"孤立無援"で戦ったハミルトン「フェラーリの戦略を知らなかった」 | 北海熊の独り言

"孤立無援"で戦ったハミルトン「フェラーリの戦略を知らなかった」

ハミルトンは、開幕2戦で優勝できなかった反省として、レース中のコミュニケーションの改善に取り組まなければならないと語った。

 

 メルセデスのルイス・ハミルトンは、開幕戦オーストラリアGPとバーレーンGPで優勝できなかった反省として、レース中のコミュニケーションの改善に取り組まなければならないと語った。

 

 ハミルトンはそれぞれのレースの敗因を語った。オーストラリアGPではメルセデスがセバスチャン・ベッテル(フェラーリ)とのギャップを見誤ったことで、ベッテルに逆転を許してしまった。またバーレーンGPでは彼がレースの状況を知り、何に対し力を入れるべきなのか理解しようとする中、"孤独で"いることが多かったため、結局ベッテルに追いつくことができなかったと振り返った。

 

 特にバーレーンGPで事態を複雑にしたのは、レース中ハミルトンはフェラーリが2ストップ作戦を取っていると勘違いしていたこと、さらにマイクに問題が発生してピットウォール側が常にハミルトンの声を聞き取ることが出来なかったことだった。

 

「レース序盤でタイヤの負荷がどれほどかかっているのかを知ることが難しかった」とハミルトンは語った。

 

「レース中、僕は(フェラーリの)ふたりが2ストップ作戦を決行していて、1ストップで走りきれないものだと思っていた」

 

「下位の方で戦いながら僕はそう考えて、タイヤをセーブしていた。後でフェラーリとの差を詰めて、戦えるようにするためだ」

 

「でも本来は、タイヤが良い状態のうちに彼(ベッテル)に追いついて、できる限りの力を発揮してそのギャップを縮めなくてはならなかった。なぜなら実際に彼らは1ストップ作戦に変更していたからだ。僕はその情報を知らなかったし、なにもかも不明瞭な中でひとりでドライブしている時間が多かった。それが僕たちが取り組むべき問題だ」

 

「ラジオも正常に機能していなかったし、現時点でどんな情報を提供すべきなのかを知るのも困難な状態だ」

 

「彼ら(ピットウォール側)は僕の声を聞き取ることができなかった。僕の方は聞こえるけど、彼らは常に"君の声が聞き取れない"と返答してきた。彼らが僕にコーナーでのフィードバックを聞き出そうとしている時、僕は常に完璧なラインをなぞることに集中していたから、なお困難を極めた」

 

 ハミルトンは、その反省としてチームはレースエンジニアであるペーター・ボニングトンとのコミュニケーションの取り方を見直すつもりだと語った。

 

「議論する場を作って、これまでの2レースでの出来事について話し合うつもりだ。ドライバーが好むフィードバックはそれぞれ違う。レース中、情報を必要としている時がある」

 

「もしそういった情報がなく、必要な行動を取るための戦略がなければ、ドライバーとピットウォールからのメッセージを待つガレージのみんなはストレスを感じるだろう」

 

「だから議論を行い、その問題を改善しようとしている。そして自分たちのやることに疑いを無くすんだ」

 

「僕は会話の必要がなければ、極力話しかけて欲しくないと思っている。お互いに一番うまく行く方法で働くだけだ。それと正確な情報を伝えることが重要だ」

 

 さらにハミルトンは、フェラーリとの戦いがタイトなものであり、ミスをする余地がないことを認めた。

 

「今は限界に近い戦いで、コミュニケーションの重要性など細々としたことに取り組むことで7ポイント差をつけたり、つけられたりする。振り返れば、バーレーンも勝つことができたレースだった」

 

「オペレーションとコミュニケーションを理解することに苦戦したのが理由で、レースを失うこととなった。今思えば、レース前に確認できることがあった。それにバルテリ(ボッタス)がレースで何を感じたのかは知らないけど、彼にとっても理想的な状態ではなかったと思う」

 

「今までのレースでフェラーリに負けてはいけなかった。僕たちはマシンを強化するだけでなく、レース中のオペレーションにも通り組まなければならない」