新型コロナウイルスの感染拡大の影響で5月の国内輸入車販売台数は前年同月比でほぼ半減し、来店での商談が当たり前だった自動車販売の現場も変化を迫られていることが紹介されていました。

 

紹介されていたのは、販売店運営のジャガー東京(東京・世田谷)で、当該社は「商談から納車までオンラインで完結できる販売システムを導入」したそうです。

 

このシステムを利用したお客様のコメントも紹介されていて、「ネットで事前にいろいろ調べていたので、オンラインでのやりとりでも特に不便は感じない」のだそうです。

 

最終的に一度は来店する客も多いそうですが、「最初の窓口としてのオンライン商談の効果は予想以上に大きい」と手応えを感じているとのことでした。

 

自動車販売では「販売員の人柄」や「接客態度」が『購入の決め手』になることも少なくなかったですが、オンラインではこうした伝統的な手法が伝わりにくい点もあり、ネットを活用しつつ、いかに客との距離を縮められるかが今後の改善点になるのでしょうね。

 

車と並び、高額消費の代表格であるマンション販売でもオンライン活用が進んでいるそうで、三菱地所レジデンスは「新築分譲マンションのオンライン接客」を全国の物件に広げたそうです。

 

マンションギャラリーでは、担当員がパソコンの画面上で、顧客と仮想現実(VR)のモデルルームなどを一緒に見ながら商談を進めているそうです。

 

これで成果が出るのかと懸念があると思いますが、何と同社のオンライン接客の実績は8月10日時点で、全国40物件で累計413件にも及び、商談全体の5%程度を占めるそうです。

 

この成約に至った割合は「モデルルームでの対面営業とほぼ同じ」だそうですからちょっと驚きの結果だと思います。

 

マンション販売では今後もオンラインと対面の両方を組み合わせ、『新常態』として定着させたいとしていました。

 

となると、家や車に匹敵する「高額消費」の保険は、同じ道を歩くしかないのでしょうね。

 

「新常態」として、保険も対面でなくオンラインとなれば、大手生保社のセールスレディは戦後75年を経て漸く役目を終えるのでしょうか。

 

ご存知のように生保のセールスレディは終戦後の戦争未亡人が子供たちを育てるために仕事をしないといけなかったことから国策的に生命保険会社に採用させたことからスタートしました。

 

昔は「保険料は手集金」でしたので、毎月自宅等を訪問し保険料を徴収することからスタートし、今の保険販売に至りました。

 

国策的な施策は未だに大手生保社では国体維持されていて今でも保険募集の6割はセールスレディで契約されている訳ですが、残念ながら「タブレットすら使いこなせない」現状がありますので、これがオンラインになると「わからなくて出来ない」という方が多いと思います。

 

これは損害保険の代理店でも同じで平均年齢60歳を超えているといわれる専業代理店の方もオンライン化についていけないので保険会社としてはこうした代理店を淘汰していくしか手がない訳でバッサバッサと切っている訳です。

 

新型コロナの影響で、オンライン化がガラパゴス状態だった保険業界も一挙に変わろうとしています。

 

「旧常態」である多くの人を抱えて対面で保険販売する形から、一挙にオンラインで申込みまで出来る「新常態」に変わる中、生保セールスレディも終焉を迎えるのでしょうか。