金融庁が損害保険大手4社に政策保有株の売却を加速するよう求めたことがわかったと報じられました。

 

なかなか踏み込んで来ましたね。

 

「政策保有株」とは、純粋な投資目的ではなく、取引先との関係維持や強化を狙って企業が保有する株式で、取引先と相互に株式を保有する「持ち合い」の形を取る場合もあります。

 

お互いに「安定株主」となりますが、企業統治の形骸化を招くとの指摘も過去からされていました。

 

金融庁は「株の持ち合いを通じた企業とのもたれあいが一連の不正行為の温床になった」とみて、昨年12月に4社に出した業務改善命令に対する再発防止策などを盛った業務改善計画の提出を命じていますが、その中で現在の政策保有株の削減計画と見直し案の報告を求めているそうです。

 

4社合計の政策保有株は延べ5900社、6.5兆円(時価ベース)ほどになるそうです。

 

株の持ち合いを通じた企業とのもたれ合いが一連の不正行為の温床になったとみて、踏み込んだ削減を求めるそうですが、

これは素晴らしい指導ですね。

 

株価も上がっているので、保険会社にとっても「動かせない株式」を金融庁指導で売却して利益を出すには絶好の機会ではないでしょうか。

 

昔、損保会社時代にT自動車を担当したことがありますが、当該社の管財物件は「基本」各保険会社の保有株数で決まり、ここに毎週各保険会社がT自動車の総務の窓口を訪問し、毎週何らかの提案をするよう求められ、この内容によってシェアが微妙に変動するという仕組みでした。

 

毎週行って何らかの保険の提案を、資料も作って持って行くのって、なかなか大変でしたが、何とか面白いネタを見つけて対応していました。

 

で、この毎週対応してくれるT自動車担当者は「入社2年目」くらいの社員でした。

 

「入社2年目」の社員に何を提案するのかとバカにして行かないとシェアは下がります。

 

T自動車の経理担当役員から「保険の管財物件のシェア決めるくらいの作業は入社2年目くらいで十分」と言われたことがあり、驚愕した記憶があります。

 

だって、ビックリするくらいの保険料ですから、これを入社2年目社員の作業程度と言われ、是非に及ばずと思ったことを思い出しました。

 

政策保有株売却は、企業と保険会社との「もたれ合い」を改善する最良の手だと思います。

 

#政策保有株 #業務改善命令