『あなたの不満買い取ります』
こんなフレーズが見出しに出ているサイトがあります。
それが「不満買い取りセンター」です。
身の回りの商品やサービスへの不満の声を買い取るサイトで、商品名とともに不満の声を送ると、ポイントをもらうことができて金券に換えられます。
これまでに累計4000万件以上の声が寄せられたそうで、過去にこんな不満がサイト上に掲載されています。
・常温で保存可能なヨーグルトがあればいいのに。毎日食べるものだから、冷蔵庫に出し入れするのがそもそも面倒です。
・スーツケースのタイヤは交換できるようにすべき。本体はまだまだ使えるのにタイヤだけのために粗大ゴミで捨てるのはもったいない。
・糖質制限をしているのですが、スナック菓子が食べたくなります。低糖質のスナック菓子があればいいのに。
・パソコンのキーボードにホコリが溜まってしまうので蓋ができるキーボードを発売してほしい。
思わず「そうそう」と言ってしまう内容で、こうした声を商品開発に活用しているのです。
このサイトを運営する東京都内のリサーチ会社は、膨大な数の声をマーケティングにつなげるためAIを活用しています。
AIを活用することで、議論を活発にしようというサービスもあります。
約1万人が利用するSNSのサイトでは、さまざまな議論のテーマが設定されています。
例えば、「登山者に対して入山料を取るべきか?」というテーマ。
このサイトでは、テーマに対して賛成・反対のお互いが妥協点を探るために、AIが議論に加わるのです。
奈良県田原本町では、このサイトを利用して「職員の服装のカジュアル化」について町民に議論を促したそうで、AIを交えた議論を受け、節度を守って不快感を与えなければカジュアル化は問題ないという結論に至ったのだそうです。
保険代理店にもお客様の不満の声は届くと思います。
届いた声を社内の部門で取り上げ、何が要因なのか、どう改善するか等々のアイデアをPDCAで回し続けることが肝要です。
お客様の不満は宝です。
お客様に教えていただくことは多く、大変勉強になります。
募集人が多い代理店は、不満の声も日々お客様から上がると思いますが、これを漏れなく収集しないとダメです。
募集人が契約したすべてのお客様に代理店の社長名で手紙が送られ、相対した募集人に関するお客様の声や保険代理店に対する意見を収集している代理店もあります。
その上、不満の声を寄せていただいたお客様を集めて、お茶会を開催して社長自らがお客様から直接声を聴き改善策をお客様と一緒に考えるという体制を構築している代理店もあります。
不満の声をあげた方は、自分の声をきちんと聴いてくれて、しかも一緒に対策を考えることで、当該社の対応に感動され、一気に当該社の大ファンになられます。
こうして構築した「ファン」が口コミでお客様を拡大してくれます。
強力な親衛隊に変わるのです。
お客様の声を吸い上げて対応する体制を新年度、検討されてみては如何ですか。
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