疑惑の声が消えないフェラーリ2018年型F1マシン | 北海熊の独り言

疑惑の声が消えないフェラーリ2018年型F1マシン

フェラーリの2018年型F1マシンSF71Hの違法性に関する疑いはまだ完全に晴れたわけではなさそうだ。

 

イタリアの『La Gazzetta dello Sport』によれば、F1統括団体であるFIA(国際自動車連盟)がF1チームたちに対し、予選セッションの間にオイルを補給することを禁止することを通達したという。

 

■フェラーリに違法性はないとしたFIA

 

FIAでは今回の禁止通達に関して特定のチームに対して疑念があるといった理由によるものだとはしていないようだ。しかし、うわさではフェラーリSF71Hはエンジンスタート時に異常に多くの白煙を上げると言われており、パワーアップを目的としてオイルを燃料に混ぜて燃焼させてはならないというルールに違反するトリックを用いているのではないかと言われていた。

 

ドイツの『Auto Motor und Sport』によれば、「FIAは中国でフェラーリF1マシンを検査し、オイルシステムの図面すべてを調査した」ものの、違法性は何もなかったと結論付けていた。

 

■ほかにも疑惑の目を向けるライバルチームたち

 

ところが、『Auto Motor und Sport』は、この件以外にもフェラーリ2018年型車の違法性を疑う声があるとしている。

 

同誌によれば、レッドブルがフェラーリF1マシンに備えられたバックミラーはレギュレーションに沿ったものではないとの申し立てを行っているという。

 

また、バクー市街地サーキットで行われた今季の第4戦アゼルバイジャンGPの後では、メルセデスがフェラーリ2018年型車の電池システムに対し、許容されている4メガジュール以上の出力を発生するものとなっているようだとの疑いを抱いていることが明らかになったようだ。

 

さらに、フェラーリではターボチャージャーを用いてリアウイングにガスを吹き付ける手法をとっているのではないかとの疑いもあるようだ。現在のルールでは意図的に排気を空力向上目的に利用することは禁じられている。

 

■フェラーリの技術情報が流出?

 

最近になってメルセデス側からフェラーリに対する疑念の声が上がってきていることについて『Auto Motor und Sport』は次のような推測を展開している。

 

「ひとつの可能性は、フェラーリの前エンジン責任者であったロレンツォ・サッシが4月からメルセデスで働いており、彼がそうした話をしているのではないかということだ」

 

ともあれ、今季メルセデスをしのぐパフォーマンスを発揮してみせているフェラーリ2018年型車に大きな注目が集まっているのは間違いなく、さまざまな疑惑がうわさに上るのもある意味では仕方がないことなのかもしれない。

 

「今後数週間はこの話題で持ちきりとなるかもしれない」と『Auto Motor und Sport』は付け加えている。