ゴールデンウイークはゆっくりリフレッシュされましたか。

 

ゴールデンウイーク中、2度、月曜日の祝日がありましたが、大学にゴールデンウイークは無いので、ネクタイ派手夫は多摩市の中央大学で授業をしていました。

 

今年も中央大学経済学部客員講師として授業を通年28尺《4単位取れます》持っていますが、5月6日に使った授業内での「問題」を皆さんにも解いていただければと思います。

 

【問題】

中央大学では多摩キャンパス構内における学生の不慮の事故を想定し、入院、死亡した場合、本人へ見舞金100万円を支払う制度を検討している。

以下条件をもとに学生1人当たりの年間保険料を積算せよ。

 

【条件】

①    見舞金支払いは学生が校内を入り校内を出るまでの間に限定する《駅等での事故は不担保》

②    対象事故は月曜日から土曜日までに限る(夏季、冬季、春季等休暇中の140日は除き、クラブ活動中の事故は除く)

③    学生入校者の加重平均値は1日あたり1万人とする(対象学生は1万人とする)

④    過去3年間の校内における状況は次の通り

a.     2021年7月 男子学生100人が体育授業中、スズメバチに刺され全員が2日間入院した

b.     2021年9月 実家に帰省中、交通事故で2週間入院した

c.      2021年12月 学生が急性心筋梗塞で講義中1名死亡した

d.     2022年5月 アルバイト先で転倒し脳震とうで1日入院した。

e.     2022年7月 男子学生100人が体育授業中、スズメバチに刺され全員が2日間入院した

f.      2023年6月 体育で野球の授業中、学生の打った打球が校内をたまたま散策していた学生の父親を直撃し全治1か月の重傷を負わせた

g.     2023年7月 女子学生4年生30名が講義のない月曜日の雨の日に校内階段から誤って滑り落ち、将棋倒しに転倒し、全員が全治1か月の重傷を負った

⑤    「収支相当の原則」と「大数の法則」を常に想定し考える事

 

【備考】

あくまでも、純保険料部分のみの積算であり、付加保険料として販売手数料、集金経費、契約維持費等々を加味されていないので、保険料としては不適切であることを理解の事。また、過去3年間の分母の状況はコロナ禍もあり学生が登校していない時期も含まれ、且つ平時とは言えない事故数が含まれていると想定され、大数の法則を満たしているとは言い切れないので、更に3年以前の校内における事故状況データを精査する必要があると考えます。

 

如何でしょうか。答えは導き出せましたか。

 

この問題をスタートに損害保険についての講義をします。

 

そもそもケガの入院費用として100万円支払うとした場合、モラルリスクが発生する可能性が非常に高く商品設計上問題がありますが、教材としてこんな内容を大学3年生相手にやっています。

 

ゴールデンウイーク明けの頭の体操でトライしてみて下さい。

 

答えが導き出せない保険会社の社員はいないと思いますが、大丈夫でしたか。

 

保険会社社員の方は、純P、付加P、死差益、費差益、利差益等々の言葉について正確に回答できますよね。

 

試しに皆さんの部下や同僚、後輩社員に使ってみて下さい。

 

#大数の法則 #中央大学保険アナリストコース #