6月25日、金融庁からビックモーター事件やカルテルの問題を鑑み4月から6月まで実施された「損害保険業の構造的課題と競争のあり方に関する有識者会議」報告書が公表されました。
概要は次の通りです。
■顧客本位の業務運営の徹底
1. 大規模代理店に対する指導等の実効性の確保
損保会社による代理店に対する指導等の実効性の確保
金融庁・財務局のモニタリング強化
第三者による代理店の業務品質の評価の枠組みの検討
損保募集人の試験制度や継続教育の高度化・厳格化等
態勢整備の厳格化、自主規制機関についての検討
2. 代理店手数料ポイント制度
「規模・増収」に偏ることなく「業務品質」を重視する評価体系への変革
「業務品質」の指標を顧客にとってのサービス向上に資するものとする
3. 保険会社による代理店等への過度な便宜供与等の制限
自社の保険商品の優先的な取扱いを誘引する便宜供与等の解消
自社の保険商品の優先的な取扱いを誘引するほか、代理店の自立に向けた動きを阻害する出向等を解消
4. 乗合代理店における適切な比較推奨販売の確保
顧客の最善の利益を勘案した比較推奨の確保
顧客の保険リテラシー向上の支援(商品選択のガイドブックの作成 等)
5. 代理店の兼業と保険金等支払管理部門の独立性確保等
代理店の兼業による弊害を防止するための措置の実施
適切な保険金等支払管理態勢の確保(営業部門からの介入の排除 等)
■健全な競争環境の実現
1.競争環境の歪みの是正
独占禁止法抵触リスクをはらむ共同保険のビジネス慣行の適正化
政策保有株式の縮減及び不適切な便宜供与の解消
2.損保会社における態勢の確保
独占禁止法等を遵守するための適切な法令等遵守態勢の確保
コンプライアンス上不適切なインセンティブとならない評価体系の策定等、適正な営業推 進態勢の確保
リスクに応じた適切な保険料を提示するための保険引受管理態勢の強化
3.企業内代理店のあり方
企業内代理店の立場の明確化、情報共有ルールの策定
企業内代理店の実務能力の向上(損保会社による指導等の態勢整備、不適切な 代行の解消 等)
企業内代理店の自立の促進(特定契約比率の見直し 等)
詳細は、金融庁ホームページをご確認下さい。
これを受けて、今後、どう展開するのでしょうかね。
こうした背景から、最近は、保険代理店のM&A市場が活況を呈していて、多くのM&A会社から「売りたい保険代理店を探してほしい」というオファーが多くなっています。
保険会社社員におんぶに抱っこでやって来た企業内保険代理店、流石に対応は無理とさじを投げた兼業代理店は、この機会に売ると高く売れますよ。
売りたいという保険代理店の皆様、ご連絡お待ちしています。
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