藤英紀 B.バゲット |
2Laps |
16 | 87 | Pro | JLOC | ランボルギーニ・ウラカンGT3 | 小暮卓史 元嶋佑弥 関口雄飛 |
3Laps |
17 | 21 | Pro | アウディ・チーム・ヒトツヤマ | アウディR8 LMS GT3 Evo | R.ライアン 富田竜一郎 A.ピカリエロ |
3Laps |
18 | 034 | Pro | モデューロ・ドラゴ・コルセ | ホンダNSX GT3 Evo | 道上龍 大津弘樹 中嶋大祐 |
3Laps |
19 | 37 | Silver | キャラウェイコンペティション・ウィズ・ビンゴレーシング | キャラウェイ・コルベットC7 GT3-R | 武井真司 小河諒 M.ポマー |
4Laps |
20 | 43 | Pro | チーム・ストラッカ・レーシング | メルセデスAMG GT3 | C.ニールセン A-H.ダ・シルバ D.バウマン |
6Laps |
21 | 188 | Pro-Am | ガレージ59 | アストンマーティンV8バンテージGT3 | A.ウエスト C.グッドウィン C.レドガー |
6Laps |
22 | 11 | Pro | プラネックス・スマカメ・レーシング | マクラーレン720S GT3 | M.ハッキネン 久保田克昭 石浦宏明 |
7Laps |
23 | 018 | Pro | KCMG | ニッサンGT-RニスモGT3 | A.インペラトーリ O.ジャービス E.リベラティ |
9Laps |
24 | 60 | Pro-Am | LMコルサ | ポルシェ911 GT3 R | 脇阪寿一 脇阪薫一 中西慧 |
12Laps |
25 | 112 | Am | SATO-SSスポーツ | メルセデスAMG GT3 | 佐藤敦 山下亮生 久保宣夫 |
12Laps |
26 | 9 | Am | MPレーシング | ニッサンGT-RニスモGT3 | ジョー・シンドウ 柴田優作 高田匠 |
14Laps |
27 | 2 | Pro-Am | カーズ東海ドリーム28 | ロータス・エヴォーラMC | 高橋一穂 加藤寛規 濱口弘 |
15Laps |
28 | 108 | Pro | ベントレー・チーム・Mスポーツ | ベントレー・コンチネンタルGT3 | A.バンコム A.ソウチェク S.モリス |
16Laps |
29 | 5 | Pro-Am | GTNETモータースポーツ | ニッサンGT-RニスモGT3 | 浜野彰彦 星野一樹 山田英二 |
30Laps |
30 | 6 | Pro-Am | ウォール・レーシング/エイドリアン・ディーツ | ランボルギーニ・ウラカンGT3 | A.ディーツ A.ド・アルベルト C.マコンビル |
31Laps |
31 | 51 | Silver | AMACモータースポーツ | ポルシェ911 GT3 R | A.マクファーソン B.ポーター B.シールズ |
48Laps |
32 | 27 | Pro | ハブオート・コルサ | フェラーリ488 GT3 | H.コバライネン N.キャシディ N.フォスター |
78Laps |
33 | 8 | Silver | apr・ウィズ・ARNレーシング | フェラーリ488 GT3 | 永井宏明 織戸学 上村優太 |
89Laps |
34 | 98 | Am | アロウズ・レーシング | ホンダNSX GT3 | P.マ L.リウ J.ユン |
216Laps |
35 | 88 | Pro | JLOC | ランボルギーニ・ウラカンGT3 | A.カルダレッリ M.マペッリ D.リンド |
226Laps |
36 | 34 | Pro | ワーケンホルスト・モータースポーツ | BMW M6 GT3 | C.クログネス N.キャツバーグ M.ジェンセン |
232Laps |